「何歳ですか? え〜見えない〜」という会話、もう法律で禁止にしてほしいくらいです。

働く女性の心の奥底に澱のように溜まるもやもやを、上から目線でセラピっていく「女のもやもやセラピー」。今回のテーマは「アラサーの老化」です。

きっかけは小泉今日子さんの「アンチエイジング大嫌い」発言

アラフォー向けのファッション誌『GROW』(宝島社)の9月号に登場した小泉今日子さんが、社会学者の上野千鶴子さんとの対談の中で、「アンチエイジングという言葉が大嫌い」というコメントに「私も」と同意。「30代半ばくらいから、“かわいい!”って言われる中に、“若い!”という声が入ってくるようになって。これ違くない? 喜んじゃいけないんじゃない? って」思うようになったとコメント。もてはやされる「美魔女」現象に、もやもやを感じていたアラフォー以降の女性から、「やっぱりキョンキョン、さすが! 大好き」と、共感の声があがっています。

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小泉今日子さんが30代半ばで「おや?」と感じたという、「かわいいという賞賛に若いという声がまざる」現象。一般の独身アラサーOLは、それより少し前の、アラサーで出現するようです。
人から指摘される「若いね」の声に、「逆にもう若くないってことか」と感じ、「若いと言われて喜ぶべきか否か」ともやもやする。

肉体的、体力的の自覚もちらほらと始まります。でも、「20代前半の頃と何か違う……」といったアラサーの老化なんて、アラフォーからしてみれば「コムスメが何を言うか。老化というのはそんなもんじゃない、40歳になったら“どっと”来るんだから!」てな話です。

それを50代の人生の先輩に言うと、「それがね、アラフィフになるとそれ以上の“どっと”が来るのよ。すごいわよ(笑)」とおっしゃる。つまり、気づいたら最後。私たちは死ぬまで老化と付き合っていくしかないのですね。

考えてみれば、私たちの老化は、オギャーとこの世に生まれたときから始まっているのです。前半戦には「成長」という名がついていましたが、背が伸びるのも、女性らしい体形になるのも、間違いなく老いに向っている変化です。

そして、後半戦の火ぶたは「う〜ん、身長が伸びなくなったなぁ」と感じ始めたあたりに、切られていたのでしょう。でも、私たちはそれを成長が止まった“だけ”と思っていた。

10代後半から20代前半は、いわば老化の小康状態です。しかし、アラサーを迎える頃、老化は少しずつスピードを増し始める。そこで私たちは「まさか、これから下り坂⁉」と初めて老化という存在を意識し、恐れおののくのです。これがいわゆる第一次老化恐怖期です。

ネットを中心に、加齢による容姿の低迷を揶揄する表現として、劣化という言葉が広く使われるようになったのは、2013年ごろからでしょうか。これがまた、女性の気持ちをひどくささくれさせます。

劣化=品質や性能が悪くなるーー。確かに、10代後半から20代前半は今に比べてお肌はピチピチ、髪はツヤツヤ。夜更かししても平気だったし、「あ〜、ほら、あれ、なんて名前だったっけ?」みたいなことも今の比ではありません。

でもそれを、人から劣化とされてしまうのは胸が痛い。余計に「老化していく私」が辛くなるのです。何歳になっても、常に10代後半から20代前半の“ピーク”を維持することを世間は正義とするのかーーというのは荷が重すぎます。でも、アラサーは、そのピーク期に限りなく近いところにいる。だから、「この私が老化するなんて」「劣化なんてありえない」と、こじらせてしまうのかもしれません。人に劣化なんて言葉を使う風潮が、早くなくなりますように。

しかも、アラサーにとって、「老化の気づき」は初めての体験です。何事も初めては緊張するものです。老化知見を手に入れたアラフォーの「あー、またきたなー」とも、アラフィフの「わぁ、またきたかぁ」とも違う、「これから私、どうなってしまうの⁉」という底知れぬ恐ろしさがあります。それは、刻一刻と死に近づいていく恐怖なのかもしれません。

ある朝、髪をブローしていたら、キラリ光る白髪を見つけた。

顔にゴミが付いているのかと思ったらシミだった。

寝不足の翌朝、鏡に写った自分が驚くほどシワっぽかった。

これがアラサーの恐怖する、初めての3大老化といわれています。「呼吸が一瞬止まった」人から「自分でも驚くくらい大きな声で“ひゃぁぁぁぁぁ”と叫んでいた」人まで、恐怖の表現はさまざまですが、そのショックは想像に難くありません。でも、はじめての、その瞬間さえ乗り切ってしまえば。そのあとは、「粛々と老化しているなぁ」とか「嫌だなぁ」とか感じつつも、意外とまろやかに受け入れられるものです。だって私たちは本当は、生まれた時から老化と付き合っているのですから。

今、世の中には、健康グッズや食品、コスメから美容医療まで、老化に抗う様々なアイテムが溢れています。老化のラスボス、更年期障害だって、ちょっと検索すれば、ネットにいくらでも出てきます。受け入れたくないならば、それらを大いに活用すればよいのです。過酷な道ではありましょうが、残りの人生を「実年齢よりずっとお若く見えますね」と言われることにかけても、決して悪いことではありません。そうやって、時間を止めたような若さで人生を謳歌している先輩方もたくさんいます。

最近では、年相応の落ち着きを感じさせつつ、若々しいオーラを放っているという、魅力的な方もたくさんいますよね。その方向を目指すもよし。とはいえ、アラサーの方々は、今はどっちかっていうとこっち系かな〜、くらいのゆる〜い気分で十分です。少しずつ、老いのダメージに耐性ができ、遠かれ早かれ、本格的に「今後の老いとの付き合い方はコレでいく!」と自然と思える日が来ます。それまでは、ジタバタを楽しむくらいの余裕でいっときましょう。

その2では、あずき総研でリサーチした、アラサーが「これが老化の始まりですか⁉」とおののいた瞬間を紹介します。

■プロフィール

 白玉あずき

東京都出身。清泉女子大学卒。学生時代より活字メディアに携わり、四半世紀にわたり女性のおしゃれと恋愛とダイエットについて考察、記事にする。現在は雑誌や単行本の編集、制作に加え、女性コンテンツのプロデュースやディレクションなど多分野で活動。最近の生きるテーマは社会貢献と女性支援。