29日、中国で若い女性が自分のヌード写真と引き換えに業者から金を借りる「裸ローン」が大きな社会問題となっている。

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2016年9月29日、中国で若い女性が自分のヌード写真と引き換えに業者から金を借りる「裸ローン」が大きな社会問題となっている。

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「裸ローン」とは金を借りたい女性が自身の身分証明証を持ってヌード写真を撮影、返せない場合はその画像がネットでばらまかれる(販売も含む)という仕組みだ。返済期間の先延ばしを持ち掛ける業者に関係を迫られたり、売春を強要されるケースもあり、金を用意できない女性はやむを得ずこれに応じる。

斉魯晩報(山東省)の28日付の記事によると、同省には少なくとも100人の「裸ローン当事者」がいる。その多くが22歳以下だが、中には高校生もいるというから事態はさらに深刻だ。当事者の1人、四川省から同省聊城市の学校に進学した張雅さん(仮名)は2カ月前にネット上で借りた5000元(約7万6000円)を「最後通告」として示された今月26日までに返すことができなかった。当初、業者と約束した返済期日は1カ月後、金利は月20%。業者にしてみれば20%は常識的なレベルなのだという。結局、張さんは「金持ちの男性を紹介する。そうすれば借金も返せるし、安定した収入を得られる」という業者の言葉を受け入れてしまった。

四川省の小さな村で生まれた張さんは、学費や生活費をアルバイトで稼ぐ苦学生だ。「地方から大きな街にやって来て視野が広がった。同じ寮の学生が高価な物を持っているのを見てアップルのスマートフォンを買うためにローンを利用してしまった」と語る。別の女性は「犬の病院代が必要になった」。女性らは「交際にお金がかかる」「スマホを買いたい」「起業資金」「中絶手術を受けたい」などさまざまな理由で巨大なリスクがのしかかるローンに走る。

前述の斉魯晩報は「裸ローンは1年ほど前に中国南部で出現した。ここ数カ月で山東、北京、広東、江蘇、四川などで数百人の被害者が出た」と指摘する。このような状況を受け、ある都市では大学生を対象に「P2P金融(ネット上で個人間の金の貸し借りを取り持つサービス)に軽い気持ちで手を出さないで。女子大生は冷静になって、裸ローンなどとは関わらないでほしい」と呼び掛ける講座が開催された。また、北京青年報は6月17日付の記事でこの問題に関する弁護士2人のコメントを紹介。業者側は「返済期限を過ぎた後の写真取り扱いについては事前に借り手と合意済み」と訴えるが、2人は「合意があったとしても流布、販売した側は権利侵害責任、刑事責任、治安責任が問われる。画像をばらまかれた女性はプライバシー侵害の被害者だ」「ヌード写真の販売、拡散はわいせつ物の流布に当たる。写真を渡した女性も同様。本来、担保にできる物ではなく、これを担保とするのは違法行為」とそれぞれの見解を示した。

そもそも、ヌード写真を担保に取るという方法は「借り手の中には返済能力がないくせに高価な物を買うためにローンを申し込む学生もいる。貸し倒れの多さを見かねた業者が考え付いた」(関係者)。新学期が始まる9月は特に利用者が増える時期だという。斉魯晩報はある業者が口にした「もともと返す気のない学生もいるが、こっちにもいろいろな手段がある。焦げ付きが多いとはいえ利益は出ている」という言葉を紹介、「ヌード写真を使って金の回収を進める業者。他にどのような手口があるというのか」と締めくくっている。(翻訳・編集/野谷)