アップル、「Siri」でのスマートホーム制御への動き

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アップルは、アマゾンの音声制御ガジェット「Amazon Echo」に似たスマートホーム向けデヴァイスを開発している可能性がある、と『Bloomberg』が報じている。

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アップルはSiriを、ポケットの中や手首ではない、新しい家に導入しようとしているようだ。『Bloomberg』によると、アップルは「Amazon Echo」(日本語版記事)に似たスマートホーム向けデヴァイスを開発している可能性があるという。

このデヴァイスを使えば、照明をつけたりドアに施錠したりなど、家のあれこれをSiriでコントロールできるようになるという。この分野に詳しい人物たちからの情報では、プロジェクトはすでに研究・開発を終え、プロトタイプの試験段階に入っているそうだ。

『Bloomberg』によると、アップルは「より高性能な」マイクロフォンやスピーカー、あるいは顔認識センサーを組み込むことで、「Amazon Echo」やグーグルの新しいデヴァイス「Google Home」(日本語版記事)との差別化を図ろうとしている。

アップルは、顔認識技術を開発しているFaceshiftやEmotientといったスタートアップを数年前から買収してきた(日本語版記事)。

デヴァイスのコントロールにはSiriが使われると想定される。例えば、メールを読み上げる、Apple Musicで音楽をストリーミング再生させる、メールを送信するなど、現在のSiriが対応しているコマンドの多くは利用できそうだ。

アップルは当初、「Apple TV」にSiriを組み込もうとしていたとも伝えられている。ユーザーがセットトップボックスに向かって声でコマンドを出せばよいようにしようとしたが、このプロジェクトは完結せず、代わりにアップルは、音声制御をテレビのリモコンに組み込むことにした。

アップルは以前から、スマートハウスへの進出を視野に入れていた。それは、2014年にIoTプラットフォーム「HomeKit(日本語版記事)」をリリースしたことや、HomeKit専用アプリ「Home」をiOS 10で提供したことからも明らかだ。

サードパーティのメーカーは、HomeKitを利用してSiriの音声制御を自社デヴァイスに組み込み、HomeKitに対応する全デヴァイスをユーザーが音声でコントロールできるようにする。しかしHomeKitでは、メーカー側がアップルの「MFi(Made for iPhone)」ライセンスプログラムに沿った新しいハードウェアをつくる必要があるため、多くのメーカーはまだ、既存製品をHomeKit対応版にする作業を進めている段階だ。

『Bloomberg』によると、アップルは今後3年以内にSiriのシームレスなコマンドシステムを使って、ユーザーが(iPhoneやiPad、スマートホーム製品など)すべてのデヴァイスを音声でコントロールできるようにしたいと考えているようだ。

さらにアップルは、コマンドを認識するためにSiriインターフェースを起動する必要さえなくしたいと思っているようだ。つまり、ひとつのユーザーアカウントで一旦アクティヴェイトされたら、Siriは常時そこにいてユーザーの声を聞いているということだ。

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