ライオン、ゾウ、バッファロー、ヒョウ、サイ。アフリカのサバンナに生息するこれらの野生動物は、通称「BIG5(ビッグファイブ)」と呼ばれ、狩猟が厳しく禁止されるようになった今日のサファリにおいて、すべて目にした人には幸運が訪れるなんて言い伝えも。

けれど、ここにキリンが入っていないのは狩猟時代の名残りらしく、希少性が低いことが理由だとか。現在、アフリカ全土で約8〜9万頭生息するとみられるキリンは、絶滅の危険が低いと思われてきました。

ところが最新の研究により、状況が一変。保護対策が変わる可能性も。

 

 キリンは1種類ではなかった!

これまで、動物学者や研究者たちの間で「キリンはひとつの種」という考え方が定説。文様の入り方や生息地に違いはあれど、それはすべて亜種としての分類に過ぎませんでした。

ところが遺伝子の分析結果によって、じつは4種のキリンが存在することが判明したのです。従来の研究では、まれに他の首都入り混じるキリンが確認されていたものの、種レベルでの違いが確認されたのは今回が初めて、と研究を指揮したゲーテ大学(フランクフルト)の遺伝学者アクセル・ヤンケ博士のコメントから紹介する「Nature」誌。

リーダーであるオスを頂点に10頭ほどの小数頭で群れをなすことの多いキリンは、広域を移動することも多いそう。つまり、その気になれば他の種と混ざり合うことがいくらだって可能なもの。

それが、なぜ今まで異種交配が見られなかったのか。山あり川あり、サバンナ特有の地形が物理的な壁となっていた可能性を挙げるヤンケ博士。ですが、「これこそ百万ドルのミステリー」と、種の交わりがほとんどなされてこなかった事実に、専門家も首をひねるばかり。 

絶滅危惧種への登録も
動物園は同種の「お相手探し」

さて、遺伝的多様性を調べる今回の研究では、190頭から遺伝子サンプルを採取。その配列は明らかに4つの大きなパターンに分けれられ、なんでもヒグマとホッキョクグマほどの差異に匹敵するものだったとか。

こうして生息地ごとに「ミナミキリン(ケープキリン)」「マサイキリン」「アミメキリン」「北キリン(ヌビアキリン)」と、新たに分類されたキリンたち。なかでも北キリンの頭数は5,000を切ることが判明。これを受けてキリン保全財団は、国際自然保護連合(IUCN)へのレッドリスト登録を提案した模様。今後の保護対策にも大きく影響を与える見込みです。

もっと身近なところでいうと動物園。異なる種がいることが明らかになった今、繁殖相手の候補探しも、遺伝子分類によって純血種を保つことに一役買うことが期待できます。また、これまでの学名、分類、分布といった表記に加え、新たに上記の種によるカテゴライズが増えるはず。

近い将来、4種のキリンに出会うことが新たな“BIG4”になり得る。そんな日が来るかもしれませんよ。 

Reference:Nature,CNN,Giraffe Conservation Foundation