京都で話題の“雑誌を体感する空間”「MAGASINN KYOTO」ってどんなところ?

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2016年5月、クラウドファンディングで資金を募りオープンした宿があります。それが、京都の「MAGASINN KYOTO(マガザンキョウト)」です。この宿のコンセプトは「触って、使って、泊まって、買える。 五感をフルに使ってカルチャーを体験できる空間」。これだけ聞いてもピンと来ない人が多いはず。そこで、今回はMAGASINN KYOTOのオーナー・岩崎達也さんにお話を伺いました。

 

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■1日1組限定だからできる本好きのための空間

 

MAGASINN KYOTOは、京都の“ど真ん中”である二条城の近くにあります。


もともとは牛乳屋さんで空き家になっていた築100年以上の2階建ての町家をリノベーションして作られた空間です。


2階の一部を1日1組限定の宿泊スペースにし、ほかのスペースをショップやギャラリー、イベント会場として開放しています。


この宿の最大の特徴は、季刊誌のようにシーズンごとに宿のテーマが変わること。取材をした8月末は、第1号の特集「本:本を体験する」をテーマに、さまざまな展示が展開されていました。


海外の小さな出版社の写真集やハンドメイドの本などを取り扱う京都の書店「ユイブックス」が<京都とカルチャー>というテーマでセレクトした本棚や、村上春樹の作品を朗読してからそこに出てきた料理を提供するイベント「村上春樹の晩餐会」など、ほかの宿では体験できないような経験ができます。


「現在は、東京・駒沢にある書店兼ギャラリーの『スノウショベリング』、京都の書店『ユイブックス』とコラボレーションして本特集を展開していますが、次回は『デザイン特集』と銘打ち、デザイン事務所のれもんらいふと『れもん京都宿らいふ』という特集を展開します。建物のベース自体は変わりませんが、建物中にれもんらいふの代表・千原さんにイラストを描いてもらったり、オリジナルのZINEを作ったりする予定です」(オーナー・岩崎さん)

定期的にテーマが変わることで、岩崎さん自身、会社員時代には関わらなかったであろう人たちと一緒に仕事ができることが楽しいのだとか。「好きな人が集まって、好きな人と一緒に仕事ができる装置が作りたかった」と話す岩崎さん。“自分で仕事を作る”という、新しい働き方がこうしてカタチになったのだと感じさせられます。

 

■カルチャーを”狭く深く”知れるのは宿ならではの魅力

このオリジナリティ溢れる宿を経営する岩崎さんは、もともと新規事業企画やウェブ・広告のディレクターをしながら、雑貨店を開業していたそう。そのバックグラウンドを感じられるのが、店内に展示・販売される雑貨の数々です。

「カタルタ」は、自己紹介やアイスブレイクに役立つカード。引いたカードのお題をもとに自己紹介できるので、旅先など初めて合う人とのコミュニケーションのきっかけになる。 「カタルタ」は、自己紹介やアイスブレイクに役立つカード。引いたカードのお題をもとに自己紹介できるので、旅先など初めて合う人とのコミュニケーションのきっかけになる

 

2階の宿泊スペース以外の空間では、京都のお土産や旅行に役立つアイテムなどが展示販売されています。多くのアイテムが京都や地方で若手のクリエイターが手がけたオンリーワンなものばかり。

京都の老舗ラーメン店・新福菜館とデザイン事務所・れもんらいふのコラボ丼「新福菜館×れもんらいふコラボレーション丼」が買えるのはここだけ 京都の老舗ラーメン店・新福菜館とデザイン事務所・れもんらいふのコラボ丼「新福菜館×れもんらいふコラボレーション丼」が買える実店舗はここだけ

 

「ローカルカルチャーを国内外の人に体験してもらいマッチングする場所を目指しているので、京都のお店や作家さんに協力してもらっています。京都はコンパクトな街なのでアンテナを張っているとどんどんクリエイターやキーパーソンとつながっていくんです」と岩崎さん。

雑貨店や洋服店と違い、宿泊するとなると滞在時間が必然的に長くなることが、この場所で展示することの強みなのだとか。大きな雑貨店などのように “広く浅く” いろんな商品を紹介するのは難しくても、10数時間の滞在時間で”狭く深く”商品の良さを知ってもらうことができるそうです。

■ローカルカルチャーに自然と溶け込める経験は唯一無二

岩崎さんにどんな人に来てほしいかを尋ねると、「面白いことや新しいことを企んでいる人に泊まってほしい」というシンプルな答えが返ってきました。

トイレの前の廊下には、袋とじの文庫本が売られている。袋に書かれたキーワードだけで本を選ぶという斬新な商品で、袋の中身は岩崎さん自身も知らない。 トイレの前の廊下には、袋とじの文庫本が売られている。袋に書かれたキーワードだけで本を選ぶという「スノウショベリング」の斬新な商品で、袋の中身は岩崎さん自身も知らない

 

「ハイレベルなホテルのようなサービスを提供できるわけではないですし、1日1組限定なので、むやみに幅広い層にアプローチしようとは思っていません。この空間では、地元の人が1階でコーヒーやビールを飲んでいるところに、旅行者が交じるという光景がよく見られます。いわゆる名所を巡る観光のそれではなく、“ローカルカルチャーに溶け込む体験ができること” を、この宿の魅力として育てていきたいと思っています」


泊まりに来た多くの人が「もっとこの宿の滞在時間を長く取れば良かった」と言うほど、この町家の中には大小さまざまなこだわりに溢れています。

宿泊料金は季節によって変動しますが、1人あたり1万円を切る価格が相場となっており、同時宿泊は最大6名までです。観光はもちろん、”泊まる” ことを目的にした京都旅行を楽しんでみませんか?

MAGASINN KYOTO >> http://magasinn.xyz/

 

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(文/今西絢美)

いまにしあやみ/エディター、ライター いまにしあやみ/エディター、ライター

編集プロダクション「ゴーズ」所属。スマートフォンなどのデジタル製品を中心に、アプリや関連サービスに関する記事をウェブや雑誌で執筆中。趣味は食べ歩きで、食にまつわるサービスや製品のチェックがライフワーク。