先月から少しずつ認知され始め、1週間ほど前からデビッド・ベッカムやアクション俳優のジェイソン・ステイサム、チャーリー・ハナムなどの豪華な顔ぶれが、リレー形式で参加をはじめたことでムーブメントになりつつある「#22PushUpChallenge」。毎日22回の腕立て伏せを、22日連続で行うというチャレンジなのだが、この22という数字には大きな意味合いが込められている。

アメリカが以前から直面してきた問題のひとつに、"米兵たちの自殺"があるのはご存知だろうか? 紛争地から帰還しても、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に心を蝕まれ、自殺をする米兵が後を絶たないのだ。その数は1日22人に及ぶと言われており、ほぼ毎時間に1人が自らの命を絶っているという計算になる。

自らの命を断ってしまった米兵たちと、今まさにPTSDに苦しむ米兵たちに敬意を払い、またこれ以上の自殺を防ぐための教育の一環として、「#22PushUpChallenge」は生まれたという。実はこのチャレンジ、軍や軍の関係者たちの間では前々から行われていたもの。最近になって多数の俳優や映画監督が参加しはじめたとこで、これほどまでに大きな話題になったというわけ。

ちなみに俳優の間で、本格的にリレー形式で行われるようになったきっかけは、ドラマ『サン・オブ・アナーキー』で知られる俳優のチャーリー・ハナムが、映画監督のガイ・リッチーのInstagramに投稿したことだった。

【チャーリー・ハナム】

公式SNSアカウントを持たないチャーリーに代わり、友人のガイ・リッチー自身が彼の21日目のチャレンジを投稿。その後、指名されたガイは快く引き受け、早速チャレンジをスタート。

【ガイ・リッチー】

ガイ・リッチーは飛行機に乗っていたため、上空22,000フィートで22回の腕立て伏せを敢行! しかも、ただの腕立て伏せではなく、手を叩きながらのチャレンジ。

そしてアクション俳優のジェイソン・ステイサムに向って、「体の弱いジェイソン・ステイサムも、どうにか22回腕立て伏せができるように願ってるよ」と挑戦を挑んだ。これを受けて、ジェイソンもすぐに参加を表明。

【ジェイソン・ステイサム】

@22PushupChallenge @jaseflem123 @guyritchie

A video posted by Jason Statham (@jasonstatham) on

「ミスター・ガイ、あんたの声で目覚めるのは最低だが、挑戦を受けるよ。意味があるチャレンジだからね。長年の間、毎日米兵が自殺している。最悪の事態だ。ところで、次に動画を投稿する時は、ちゃんと明るいところで行えよ。本当にやってるのか見えるようにな」

これを受けたガイは、2日目は少し明るめの場所で娘を背中に乗せてのチャレンジ。著名人たちのウィットに富みつつも男らしいやりとりがなんとも粋。さらに、この日はデビッド・ベッカムにもチャレンジを促した。それも44,000フィートで行うように。

【デビッド・ベッカム】

「Mr.ガイ、挑戦に応じます。あなたに頼まれたからではなく、毎日PTSDによって自らの命を絶つ22人の米兵のために。私はアフガニスタンで米軍の勇敢な姿をこれまでに見てきました。現在の状況を世間に知ってもらい、彼らをサポートするため、私はこのチャレンジを行います」

ベッカムはさらに翌日、下着一枚の姿で生演奏中のグランドピアノの上でチャレンジに挑む。

Mr Richie's challenge to myself day 2. @guyritchie

A video posted by David Beckham (@davidbeckham) on

父からの挑戦を受けて息子のブルックリンも参加!

【ブルックリン・ベッカム】

その後、ガイはさらにアーミー・ハマーに挑戦を挑み、ジェイソン・ステイサムはジェイソン・フレミングへ、ベッカムは息子のブルックリン・ベッカムへ…というように徐々に輪が広がっていき、日に日にチャレンジャーの数が増えているところ!

また、より多くの人たちに「#22PushUpChallenge」とその真意に関心を持ってもらうべく、ベッカムがピアノの上でのチャレンジを披露してみたり、ジェイソン・ステイサムとガイ・リッチーが互いの腕立て伏せのフォームや撮影方法にケチをつけるやりとりを見せるなど、参加者それぞれが工夫を凝らしているようだ。

彼らの努力が実り、現在この運動はさらなる広がりを見せ、米兵やセレブに留まらず、オリンピック選手や英兵、伊兵まで参加し、9月26日の時点で合計2000万回以上の腕立て伏せが行われるまでに! 実際に、毎日平均で22人もの米兵が亡くなっているというショッキングな事実を、このチャレンジをきっかけに知った人は少なくない。

今後、ムーブメントをムーブメントで終わらせないための努力や工夫が求められる時もやってくるかもしれないけど、少なくともより多くの人に認知してもらうという意味では、確実に意味のある行動に違いない。