お墓を購入する適切なタイミングはいつ頃?

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お墓の適切な買い時とは?

いつの日かこの世を去った後、終の棲家として安住することになるお墓。準備しなければならない事は分かっているけど、なかなか踏み出すことが出来ないという方も多いのではないでしょうか。
「墓石を早く建てると、自分が入る頃には痛んでしまうかもしれない」「もし、墓石を建てて不幸が起きたらどうしよう」相応の予算がかかる買い物ですから、つい慎重になって、お墓の購入に踏み切れない理由は並べてしまいがちです。
では、いつお墓の準備をするのが良いのかと考えてみても、なかなか答えは出ません。そこで今回は、「お墓の買い時」についてどのように考えるか、その道筋について書かせていただきます。


1.財産としてのお墓

お墓は法的には「祭祀(さいし)財産」と呼ばれる財産にあたります。
祭祀財産とは、神様や仏様、ご先祖様などをお祀りするための財産の事を指します。
お墓以外でいえば、お社や祠(ほこら)、仏壇などもこれにあたります。

そしてここが大事なのですが、祭祀財産は相続税の課税対象から除外されます。
どんなに立派なお墓であっても、お墓には相続税はかからないのです。
逆に、相続税が課税されるような財産を遺した方が先立たれますと、相続税を差し引いた遺産からお墓を買うことになります。
相続税対策という意味でも、祭祀財産であるお墓をあらかじめ用意しておくことにはメリットがあります。


2.お墓を生前に用意すると不幸がある?

お墓を生前に用意することに抵抗を感じる方の中には、「友人がお墓を買った直後に、友人の家族に不幸があった。お墓を準備するのは縁起が悪い。」とおっしゃる方もいます。
迷信の一言で片付けても良いのですが、実際に不安を感じている方にとっては、なかなか迷信と割り切れないかもしれません。

私どものお客様の傾向を見てみますと、お墓を購入する方の6〜7割が生前での購入・建墓を行っています。
この割合は、他の石材店でも同様と聞いています。仮に年間100件の建墓件数として、60件以上の方が生前に購入されているわけです。
そのお客様の中で、購入後にご不幸があったという話は聞いた事がありませんし、もし、これだけ多くの割合で生前に購入される方がいらっしゃる中、頻繁にご不幸があるのだとすれば、真実味を持って人々の間に伝わり、生前でお墓を建てる人自体、いなくなっているは
ずです。
データの面から言っても、生前建墓を理由にご不幸が訪れるなど、あり得ないことと言えます。


3.厳しさを増す墓地開発環境

近年、墓地の開発計画が立ち上がると、地域住民の方による反対運動が起きることがあります。
墓地の経営許可は市区町村が出していますが、行政としてはなるべく反対運動が起きないようにしたいと考えています。
そこで、各市区町村では、墓地の経営許可に関する条例を改正する動きが多く出ており、以前に比べ、墓地開発の規制がより厳しいものとなっています。

規制によって墓地が作りにくくなっている反面、今後20〜30年は死亡者数の増大が見込まれ、墓地需要自体は増え続ける事が予想されるため、お墓参りがしやすく環境が整っているような、より条件の良い墓地は減少していく事になると思われます。


4.技術の発達による耐用年数の向上

早めに墓石を建てると、墓石が風化してしまうのではないか、とご心配なさる方もいらっしゃいます。
現在では、工業ダイヤモンドによる工具の発達により、硬い石に対する研磨の精度が上がっており、以前と比べると墓石が風化したり、磨いた面の光沢が鈍ったりする事が少なくなってきています。
経年変化自体は避けられるものではありませんが、変化にかかる時間が長くなっているということです。

どうしても経年変化が気になる方は、特に日本国内産の硬い石を選び、より腕の良い職人による研磨が出来る石材店を選ぶと良いでしょう。
また、墓石に薬剤によるコーティングを施すことも可能です。

以上の点から考えますと、お墓を早期購入するデメリットは減っており、むしろ、先送りにすればするほど、財産面から言っても、お墓の環境面から言っても、条件が悪くなることすらあります。
つまり、気に入った墓地が見つかったら、早い内に用意するに越したことは無いのです。
「そろそろお墓を・・・」と、思い立ったら、まずは石材店や霊園に実際に足を運んでみて、情報収集をするところから始めてはいかがでしょうか?
その上でご家族と検討することをお勧めします。


【二上 昌弘:お墓ディレクター】


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