コンビニ業界に詳しいライターの日比谷新太さんが、業界の裏事情を徹底レポートする当シリーズ。前回のトクホ飲料に続き、今回取り上げるのは“売れ残ってしまったコンビニ弁当の行方”について。廃棄商品の処理の仕方を間違えてしまうと、店の運営が立ち行かなくなる事態を招いてしまうそうで……。

廃棄商品はどう処理されるのか

コンビニエンスストアでは、おにぎり、パン、サンドイッチ、弁当、パスタ等の食料品を数多く販売しています。コンビニの全体売上に対し約20〜40%のシェアがある主力商品です。

これらの食料品には、常に「廃棄ロス」の問題がつきまといます。商品が納品された後、一定の販売期間を過ぎると販売時間切れとなり、店頭から商品を引き下げて「廃棄商品登録」を行うことになります。

各チェーンとも期間切れ商品が間違ってお客さんに販売されないように、もしそれらをレジでスキャンすると、「ピーッ!」とアラームが鳴るシステムになっています。

この廃棄商品の処理についてですが、加盟店と本部が長年に渡り戦ってきました。

【本部】

販売期限が切れた商品なので、店頭から撤去し廃棄処理をする(=加盟店の経費になる)

 

【加盟店】

販売期限が切れたとは言え、まだ賞味期限まで時間があるので、販売を継続して1円でも廃棄ロスを減らしたい。

過去には、一部のコンビニが「値引き販売」を行った事例もある廃棄商品ですが、実際のところ各加盟店はどのように扱っているのでしょうか。今回は私自身が見聞きしたことのある、コンビニ店舗の裏側で発生しがちな“闇の処理”の一例をご紹介します。

(1)廃棄商品を食べる

最もポピュラーな処理方法です。店長さん、パートさん、アルバイトさんが「今日の御飯は何かな?」とばかりに、廃棄処理をされた商品を選び、それを電子レンジで温めて休憩時に食べる……そんな姿が目に浮かびます。こういった行為は、当然本部としては禁止しているのですが、実際は大半の店舗で行われています。

(2)廃棄商品を従業員向けに値引き販売する

商売人としての気質が高い店長さんに多いケースで、廃棄商品をパート・アルバイトさん向けに30〜50%OFFにして販売するもの。この処理方法は、特に主婦パートさんに好評だったようです。休憩時間中にチンして食べるのは抵抗があるけど、お買い得になった商品を買い求めるのは、スーパーの閉店間際に値引きされるお惣菜を手に入れるのと似ているからでしょうか。



(3)廃棄商品を友達にあげる

アルバイトがレジを担当している時に、その友人・知人が来店し、防犯カメラに映りにくい死角で商品を物色し、電子レンジで温めて持ち帰る(食べる)という行為。店長がお店からいなくなった深夜時間帯に発生しがちで、この事例が発生すると最悪です。

例えば、深夜時間帯に店長が店に行ってみると、アルバイト君の友人3〜5名が、店のバックルーム・事務所にたむろしていたというケースも。事務所の机の上には、廃棄処理済みのパックの焼き鳥・缶ビール・チューハイがズラリ……。彼らは、店長がいなくなる深夜時間帯に友人を呼び寄せて、酒盛りをしていたのでした。

 

これら廃棄処理を巡る様々な行為ですが、これが店舗に定着してしまうと大変厄介です。なぜなら、それらが行き過ぎてしまうと、アルバイトなどが自分が食べたい商品を「わざと廃棄する」という行為に発展するからです。具体的には、自分で食べたい商品を発注し、店頭に陳列させずに販売期限切れになった後に廃棄処理を行い、自分で食べるようになってしまうのです。

しかしながら、これまで紹介したような廃棄商品の処理が、いわゆる福利厚生的な位置付けになってしまうと、なかなか撤廃することができなくなります。つまりアルバイトやパートからすると、無料で御飯が食べられる(まかない飯)、安く商品が買える(従業員割引)といった感覚になった後に、その廃棄処理のローカルルールを撤廃した場合、待遇悪化ととらえられてしまい、アルバイトやパートの大量退職にもつながってしまうのです。

ちなみに先述のアルバイト君の友人が酒盛りをしていた店の店長は、廃棄ローカルルールを撤廃するために、廃棄処理が終わった商品を、わざとアルバイト君たちが見ている前でごみ袋に捨てるようにしたそうです。自分が直接見れない時間帯の廃棄商品の処理についても、廃棄商品の登録作業をアルバイト君には担当させず、自分自身が行うようにしたそうです。

 

文/日比谷 新太(ひびや・あらた)

日本のコンビニエンスストア事情に詳しいライター。お仕事の依頼はコチラ→のメールまで: u2_gnr_1025@yahoo.co.jp

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出典元:まぐまぐニュース!