24日、南方都市報は、「日本の“移住ブーム”が中国に与えるヒント」と題するコラム記事を掲載した。写真は上海。

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2016年9月24日、南方都市報は、「日本の“移住ブーム”が中国に与えるヒント」と題するコラム記事を掲載した。著者は作家や評論家として活動する周俊生(ジョウ・ジュンション)氏。

周氏は、先日、あるメディアが掲載した「中国人は都市部へ、日本人は農村部へ」という記事を取り上げる。同記事の内容は、都市化が進む中国とは対照的に、日本では都会の喧騒を離れて農村へ移住する人が増えているというものだ。統計によると、昨年に東京を離れた人は37万人以上にのぼり、特に20〜30代の若者たちが増えているという。

周氏は、こうした都会から離れて静かな場所を求めるという「逆流現象」について、「世界中の多くの大都市で起きていることで、実は中国でも起きている」と指摘。一方で、日本と異なる点として、「日本では移住者の中心は若者であるのに対し、中国では基本的に金持ちであること」「日本では生活拠点を地方に移すのに対し、中国では都市に不動産を残しながら地方に別荘を持つという形であること」を挙げる。だが、周氏は日本で起きている“移住ブーム”が中国に非常に大きなヒントを与えているとみている。

周氏は、「改革開放以降、労働力市場と戸籍制度に生じた変化によって、人々の大移動が始まった農村や地方都市の若者が大挙して大都市に流れ込み、大都市の深刻な交通渋滞や環境問題を引き起こした。また、今年に入ってから一部の都市で住宅価格が高騰しており、経済のバランスが失われた。高齢化が進むにつれ、元々大都市に住んでいた高齢者はますます増加しているが、彼らは人口が都市に集中することで静かな老後を送ることができないでいる。子どもたちも仕事に追われ、親の面倒を見ることが難しくなっている」などと指摘する。

こうした現状でヒントになるのが日本だという。「都市部の高齢者が地方に移住するのは悪くない選択肢。上海ではそのような流れがすでに起きている。結婚する子どものために住んでいる自宅を譲り、自分たちは地方都市に新たに住宅を購入するという高齢者も少なくない。初めはやむをえずという気持ちかもしれないが、自然を感じられる環境での生活に快適さを見出す人もいる。政府が政策として補助すれば、高齢社会における老後の生活の新たな道筋になると同時に、大都市の飽和状態も緩和されるのではないか。一定の規模になれば、不動産市場にもプラスの影響をもたらすだろう」とみている。

周氏は、「日本の移住ブームは、地方都市が移住者に補助金を支給するなど、さまざまな魅力ある政策を行った結果だ」と指摘する。NPO法人「ふるさと回帰支援センター」によると、昨年、相談に訪れた人数は2万人を超え、前年から2倍以上に増えたという。「日本とは国情が異なり、都市から地方に移住しても同じような福祉が受けられるようにするなど国の制度面での整備も必要になる」と課題を挙げつつも、「大都市周辺の地方都市が、高齢者が住みやすいコミュニティーを作ることは、さまざまな面でプラスの効果をもたらす」と指摘している。(翻訳・編集/北田)