中国との関係に暗雲が立ち込め、北朝鮮の脅威が高まっている中、韓国が日本に急接近している。慰安婦問題など歴史認識を背景にした「反日」から、韓国の姿勢は変化しつつある。北朝鮮

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2016年9月23日、韓国が日本に急接近している。在韓米軍への高高度迎撃ミサイル(THAAD)配備に反発する中国との関係に暗雲が立ち込め、核・ミサイル開発に突き進む北朝鮮の脅威が高まっているためだ。慰安婦問題など歴史認識を背景にした「反日」から、韓国の姿勢は様変わりしつつある。

聯合ニュースによると、韓国の尹炳世外相は13日に長嶺安政・駐韓日本大使と会談した際、「最近は韓日間で緊密に意見交換し、協議する分野が広がっている」と強調した。尹外相の発言は、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に関する情報共有を活性化させる軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結問題を含む協力を念頭に置いたものとみられる。

日韓のGSOMIAについては、12年6月に締結予定だったが、韓国側が国内世論の反発を受け、署名直前にキャンセルした経緯がある。稲田朋美防衛相は10日、韓民求国防相との電話会談で改めて締結を促し、韓国防相は国内世論を見極めながら協議を進める意向を示した。

日韓両国は日米韓3カ国間の情報共有の取り決めに基づき、米国を介して情報を共有している。しかし、北朝鮮が9日に5回目核実験に踏み切ったことから、韓国内でもGSOMIAを締結し効率的な情報共有を図るべきだとの声が高まっている。韓国国防省報道官も記者会見で「安全保障としては必要な面がある」と語った。

GSOMIAに先立ち韓国側が動き始めたのは、通貨交換協定の再開。8月27日、ソウルで開かれた日韓財務対話で提案した。

01年に始まった日韓の通貨交換協定は、昨年2月に終了した。韓国側は「外貨準備高も比較的十分。経済指標が良好であり、延長がなくても特に悪影響はない」との見解を示していたが、最大の原因は慰安婦問題での日韓関係の悪化という「政治的な問題」だったとされる。

その後、韓国経済の先行きは主要輸出先の中国の成長鈍化や英国の欧州連合(EU)離脱決定などで不透明感が増し、金融市場が混乱すれば打撃を受ける懸念が強まっていた。経済界には、協定再開が経済分野での対日関係改善の好機になるとの期待もある。

日本との関係修復には「応援団」も現れた。保守系の東亜日報はこのほど、論説主幹名のコラムを掲載し、ソウルの日本大使館前の少女像移転を主張した。

コラムは、昨年12月28日の慰安婦問題をめぐる日韓合意の際、尹外相は「少女像が日本大使館の安寧(あんねい)に及ぼす影響を認め、関連団体との合意下に適切に解決されるよう努力すると発表していた」と指摘。その上で「沈黙する国民の中には、国家存亡の危機に、少女像で韓日関係がきしみ続けてはいけないという懸念は多い」などとも言及している。(編集/日向)