Bリーグの開幕を紹介する韓国メディアの記事

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9月22日からスタートした日本のプロバスケットボール男子の新しいプロリーグ『Bリーグ』のことは韓国でも報じられている。ネットメディア『WINTER NEWS』などは「開幕間近の日本の統合リーグ“Bリーグ”を知ろう」というシリーズ連載を実施したほどだ。

KBL創設を後押しした『スラムダンク』の爆発的人気

他国の新リーグ開幕になぜ韓国も関心を寄せるのか。実は韓国にもプロバスケットボールリーグがある。

その名もKBLで、スタートしたのは1997年。韓国では90年代前半頃から大学チームを中心にバスケ人気に火がつき、その勢いに乗ってKBLが誕生した。その背景には韓国でも爆発的な人気を呼んだ日本の漫画『スラムダンク』の影響もあったと言われている。

ちなみに韓国には“オッパ部隊”という造語があるが、その言葉を定着させたのもKBLだった。「オッパ」とは、女性が実の兄や親しい年上の男性を示す言葉で、“オッパ部隊”を日本風に言えば“追っかけギャル”となるだろうか。

大学時代からアイドル並の人気を誇ったKBLの選手たちは“オッパ部隊”を多数引き連れるほどで、その熱狂がそのまま創設間もないKBL人気にも繋がり、一時期、KBLはサッカーのKリーグをも凌駕するほどの熱狂に包まれた。1997年当時、Kリーグのクラブ関係者を取材するたびに「プロバスケが羨ましい」と言っていたほどだった。

近年は観客動員が低下気味のKBL

もっとも、今のKBLにかつてのような熱狂はない。97年の創設から右肩上がりだった観客動員数は、2013-2014 シーズンは118万450人(平均4372人)、2014-2015年シーズンは104万3505人(平均3865名)、2015-206年シーズンは102万1381人(平均3522名)と毎年減少傾向にある。

そこには昨年に発覚した大規模な八百長事件も関係しているのだろうが、韓国男子バスケの不振も人気低迷のひとつだろう。

韓国男子バスケは1996年アトランタ五輪以降オリンピック出場がなく、先日行なわれたFIBAアジアチャレンジでもイランに敗れて準優勝に終わったのだが、それを機に今、議論されているのが「帰化」の必要性だ。

韓国男子バスケ代表を率いるホ・ジェ監督も「多くのチームが帰化選手を補強している。韓国もそうしてもいいのではないか」としたことで、帰化選手の導入が議論されている。

帰化選手補強を進めようとしているが・・

ただ、帰化選手の導入に対しては賛否両論がある。1年半後に迫った平昌冬季五輪に向けて、アイスホッケーやバイアスロンなど各種ウインタースポーツ種目で帰化選手の大量補強が進められているが、「国籍ドーピング」ではないかと皮肉する声もある。

また、バスケットボール・メディア『JUMPBALL』などは「愛国心のない帰化選手を迎えて成績を得て、そこにどんな意味があるか」と問題提起。「国を愛し、これからも韓国で生きる意志があるべき。そうでない選手に国家代表のタイトルを授けることは恥ずかしいことだ」とした。

KBLでは以前、 “愛国歌ストレッチ”で即刻解雇されてしまったアメリカ人選手もいたが、「韓国に“愛国心”を持つかどうかわからない選手を帰化させてまで迎える必要があるのか」という意見もあるのだ。

それに韓国バスケ界は過去に選手の特別帰化を巡って何度か失敗を経験している。2014年アジア大会前は08年から韓国でプレーしているアメリカ人のアーロン・ヘインズの特別帰化を試みているが条件が整わず実現しなかったし、この夏には韓国バスケット協会あげて特別帰化を進めていたWKBLのスター選手の経歴詐欺が発覚する失態もあった。

(参考記事:韓国の女子バスケットボール界が”血統詐欺”に揺れたチェリー・リー事件)

それだけに韓国バスケ界の帰化問題は一筋縄では解決しそうにないが、それ以外にもKBLは解決しなければ課題は多い。

例えばKBLの新シーズンは10月22日に開幕するが、まだ今季のタイトルスポンサーが決まっていないのである。

そんなこともあって、日本のBリーグ開幕を注視する韓国バスケ界。『スポーツ京郷』も「新しく出発する日本プロバスケ、20年経つKBLは?」と題した記事の中で、Bリーグの取り組みやシステムについても詳しく紹介しながら、人気下降味のKBLに発奮を促している。

その論調は、Kリーグより10年遅れてスタートしたJリーグ創設時にも似ている。あのときも韓国は誕生したばかりのJリーグに羨望と脅威を抱きつつ、それがKリーグにも刺激になった。Bリーグが日本のバスケ人気に火をつけるだけではなく、KBLにも大きな刺激をもたらすことを期待したい。

(文=慎 武宏)