チアリーディングに初挑戦! 本田礼生×古田一紀×高野 洸 「青春の熱量を感じてほしい」
人を応援することで主役になれる!? 朝井リョウ氏の小説が原作の「チア男子!!」がこの冬初の舞台化。個性的なメンバーが勢揃いする大学のチアリーディングチーム・BREAKERSが全国選手権を目指す青春群像劇だ。今作で本田礼生、古田一紀、高野 洸の3人がチアリーディングに初挑戦する。8月上旬、ポスター撮影のタイミングで行われたインタビューでは、新たなる挑戦への期待に胸をふくらませる3人が、熱い想いを語ってくれた。

撮影/平岩 享 取材・文/福田恵子 制作/iD inc.
衣装協力/シャツ(BUD VINTAGE CLOTHING:tel.03-3401-7246)【本田】



チアはチームワークが大事なスポーツ(本田)



――「チア男子!!」は、柔道に打ち込んできた主人公がケガをきっかけに親友とともに男子チア部を結成。“誰かを応援する”ことに奮闘する汗と涙の青春群像劇ですが、この舞台が決まって、何か話をされましたか?

本田 (古田)一紀とは先日、原作小説のモデルになった早稲田大学の男子チアリーディング部のパフォーマンスを観に行ったあと改めて、どういう舞台にしたいかいろいろと話しました。爽やかだけじゃないのが原作の魅力なので、そこは絶対に表現しなければいけないところだねって。初めて生で見たチアは、大迫力ですごかったよね?
古田 すごかったね。全体で盛り上がっていてビックリ。
本田 チアリーディングは身近なスポーツじゃなかったので、どういうスポーツか想像がつかなかったんですけれど、チームワークがとても大切なスポーツなんだなと思いました。高野くんも今度一緒に観に行きたいよね。
高野 はい、行きたいです。僕も実際にチアリーディングを生で観てみたい!
古田 まず第一に楽しいよ。


▲本田礼生


▲古田一紀


▲高野 洸


――すごい迫力なんでしょうね。では、原作を読んだ感想を教えてください。

高野 出演が決まってから読んだのですが、すごく面白かったです。
本田 登場人物ひとりひとりのバックボーンがすごく丁寧に描かれているので、読んでいて楽しかったです。抱えている悩みの深さも伝わってきました。
古田 僕も同じ。みんな何かしら問題を抱えているので、そういうところが面白いなって。チアの華やかさとひとりひとりが抱える悩みの対比みたいなものが魅力のひとつでもあるので、舞台でも出したいなって思いました。それから、原作で描かれる登場人物の奥深さもしっかり演じたいです。チアでキャーキャー盛り上がる部分だけでは終わりたくないんで!

――ご自分の役どころついてはどう捉えていますか?

本田 僕が演じる坂東晴希は、どこにでもいそうな普通の大学生。ずっと柔道をやってきたけれど、ケガをして辞めたことから、チアリーディングをやることになるんです。僕もダンスをやっていて、ひょんなことから今は俳優をしているので、境遇は似ているのかもしれないですね。
古田 僕は原作を読んだとき、橋本一馬はすごく頭がいいのかなって思いました。みんなのことがめちゃめちゃ見えているんですよね。心の闇を抱えていても、周囲に悟らせないようにする器用さを持っているし。



――共感できる部分はありました?

古田 ありますよ。心の闇とか(笑)。
本田 いや、闇の中にもポツンと光は持ってるよね?(笑)
古田 逆パターン。光の中にも闇があるっていう。小説を読んでいて、いちばん一馬に共感できたし、自然と一馬目線で読んでいたし。絶対、一馬をやりたいと思いました。
高野 僕が演じる徳川 翔は、チアリーディングの経験者でみんなよりも一歩リードしている役。カッコいい役なんで、しっかりチアもできたらいいな。最初からみんなより上手くできていないといけないので、頑張ります。



古田くんは…今までに出会ったことのないタイプです (高野)



――本田さんと古田さんのおふたりは舞台共演の経験がありますよね。

古田 はい、そうです。
本田 僕と一紀は2年前から舞台で共演していて。前の舞台でずっと一緒にやっていたので気心知れた仲かな。高野くんとはこの作品が初共演。兄が出演している舞台を観に行ったときに初めて挨拶したんですが、一瞬で、すごくいい子なんだろうなって思いました。
高野 ありがとうございます! 本田くんこそ、すごく優しくていい方です。先日舞台で本田くんのお兄ちゃんと共演させてもらったのですが、お兄ちゃんもめちゃめちゃ優しい方で。
本田 いや、兄ちゃんよりは優しくないから、気を付けてね(笑)。一紀の印象はどう? くせ者でしょ!?(笑)
古田 ちょっ、くせ者って…。個性が全面に出ているって言ってほしい。持ち味なんで。
高野 そうですね。個性的な印象です。
本田 一紀はね、一言じゃ言い表せない。ストレートに言いたいことを言うのかと思いきや、根は寂しがり屋で甘えん坊だし。





――先程の撮影では古田さんが本田さんに「役になりきって!」とツッコミを入れてましたね。古田さんはツッコミタイプですか?

古田 いや、ツッコミではないです。なんとなくノリで合いの手を入れたりするだけで。
高野 古田くんはまだどんな人かわからないです。この前、ちょっとお会いしたときも「どんな方なんだろう?」って。
本田 いいよ。正直に言っちゃっても。オレは高野くんが一紀のことを「古田くん、めっちゃ怖かった」って言ってたって聞いたけど?(笑)
高野 その……初めてのタイプだったんで。
本田 初めて出会ったタイプって、わかる(笑)。でも、舞台の稽古に入ると、すごくストイックに黙々とやるタイプ。一緒に芝居していると感化されるところは絶対あると思うな。

――本田さんは撮影やインタビューでも盛り上げてくれたりと、やはり引っぱっていくタイプですかね?

本田 いや、そんなことはないです。まだどういうチームワークになるか、わからないですね。チアチームのメンバーの共演者と揃って稽古をしてみないと。
古田 座長、よろしくお願いしますよ!
本田 いやいや、一紀とW主演だから。一緒に頑張ろうよ。



人ができないところまで、一歩先に行きたい(古田)



――3人は、これまでどんなスポーツをやってきましたか?

本田 僕は13歳の頃からブレイクダンスをやってきて、高校時代にダンスバトル大会で優勝しました。大会はいろんなところに出ていました。部活はみんな経験あるでしょ?
高野 いや、僕はDream5として活動していたりして、部活ってほぼほぼやってなくて…。
古田 僕はダンスもやっていたけど、いちばん打ち込んできたのは12年間やっていた空手。試合前の緊張する気持ちとかは、チアリーディングにも通じるものがあるのかなって。
本田 舞台の本番前の緊張感とも一緒だしね。
古田 そう。何かに一生懸命やるのは舞台もスポーツも一緒だと思いますね。



――そんなスポーツとチアリーディングはどんなところが違う?

本田 やっぱりみんなで楽しめるというところですかね。チアリーディングって応援するスポーツじゃないですか。こういうスポーツってあるんだ! って思いました。
古田 見ているこっちも一緒に応援に参加できちゃうところも違いますよね。

――舞台もお客さん参加型になりそう?

本田 まだわからないですが、先日チアを生で観て、そうなりそうだなって思ったよね。
古田 そう。お客さんが見てるだけじゃない。「うぇーい!」とか自然に声も出ちゃうし。
本田 掛け声のタイミングでみんなで声を出したり。こういう空間を僕らも目指したいと思いました。僕らが舞台上でやっているのをお客さんがただ見ているっていうのだと「チア男子!!」じゃないんだと思います。



――参加型の舞台楽しみです。さて、皆さんはチアリーディングに初挑戦となりますが、これから稽古が大変そうですね。

高野 そうなんですよ。僕は体がカタいので、大丈夫かなって心配です。まずはストレッチをやって、体を柔らかくしたいです。
本田 でも、さっきこの3人でバック転をやったら、いちばんキレイだったのが高野くん。
古田 そう。バック転しているときは、体が柔らかそうに見えた。
高野 ありがとうございます! バック転は大丈夫なんですけど。頑張って開脚をできるようにします。



本田 僕も体はカタいほう。一紀はカラダ柔らかくない?
古田 いや、どっちかっていうと運動は苦手だし。めちゃめちゃ走るの遅い。
本田 そうなんだ。チアに身軽さは必要だよね。アクロバットって、変に筋肉をつけると体が重くなって飛びにくいし。筋トレより柔軟が必要かも!
古田 そう。Y字バランスは練習すれば誰でもできるかもしれないけど、柔軟をしてもっとクオリティを上げて。人ができないところまで、一歩先にいきたいです。
本田 とにかくチアリーディングならではの動きがポイントになってくるから、原作のチアチーム・BREAKERSに近づくには相当練習を積まないといけない。