『LEZHIN COMICS(レジンコミックス)』のトップ画面

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ウェブトゥーン(Web Toon)というものをご存知だろうか。文字通り、「Web」と「Cartoon(漫画)」を組み合わせた造語で、ウェブ上で公開されているデジダル漫画のこと。韓国では2003年からネット上に姿を見せ始め、Daum(現Daum Kakao)、NAVER、Nateといったポータルサイトを通じて爆発的に普及した。

スクロールでコマ送りし、すべてがオールカラーというWebの特性を生かしたコンテンツであり、多くの作家たちがプラットホームに作品を提供したことでコンテンツのボリュームも増え、今では韓国の3〜4人にひとりは「ウェブトゥーンを読んでいる」とさえ言われているほど。映画『隠密に偉大に』、ドラマ『未生』など映像化されたウェブトゥーンも多い。

3年で4倍の4200億ウォン市場に成長

韓国の大手通信会社KT傘下のKT経済研究所によると、2015年度のウェブトゥーンの市場規模は4200億ウォン。同経済研究所の調査によれば、2012年度は1000億ウォンだっただけにわすが3年間で4倍になったことになり、2018年には市場規模が8805億ウォンまで拡大する見通し。1兆億ウォン市場になることも夢ではないという。

そんなウェブトゥーン市場で爆発的に業績を伸ばしているのが、2013年からスタートした有料サービス『LEZHIN COMICS(レジンコミックス)』だ。

ポータルサイトが展開するウェブトゥーン・サービスは、ポータルサイト側が作家に原稿料を支払いユーザーはほぼ無料で楽しむことができるが、有料のウェブトゥーンブラットホームとして2013年にサービスを開始した『LEZHIN COMICS』は、サービス開始からわずか2年で有料会員数700万人を突破。昨年の売上は300億ウォンを超えたというのだ。

そして、その急成長の原動力となったのが、韓国では「19禁止(数え歳で19歳以下禁止)ウェブトゥーン」だと言われている。

政府からも目を付けられている19禁ウェブトゥーン

ポータルサイトのウェブトゥーンが「学園モノ」「恋愛ドラマ」「SFアクション」「コメディ」などをアップロードする中、『LEZHIN COMICS』は、「悪い情事」「若い彼女」「カラダがいいオトコ」など、タイトルを見ただけでそれとわかる成人漫画に力を注いできた。

ためしに『LEZHIN COMICS』の売上ランキング・ベスト10を調べみると、1位から5位までが「19禁ウェブトゥーン」なのである。

そんな『LEZHIN COMICS』は韓国政府からも目を付けられている。

2015年3月26日、韓国政府から委嘱された委員たちで構成された韓国放送通信審査委員会が「19禁表示はあるが、性行為や性器が余すところなくそっくりそのまま露出されている。淫乱物と判断する」として、LEZHIN COMICSへの接続を遮断してしまう処置を断行したのだ。

成人ウェブトゥーン以外のサービスも遮断されたことにユーザーたちが猛抗議したことで、接続遮断騒ぎは1日で終わり、その後は正常にサービスされているが、「19禁ウェブトーン」を得意とするLEZHIN COMICSが何かとマークされることは間違いないだろう。

ウェブトゥーンを支えている意外な作者と読者たち

ただ、そんな邪魔が入ったとしても「19禁ウェブトゥーン」は衰退するどころか、ますます勢いを増しそうな気配だ。LEZHIN COMICS関係者も言っている。

「19禁ウェブトゥーンの読者層は意外にも7対3で女性が圧倒的な多い。特に20〜30代の女性たちに人気で、作者も男女比率が4対6と女性作家が多いです。女性作家たちは作品作りのために日本産のアダルトビデオを見て研究したりもする。そんな熱心ぶりに女性たちも熱くなる。この流れは止められません」

さしずめ、韓国版レディスコミック隆盛時代といったところか。エッチな女子たちのおかけで、韓国のウェブトゥーン業界はますます勢いが増しそうな予感だ。

(参考記事:日本作品の比率は全体の3割! 進化する韓国マンガ界の事情)

(文=S-KOREA編集部)