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労働者に過酷な働き方を強いるブラック企業が問題になる中、労働法などの「ワークルール」教育を考えるシンポジウム「いつでもどこでもワークルール教育を!ーワークルール教育推進法を制定しようー」(主催:日本労働弁護団)が9月27日、東京都内で開かれた。

シンポジウムに登壇した東京大学大学院教育学研究科の本田由紀教授は、NPO法人POSSEが2008年に実施した調査の結果を挙げ、残業代不払いなどの「違法な処遇」を受けたのに「何もしなかった」と答えた労働者の割合が7割にのぼったと指摘。その理由として、「その時は違法だと知らなかった」「是正できると知らなかった」などが挙がったという。

本田教授は、労働者が職場で違法な働き方をさせられた時に、是正に向けて弁護士など専門家と連携できる「意識と知識」を持つことが必要だと話し、学校や職場でのワークルール教育の重要性を強調した。

ワークルール教育を効果的に実施するための条件として、本田教授は「反復性・継続性」を挙げ「1回ちょっと(教育を)やっただけで、知識がずっと続くと思っては大間違い。在学中だけではなく卒業した後も、ワークルールの知識やノウハウに日常的に触れられるような機会をつくることが必要」と述べた。また、表面的な知識や矛盾するメッセージを伝えるのではなく、教育内容の「現実性」も重要だと指摘した。

日本労働弁護団では、全国の高校や大学、職場などに弁護士が赴き、ワークルールに関する出張授業を実施している。また、ワークルール教育を学校や職場、地域で普及させる「ワークルール教育推進法」の制定を目指し、2013年にプロジェクトチームを立ち上げた。

同弁護団の小島周一弁護士は、ワークルール教育推進法の理念として「働く人が自分の問題を解決に結びつけられるような実践的な教育を行うこと」「学生時代だけではなく社会に出てからもずっと学べるよう、津々浦々で教育を受けられること」「義務や自己責任が過度に強調されてはいけない」という3点を挙げた。さらに、ワークルール教育実施のために必要な費用を補うため「(国に対して)財政上の措置もしっかり義務付けたい」と話していた。

(弁護士ドットコムニュース)