スマートドラッグって本当に効くの? 医師や専門家からは疑問視

写真拡大

 ハリウッドセレブや成功者に続けと言わんばかりに、巷には意味不明な横文字の健康法が溢れる昨今。そうした「意識高い系」健康法にハマる健康オタクたちに残念なお知らせを発表する。

◆有効なスマドラは皆無!? カフェイン最強との声も

 スマートドラッグはもとは脳疾患の治療薬を健常者が服用することで脳の認知能力を強化し、創造性や記憶力、集中力を向上させるといわれるもの。本場アメリカではビジネスエリートの5人に1人が愛用するほどの大ブームになっており、個人輸入で日本でも簡単に手に入りユーザーも多い。

 副作用がほとんどないと言われるが、おおたけ消化器内科クリニック院長の大竹真一郎氏いわく「副作用がないというのなら効果がないということと同義。しかし何らかの効果を実感している場合、確実にデメリットがあると考える必要があります」という。健常者が使用すると中毒症状を引き起こしたり、生命に危険が生じる可能性もある。

 自身も散々スマドラを試してきたというアンチエイジングライターのYu Suzuki氏も、「ほとんど意味がなかった」と話す。

「価格に見合った効果を体感できたものは皆無ですね。確かに集中力が向上する場合もありますが、その効果はカフェインのそれと大差ありません。また学術的に効果を裏付ける実験が少なすぎるのも問題です」

 コスパも悪い。日本で人気のスマドラといえばアーカリオンとピラセタムだが、前者は1箱60錠で約2600円、後者は1箱30錠で約1400円と日常的に服用するにはやや高い。それならば、カフェインの錠剤やコーヒーのほうがよほど頭脳が冴える効果があるといわれている。スマドラも“気分の問題”のようだ。

★一定の効果が噂されるものの、コスパも悪く実験結果もほぼなし

◆スマドラ愛好家が抗弁「マイナスがゼロ」の効果

 多くの医師や専門家からその効果を疑問視されるスマドラだが、ネット上の口コミには依然として「頭の回転が速くなった」「仕事の生産性が上がった」など、肯定的な証言が多い。デザイナーのK氏(33歳)も、スマドラがなければ生活が成り立たないと語る。

「テアニン、チロシン、DMAE、ビンポセチン、DHA、イチョウ葉エキスを毎日飲んでいます。それぞれ集中力や記憶力を強化したり、ドーパミンなどの脳内物質の材料になったりするサプリ。朝飲むと一日中頭のモヤが晴れ、非常に活動的になれる。実は私は以前覚醒剤中毒者で、その後遺症で通常の状態では気分が落ち込み、うまく思考もできない。一般の人をゼロとするならマイナスの状態ですが、スマドラを飲むことによってゼロになれるんです」

 一方、健常な状態の会社員M氏(31歳)は、スマドラで学習能力が劇的に向上したと明かす。

「1年前にMBA留学を志したんですが、当初のTOEFLの点数は36点(120点満点)とボロボロ。そこで脳機能調整薬であるピラセタムとアーカリオン、チロシンを飲み始めると効果は絶大で、ひと目見たら英単語が頭の中に固定される感じ。集中力も凄まじく、14時間連続で勉強できたことも」

 結果、M氏は1年で米トップクラスの大学院に手が届くレベルの99点を獲得。プラセボの効果も大きいだろうが……。

【大竹真一郎氏】
消化器内科医。おおたけ消化器内科クリニック院長。神戸大学医学部卒。総合内科、消化器病専門医。著書に『本当は怖い!健康診断&人間ドック』(主婦の友社)、『腸の「吸収と排出」が健康の10割』(ワニブックス)ほか

【Yu Suziki氏】
編集者、ライター、NASM(R)公認パーソナルトレーナー。あまりに不摂生な暮らしで体を壊し、一念発起で13圓離瀬ぅ┘奪箸棒功してアンチエイジングに目覚める

― 間違いだらけの“意識高い系”健康法 ―