豪華なものからプレハブまで

前回は、五島列島・小値賀島(こぢかじま)の話を書きましたが、五島列島といえば、“隠れキリシタン”でも有名です。特に「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」がユネスコの世界遺産登録候補になってからは、さらに注目を浴びています。

今から2年ほど前、長崎と五島列島の教会をあちこち巡る旅をしました。

福江島(ふくえじま)、小値賀島、上五島(かみごとう)……豪華な教会から、山の奥にぽつんとあるプレハブの教会まで本当にいろいろ。どれもその背景にはそれぞれの歴史があり、今も信徒たちの手によって守られています。

あちこち巡っている中で、ふと気づきました。ヨーロッパや中南米諸国の教会もたくさん見てきましたが、あちらの教会と比べて、どこも“かわいい”のです。なんというか、教会特有のおどろおどろしさや、権威的な雰囲気がない……?

花や植物の意匠があちこちに散りばめられ、全体のトーンもピンクやブルーなどパステルカラーがふんだんに使われていたり……。誤解を恐れずに言えば、どこか“幼稚園”のようなあたたかい雰囲気があります。

植物の意匠もキリスト教に関連するもののようですが、十字架に打ち付けられたキリスト像よりも、植物を好む感性は“日本的”なのかもしれません。

南米の田舎にある教会も素朴なものが多く、現地の文化と融合していますが、長崎の教会は南米とも雰囲気が全然違います。

何を取り入れ、何を残したのか。地域による違いを見るのは興味深いです。

ちなみに、九州の教会建築には建築家・鉄川与助氏が大きな功績を残しています。『鉄川与助の教会建築』(LIXIL BOOKLET)は教会巡りをする人は必見です。