「巨人の肩の上にのる矮人」という西洋の言葉がある。これは新しい発見は先人の積み重ねた発見に基づいていることを示す比喩だが、万有引力を発見したアイザック・ニュートンもこの比喩を用いることにより、自分の功績は先人たちが積み重ねた発見に基づいているという見方を示した。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 「巨人の肩の上にのる矮人」という西洋の言葉がある。これは新しい発見は先人の積み重ねた発見に基づいていることを示す比喩だが、万有引力を発見したアイザック・ニュートンもこの比喩を用いることにより、自分の功績は先人たちが積み重ねた発見に基づいているという見方を示した。

 こうした謙虚な態度を示す人は、その言葉を聞く周囲の人びとからの敬意を得ることにもなるだろう。しかし中国メディアの今日頭条はこのほど、中国高速鉄道が成し遂げた成果はすべて中国の努力と能力によるものという見方を示している。

 記事は、トウ小平が1978年に日本を訪問して時速210キロメートルの新幹線に乗った際、「われわれも駆け出す必要がある」と述べたことを紹介。トウ小平は新幹線への乗車を通じて、中国の近代化の必要性を改めて認識したとしつつ、それから約40年で「中国高速鉄道はもはや新幹線を超えるほどの技術を確立するにいたった」と主張した。

 さらに「追い越す段階から卓越の段階へ」、「まったくのゼロから今日の成功へ」、「弟子から師へ」といった表現を用いて中国高速鉄道の急成長を称賛。また最初は技術導入から始まったことに記事は言及しているものの、今日の成功すべては中国自身の「鍛錬」の成果であり、いまや「世界標準」である中国高速鉄道の「不朽の成果」は中国の誇りであると説明した。

 中国高速鉄道の今日の成果に対する記事のこうした見方は、ニュートンが示した謙虚さとは完全に相反する。中国高速鉄道の今日の成果は、人類が積み重ねてきた科学上の発見や20世紀、21世紀における科学技術の目覚ましい進歩にほとんど依存しているのは誰の目にも明らかだ。

 また日本から導入した技術も中国高速鉄道発展のための重要な土台であり、もしこの技術導入がなかったなら今日の中国高速鉄道は存在していない可能性も十分考えられる。中国高速鉄道は中国の能力や努力だけで作り上げられたものでないのは明白であり、こうした謙虚さのない態度こそ、中国が尊敬を集められない理由の1つではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)