人と犬の信頼関係

今、家庭で飼育することができるペットは大幅な多様化が進んでいます。
ペットショップでも、犬や猫をはじめ、爬虫類、両生類、鳥類、ウサギ、猿、亀…などなど、様々な種類の動物が展示されています。
その多様化したペットの中でも、犬は最も人と相性の良いペットの1つだといわれています。なぜなら、人と犬の関係は、長い時間をかけて深い信頼関係をつくってきた間柄であるからです。

歴史を振り返ってみると、様々な説がありますが、人と犬の関係の始まりは1万年以上も前からだといわれています。その始まりは、犬の祖先であるオオカミが人間の群れに近づいたことから始まりました。
当時の人間の群れが生活して出た廃棄物は、不猟によって食糧難に陥っていたオオカミにとって、食料として魅力的に感じていたと思われます。そこから「人間の近くで過ごしていれば食料にありつける」と学習したオオカミの群れは、人間の近くで生活するようになりました。

反対に人間側も、オオカミの優れた危険察知能力に気付き、オオカミの近くにいればいち早く危険を回避できると知りました。そこから「オオカミの近くにいれば安全に生活できる」と学習していきました。こうして1万年前という大昔に、お互いに利害が一致する関係を手に入れたことから、犬には「人と共存すべき」、反対に人にも「犬と共存すべき」という互いを必要とするDNAが組み込まれたといわれています。
だからこそ、犬と人間は他の動物にはみられない深い信頼関係を築くことができる間柄なのです。

人と犬の共通点

人と犬がここまで絆を深められる関係になった理由は、お互いに多くの共通点があるからだといわれています。その共通点をいくつかご紹介します。

群れで生活している!

犬も人も、単独ではなく群れの中の1人として生活する性質を持っています。群れを作るということは、他者とのコミュニケーションを取ることを楽しむということ。こういった点が、犬と人間が絆を深める要因となりました。

感情を共有できる!

犬を飼ったことがある人なら誰もが経験していることだと思いますが、飼い主が喜んでいると、犬も同じように嬉しそうに尻尾をぶんぶん振って寄ってくることがあると思います。その反対に、飼い主が悲しそうにしていると、そっと寄り添ってくることがあると思います。
これは、人同士が喜びや悲しみといった感情を共有できるように、人と犬も感情を共有できるからなのです。

お互いに信頼し合うことができる!

犬には、恐怖を求めた時に飼い主に助けを求める性質があることが過去の研究で判明しています。これは、他の犬にはみられない性質だといわれています。
またその他にも、犬にいろいろな人のニオイを嗅がせ、人によってどのような反応の違いがみられるか、という研究が行われています。結果では、犬の脳の喜びを司る部分が、飼い主の声を聞いたときに一番活性化したといいます。

また、人間への研究でも、同じような結果が出ています。
被験者に対して「愛犬の写真」と「自分の子ども」の写真を交互に見せたところ、被験者の脳は同じ部分が活性化したといいます。このことから、人間にとって愛犬は自分の子どもと同じぐらい大切な家族だと認識しているということが分かります。

この二つの研究から、犬も人間もお互いを大切な存在だと認識しあっている関係と分かります。

まとめ

犬と人間は、1万年以上という長い時間をかけて絆を深めてきました。
縄文時代の遺跡からは、犬の骨が丁寧に埋葬されているのが発見されていますし、海外でも、中世ヨーロッパの絵画には犬が描かれている物が多くあります。それだけ、犬の存在は人間にとって大切な存在だったのです。
また、その犬と人間の信頼関係の強さは、科学的にも立証されています。犬と人は、他の動物同士ではみられない唯一の、切っても切れない関係なのです。