◼あるワンちゃんとの出会いと別れ

あるワンちゃんとの出会い

そのワンちゃんとの出会いは4年前の夏、結婚して夫の仕事上の都合で横浜に引っ越して来てから、数年たった頃の事です。

引っ越してからそれまでの私は、仕事の関係から家に帰るのも夜遅かった為、新しい土地の方達とあまり馴染む機会が無く、近所に親しい友達も特にいませんでした。
そんな生活の中で、わが子の代わりと初めて犬を飼う事になりました。

愛犬の予防接種を済ませてお散歩デビューしたばかりの頃、最初は顔見知りでなんとなく挨拶するだけだったのですが、徐々に犬友さんが出来てその犬友さんを通じて更に他の方とも仲良くなりました。
その仲良くなったワン友さん達の愛犬の中の一頭がそのワンちゃんです。

介護が必要だったワンちゃん

出会った時にそのワンちゃんは13才と高齢でしたが、毛並みの美しい穏やかなとても賢く優しい子だった事をよく覚えています。

なんといっても、人見知りなウチの愛犬がなついた数少ないワンちゃんでした。
しかし、その頃既にそのワンちゃんは足腰が弱く、お散歩もなかなか大変だったのですが、それでもお散歩が大好きで、みんなに会うのが楽しくて、ゆっくりとですが頑張って自分の足で歩いていました。
春夏秋冬、お散歩でお会いする度に本当に沢山遊んで頂きました。

出会いから月日が経ち、昨年年明け頃から段々とお見かけする回数が減ったので、皆で「最近会った?」「元気かなぁ?」と心配していたのですが、そんな中、犬友さんの一人が連絡をとってくれました。
すると、『最近体力が落ちて足腰がなかなか立たず、ご飯も上手く食べられなくて寝たきりの状態が多い』との事でした。

トイレも介助が必要で、飼い主さんはとても苦労されている様子が伺えました。
その後、飼い主さんにお会いする度にワンちゃんの様子や介護の大変さを伺って皆で心配していました。
そんな毎日が過ぎていき、今年の7月の事です。

飼い主さんのご厚意で犬友さん達とそれぞれの愛犬を連れて、ワンちゃんのお見舞いに伺うことが出来ました。
その時のワンちゃんはもう足腰が動かず意識もぼんやりし、自立することが出来なかったのですが、飼い主さんに抱っこされてなんとか玄関先まで、お顔を見せに来てくれました。
帰り道犬友さん達と「お顔が見れて良かったね。」「少しでも元気出してくれて良かったね。」と会話したのを今でも良く覚えてます。

ワンちゃんの最後

8月の暑い日の事でした。
犬友さんの一人から突然連絡が入りました。
それはワンちゃんがとうとう亡くなってしまったとの知らせでした …。
老衰だったそうで、今年の夏の暑さに体力がもたなかったそうです。

数日後、他の犬友さん達とお花を持ってお焼香に伺いました。
飼い主の方は「大きな病気や怪我をすることも無く、天寿全うしてくれたのが救いかな」とおっしゃっていました。
先月お見舞いに伺ったとき、ウチのワンコ達に会って何かを思い出した様に少しだけ嬉しそうにしっぽを振ってくれたのを思い出し、思わず涙が溢れてしまいました。

犬にとっての幸せ

どんなに大変でも飼い主さんはずっとワンちゃんの介護をされてました。
それは、飼い主さんにとってかけがえのない大切な家族だったからだと思います。

命あるものは誰もが避けることが出来ないいつかは来る別れがあります。
そして犬の寿命は人間と比べると確実に短いです。

また、犬は飼い主を選べません。
だからこそ限られた時間、犬にとって「幸せだったな・楽しかったな」と思えるような家族でありたいと思います。
当たり前の事だけど、改めてそう強く感じました。

天国へ旅立ったワンちゃんへ

ご自宅でワンちゃんがまだ若く、元気だった頃のお写真を沢山見せて頂きました。

ボールをくわえてご家族ととても楽しそうに走っているところ。
初めての川でも楽しそうに遊んでいるところ。
家族の集合写真にもちゃんとお座りして上手に写っているところ。

家族と行った楽しそうな旅行の思い出の写真など、どの写真もご家族のワンちゃんへの愛に溢れ、とてもとても幸せそうでした。
ワンちゃんにとってきっと素晴らしい一生だったでしょう。
私はそう思います。

その日の帰り際、ワンちゃんを通じての出会いでしたが、飼い主の方と「私達はこれからもお友達でいましょうね。」とお互いに改めてご挨拶しました。

天国のワンちゃん、ご冥福をお祈りします。
沢山、沢山ありがとうね。