介護のために「子ども」が必要!? 独女・ママ・親世代…それぞれの見解と現実

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自分の老後について、現時点で具体的に考えているママ世代は、どのぐらいいるでしょうか。

「独女で何が悪い?」今しかできないこともある! アラサーぼっちの言い分

少し前に、介護に関するツイートと漫画が波紋を呼びました。

それは、れのれの@単行本出てるよ(@renoreno0802)さんの、「子供は介護道具じゃないです」というもの。

漫画のなかで主人公は、近所の人から「早く産んでおかないと将来どうするの!」「自分たちの世話を誰がするのよ!」と非難されます。

このような口ぶりに、多くの人が違和感を覚えるのではないでしょうか。

これまで、両親や年配の親戚から「私たちの介護はよろしくね」「あなたも子どもがいると、老後がラクよ」などと言われてきた人も多いのではないでしょうか。

理由は、平成12年に介護保険制度がスタートするまで、「親の介護は家族がするもの」という考え方が当たり前だったから。

そのため私たちの親世代は「子どもに頼るのは半ば当然の権利」と考えている人が多いように見受けられます。

では、私たち世代は、自分の子どもに対してどのように考えているのでしょうか。
また、独身の女性は自分たちの老後、そして既婚者や子持ちの女性の老後をどう見ているのでしょうか。

“自分の老後は自分で見る”と考える人がほとんど

漫画の4コマ目には、「自分たちの老後は、自分たちの貯金でまかなう。子どもに頼ることはない」とあります。このように考えている人が大半なのではないでしょうか。

コメントにも、れのれのさんに賛同する声が多く見られました。

例えば、「産もうが産むまいが老後の人生は自分で面倒見る」といったものや「貯金は大事。施設に入るのにかなりかかるし、介護認定されないと入れない」など、私たちの親世代とは違い“自分の老後は自分でやる”という意識の高さが目立ちます。

また、介護施設への入居についてなど、具体的な予測を立てている人もいるようです。

これらは「親である自分たちがいちばん、子どもの人生の邪魔をしたくない」という思いからですよね。
だからこそ、いまからコツコツと蓄える。私たちの世代の多くには、こうした思いが共通してあるようです。

子どもを「介護道具」として出産する親も?

そんななか、衝撃的なコメントがもられました。

はじめから子どもを「介護道具」として考えているとしか思えない母親は、実在するようです。

「 知人が、老後の面倒をみさせる為に人工受精で子どもをつくった」といった衝撃的な話や、「産むべきなのは娘、娘がいるのでいいわね〜と言われた」という話。

自分の介護は他人に任せられないから、“介護要員”として子どもをつくる。男の子よりも気が利く女の子を何人か、人手は多いほうが助かるということでしょうか。

少しでも多く老後の安心材料がほしい。それを子どもに求める。

しかし、皮肉にもそれが少子化の加速を少なからず食い止めているのかもしれません。

実際の介護は、わが子頼りになっているという現実

では、実際に100%自力で老後に起こるすべてを解決することは可能なのでしょうか。

れのれのさんの漫画に対するコメントには、介護職に就いているという人から「違和感を覚えます」といった指摘もあり、自分の意志だけでは超えられない壁に気づかされます。

その理由は、現状日本の社会システムは実子らが面倒を見る前提でできているから。
現在の日本の介護の前提を知っている人は、どれだけいるでしょうか。

また、「血縁でないと書けない手続き上の書類もある」ことや、「配偶者も自分と同じように年を取り、判断能力が低下する。だから選択肢は多いほうがいい」といった、リアリティあふれる意見もありました。

もしかすると、実際に介護に携わった経験の少ない私たち世代は、理想だけで将来を語っているのかもしれません。

また、「自分の老後は自分で」に異論を唱える人もいます。
「もっと子どもに頼ってもいい」「何のための家族か」との声も寄せられていました。

子どものために、よかれと思って自分たちで解決しようとすることが、逆に子どもを傷つけてしまうこともあるかもしれません。

決して、子どもは老後のために産むわけではない。でも、頼りたいときに頼れる存在がいてくれるのは、それが実の子どもであれば、これ以上の安心はありませんよね。

老後や介護については、子どもの意志を確認する意味でも、いつかきちんと話し合ったほうがよさそうです。

老後の準備をしている独身女性は多い

一方、独身女性はというと、「子持ち女性のほうが老後は有利」と考えているようです。

質問投稿サイトの『Yahoo!知恵袋』に、「老後の事を考えたら独身より既婚子有りの方が良いですよね」といったコメントが複数寄せられていました。

しかし、早めに老後準備をしている女性は多い様子。

実際に「30歳独身女性です。一生独身かもしれません。老後は甥姪に負担をかけたくありません。いまから出来ることはありますか?」といった質問が何百件も投稿されています。

不安を抱えながらも、そのときのために備える。頼れるのは自分だけ、という覚悟が感じられます。

賢い独身女性は、貯蓄や住まいの購入なども着々と計画を進めている現状。

もしかしたら今後結婚する、しない、子どもを産む、産まないに関わらず、すでに老後の準備を整えるのが一般的なのかもしれません。

お金で解決できないこともある。それでも蓄えておくに越したことはない。

そして、子どもはもちろん介護道具ではない。けれども自力でどうにもならないとき、子どもがいると安心なのは確かなこと。

子どもの負担を最小限に抑えるために、もっと緻密に人生を設計するべきではないでしょうか。