全国650店舗(9月現在)のネットカフェではパ・リーグ主催試合の中継が無料で視聴できる【写真提供:自遊空間恵庭住吉店】

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なぜパ・リーグTVがネットカフェで視聴できるのか?

 2016年のシーズン開幕時より全国650店舗(9月現在)のインターネットカフェ(以下ネットカフェ)で、開幕からクライマックスシリーズまでのパ・リーグ主催試合の中継が無料で視聴できるということをご存知だろうか。

 昨年まではネットカフェでパ・リーグの試合を視聴するためには、それぞれ個人での課金(サービス登録)が必要だったが、この取り組みによりそれが不要となった。ネットカフェの店舗ごとの利用料を支払えば、店舗内PCでパ・リーグTVを無料で視聴することができるという新サービスだ。

 では、なぜパ・リーグTVがネットカフェで視聴できるように展開されているのだろうか。それはパ・リーグTVを運営するパシフィックリーグマーケティング(以下PLM)のミッションを知ることで答えが見えてくる。

 PLMは新しいファンを増やし、プロ野球界、そしてスポーツ界全体を盛り上げることをミッションとしており、それを実現させるためにも従来にはないタッチポイントが必要となる。そこで目を付けたのが、若年層からビジネスマンまでの主に男性が幅広く利用しているネットカフェである。しかし、PLMにはこれまでネットカフェとの接点がなく、ネットカフェ向けの動画配信サービスを行っているアイ・ピー・アイ株式会社がチャネル開拓をしたことで、それを実現可能とした。

少しでも多くのタッチポイントを

 チャネル開拓を行ったアイ・ピー・アイ株式会社のコンテンツ事業部・鶴田豊氏は「弊社ではネットカフェの店舗さまに様々な映像提供を行っておりますが、いわゆる『どぶ板営業』でチャネル開拓をしています。店舗さまに新サービスを日々地道に紹介しており、パ・リーグTVのサービス開始も同様のチャネル開拓方法で行われました」と説明する。

 さらに鶴田氏はパ・リーグTVが利用者や店舗にもたらすメリットについて「お小遣いや時間的な制約などで球場に足を運べない方や、パ・リーグTVに契約できないといった方々に来店したら試合が見られるという場所を提供しています。また、野球を見に来店したことがきっかけで、ネットカフェの居心地の良さを感じ、リピーターとして足を運ぶことで店舗さまにとってもプラスになります」と続けた。

 PLMとしても、ネットカフェでパ・リーグコンテンツにタッチした人々が将来的に球場に足を運んで魅力に触れ、結果的にパ・リーグTVの継続的な視聴者の獲得となれば目標の一つが達成となる。そのためにも、少しでも多くのタッチポイントを設けていく必要があるだろう。

 今後、パ・リーグTV視聴が可能な現在の【650店舗】を【1000店舗】にまで拡げることで、タッチポイントが増え、さらなる新しいファン層の獲得へとつながっていく。

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

「パ・リーグ インサイト」編集部●文