セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)の最年少優勝記録(21歳73日)を18歳227日に大きく塗り替えた 写真/Red Bull Racing

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 史上最多の全21戦で争われる2016年F1選手権もシーズン佳境に入り、残り6戦となった。次戦マレーシアGP(9月30日〜10月2日)後には、いよいよ待ちに待った日本GP(10月7〜9日/鈴鹿サーキット)が開催される。そんな鈴鹿に早くも思いをはせながら、無料放送がなくなって以降、F1からちょっと遠ざかっている人のために、日刊SPA!編集部が独断で選んだ今年のF1業界10大ニュースをランキング形式で紹介する。

◆第10位 シンガポールGPにリザード出現!

 日本に遅れること2週間、シンガポールでは8月6日に配信が開始されたポケモンGO。お台場の”ラプラスダッシュ”に負けず劣らず、シンガポールも熱い! ショッピングモールでたまたまポケモントレーナーの大群に遭遇したジェンソン・バトン(マクラーレン・ホンダ)は、その動画を自身のインスタグラムに投稿して「彼らにF1にも興味を持ってほしい」と訴えかけたほど。さらに第15戦シンガポールGP土曜フリー走行3回目には、コース上にレアポケモンならぬ本物のリザード(大トカゲ)が出現! コースを横切る雄姿が全世界に放送された。

⇒【写真】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1207614

●リザード出現はこちら(動画リンク F1公式サイト)
https://www.formula1.com/en/video/2016/9/FP3___There_s_a_giant_lizard_on_the_track__.html

◆第9位 アップルがマクラーレンを買収?

 9月21日、アップルがマクラーレン・テクノロジー・グループを買収(2000億円規模)あるいは出資のための交渉を行っていると英『フィナンシャル・タイムズ』が伝えた。マクラーレンはすぐさま報道を否定したが、交渉は数か月に渡って継続中とも、すでに頓挫したともいわれる。アップル様、たとえ買収しなくてもマクラーレン・ホンダのタイトルスポンサー(メーンスポンサー)の座はどうですかね? 2013年限りでボーダフォンとの契約が切れ、それ以来マクラーレンのタイトルスポンサーは空位のまま。「アップル・マクラーレン・ホンダ」が実現すれば、アンドロイドユーザーのホンダF1ファンが大挙してiPhoneに乗り換えるでしょう。年間50億円、安いもんでしょ?

◆第8位 まばたき厳禁! ピットストップ夢の1秒台へ突入!

 あまりにも速すぎて、何が起こっているかわからない! 6月に行われた第8戦ヨーロッパGPで、ウィリアムズ(イギリスの名門チーム)がフェリペ・マッサのピットストップ(タイヤ交換)で史上最速の1.92秒のタイムを叩き出した! ちょっと前のF1では3秒台でも速いと言われていたのに、現在、2秒台前半は当たり前。そしてついに2秒の壁を突破した! 第15戦シンガポールGP終了時点でのピットストップランキングは、1位ウイリアムズ1.92秒(ヨーロッパGP)、2位レッドブル1.98秒(イタリアGP)、3位ウィリアムズ2.00秒(ドイツGP)。今シーズンより創設されたピットストップ賞では、ウィリアムズが一糸乱れぬ芸術的なピットストップ作業を連発して開幕9連勝を含む15戦11勝! ピットストップ驚速王に君臨している。

●世界最速ピットストップはこちら(動画リンク DHL Fastest Pit Stop Award公式) http://www.youtube.com/watch?v=7VCYBtx6h4g

http://www.youtube.com/watch?v=7VCYBtx6h4g

◆第7位 ”10秒チャンピオン”マッサ、今シーズン限りでF1引退!

 ウィリアムズのフェリペ・マッサ(35歳/ブラジル)が第14戦イタリアGP開幕を前に引退を発表した。2002年ザウバーからF1デビューを果たし、2006年フェラーリに栄転。ミハエル・シューマッハ、キミ・ライコネン、フェルナンド・アロンソをチームメートにフェラーリで8年を過ごした後、2014年ウィリアムズに移籍。これまで14年のシーズンで優勝11回、表彰台41回、ポールポジション16回を記録している。

 マッサといえば”インテルラゴスの悲劇”を思い出さずにはいられない。ルイス・ハミルトン(当時マクラーレン・メルセデス)と激しいチャンピオン争いを繰り広げた2008年シーズンの最終戦母国ブラジルGP。

 ポールポジションからスタートしたマッサがトップでチェッカーフラッグをかいくぐったとき、タイトルを争うハミルトンは6位を走行中。この瞬間、マッサが初のチャンピオンに輝いたはずだった。しかし、ハミルトンは最終ラップ最終コーナーで1台をオーバーテイク。マッサから13秒遅れの5位フィニッシュ。この瞬間、タイトルはわずか1点差でハミルトンの手に渡った。F1史上もっともドラマチックなチャンピオン決定劇だった。

 今シーズンの最高位は5位(2回)と輝きは影を潜めてしまったマッサ。今年の日本GPは鈴鹿ラストラン。引退レースとなる最終戦アブダビGPは通算250戦目の区切りとなる。

●インテルラゴスの悲劇はこちら(動画リンク F1公式サイト)
http://www.formula1.com/content/fom-website/en/video/2015/11/To_the_wire_-_Coulthard_on_Brazil's_tense_2008_title_decider.html

●マッサのF1キャリアはこちら(動画リンク F1公式サイト)
http://www.formula1.com/en/video/2016/9/Felipe_Massa’s_proud_F1_career.html

◆第6位 フェラーリ再び暗黒のシーズン!

 フェラーリがあかん! シーズン序盤こそ無双メルセデスAMGを脅かす一番手として期待に応える走りをしていたものの、シーズンが進むにつれ徐々に失速。レッドブルがアップグレードされたルノーエンジンを手に入れた第6戦モナコGPを境に、レッドブルにも後塵を拝するレースが続き、チームランキングは3位に後退した。マシンもパワーユニットもイマイチ、レース戦略はダメダメ。意外とトラブルも多く、信頼性もよくない。残るは6戦。1993年以来の未勝利シーズンとなった2014年再現の危機が迫りつつある。このまま勝てなければ、チーム代表アリバベーネ(前職はフェラーリを長年スポンサードするフィリップモリス副社長)のクビが飛ぶのは確実!?

●熱狂的なフェラーリファン(世界一の表彰台フェラーリの地元イタリアGP)はこちら(動画リンク F1公式サイト)
http://www.formula1.com/en/video/2016/9/Director’s_Cut__Italy_2016.html

◆第5位 フジテレビのライバル現る!

 今年の日本でのF1中継は、CSのフジテレビNEXT(有料)だけ。昨年限りでBSフジでの無料放送は終了したので、チャンネルを変えて偶然F1を目にする機会はなくなってしまった。そんなところに、スポーツのライブストリーミングサービス『DAZN(ダ・ゾーン)』が8月23日から配信をスタート(月額1890円)。F1のライブ放送も第13戦ベルギーGPから、フリー走行を含めた全セッション生配信されている。一方フジテレビは、日本GPのみ決勝レース当日深夜にBSフジでハイライト番組の放送が決定。『2016F1日本グランプリ ハイライト』(10月9日24:00〜26:00)。

◆第4位 F1は豊洲新市場より高い!

 9月7日、米ナスダックに上場しているリバティ・メディア(巨大メディア関連グループ)がF1の経営権を獲得したと発表した。その買収総額80億ドル(約8057億円)! 現在、豊洲新市場の総事業費が5884億円と見込まれているが、まだまだこれから天井知らずに膨らみ続けそうだから、最終的にはそんなに変わらない額になるかも。なお、来年からリバティ・メディアのチェイス・キャリー(21世紀フォックス副会長)がF1新会長に就任。F1界のドン、バーニー・エクレストンは引き続きCEOに留まる。

◆第3位 ホンダF1着実に進化!

 今年、復帰2年目のホンダF1が掲げた目標は「コンスタントに予選Q3に進出(10番手以内)して、ポイント獲得(決勝10位以内)」だ。シーズン序盤こそ予選Q3進出は果たせなかったものの、第2戦バーレーンGPでストフェル・バンドーン(ケガのアロンソの代役)が10位入賞で今シーズン初ポイントを獲得。第4戦ロシアGPはアロンソ6位、バトン10位で初のダブル入賞。第5戦スペインGPでアロンソがマクラーレン・ホンダ復活後初の予選Q3進出。続く第6戦モナコGPでもアロンソが予選Q3進出。決勝レースではアロンソ5位、バトンが9位に入り2度目のダブル入賞。第9戦オーストリアGPではバトンが予選Q3進出、決勝6位。この時点で、昨年の獲得ポイントを上回った。

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 第11戦ハンガリーGPではアロンソとバトンが初めて2台揃って予選Q3進出を果たした。第13戦ベルギーGPはアロンソが7位入賞。続く第14戦イタリアGPの終盤、アロンソがファステストラップ(決勝レース中の最速タイム)を記録。ホンダエンジンでのファステストラップは、1992年ポルトガルGPのアイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ)以来24年ぶり58回目。まだまだ表彰台獲得には遠いが、着実に進化している。

◆第2位 チャンピオン争いは流れがコロコロ変わる!

 メルセデスAMG無双3年目。どんなに嫌われようともメルセデスは勝ち続ける。当然、ニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンのチームメート同士のチャンピオン争いは激化の一途をたどっている。今シーズンは、ロズベルグが開幕4連勝。第5戦スペインGP終了時点でハミルトンに43点差でトップを独走! このままチャンピオン街道をまっしぐらかに思われたが、ハミルトンが逆襲。第11戦ハンガリーGP優勝でついにロズベルグを逆転! 続く第12戦ドイツGPも優勝してリードを19点差に広げた。しかし、ロズベルグは第13戦ベルギーGPから3連勝を飾り再逆転! 現在、8点差でロズベルグがランキング首位に。2人はスペインGP、カナダGP、オーストリアGPで決勝レース中に接触。3度の同士討ちで超絶緊張関係が続いている。ロズベルグの初タイトル獲得なるか、最終戦までもつれるかもしれない。

◆第1位 オランダのF1ファンは、あと10年は幸せ!?

 昨年、17歳の若さでトロ・ロッソ(レッドブルの弟分チーム)からF1デビューを飾ったマックス・フェルスタッペン(オランダ)。運転免許証を持たないF1ドライバー誕生!として話題なったが、今シーズンは第4戦スペインGPでトップチームのレッドブルに昇格。その初レースで見事F1初優勝! F1参戦24戦目にして史上最年少優勝記録を更新した。その後も2位2回、3位1回と快進撃を続け、誰もが将来のチャンピオン候補として認める。オランダに近いスパ・フランコルシャンで行われた第13戦ベルギーGPには、オランダのファンが大挙して応援に訪れ、指定席は完売! サーキットをオランダカラーのオレンジに染めた。最低でもあと10年は現役バリバリでいけそうなフェルスタッペン。自国ドライバー不在2年目のシーズンを送る日本のF1ファンからしたら、超うらやましい!

●フェルスタッペン初優勝はこちら(動画リンク F1公式サイト)
http://www.formula1.com/en/video/2016/5/Director’s_Cut__Spain_2016.html

 こんな感じの2016年F1選手権。復帰後2年目のホンダF1の鈴鹿の成績やいかに? F1日本GPは10月7〜9日、三重県の鈴鹿サーキットで開催される。<取材・文/日刊SPA!F1取材班>