韓国の観測史上最大規模となった9月12日の地震の衝撃が収まらない。国民の間に不安感が広がり、余震のたびに消防などに通報が殺到。日本製の防災グッズなども注目を集めている。韓国・慶州地震

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2016年9月24日、韓国の観測史上最大規模マグニチュード(M)5.8の地震の衝撃が尾を引いている。朝鮮半島ではこれまで大きな地震がほとんどなかった。それだけに揺れに慣れていない国民の間に不安感が広がり、余震のたびに消防などに通報が殺到。日本製の防災グッズなどの売れ行きも急増している。

9月12日の慶尚北道・慶州市付近を震源地とする地震の規模は、熊本地震で4月14日午後10時7分に起きた地震と同じ。この地震の最大震度は6弱だった。震度7を観測し、大きな被害を出した同日午後9時26分の「前震」はM6.5だった。

12日の地震は犠牲者もなく、正確な状況は集計できていないものの、負傷者48人、建物の損壊など4438件と被害は比較的軽微にとどまった。しかし、19日にM4.5の地震があるなど余震は相次いで発生している。

聯合ニュースによると、こうした余震が起こるたびに救急・消防の119番に電話が殺到し、緊急対応に支障が出かねない状況になっている。19日の余震の際は、震源の慶州市に近い釜山市消防本部には発生から30分余りで1987件の問合せ電話があったが、消防車の出動が必要な通報は皆無。ほとんどが「今のは地震ですか?」「余震ですか?」「また揺れそうですか?」といった単純な問い合わせだった。

やはり震源から近い蔚山や大邱などでも同様の状況。道路に亀裂が入ったなどの「実際の被害」通報は蔚山で5件、大邱4件、慶尚北道2件にとどまった。消防当局は地震発生時の単純な問い合せは自制してほしいと呼び掛けている。

地震に対する備えにも関心が高まり、聯合ニュースは「インターネット通販を中心に、ヘルメットや懐中電灯、ロープなどの防災用品や医療用品、非常食の売り上げが急増している」と伝えている。

ネット通販大手のGマーケットによると、避難用ロープ、防毒マスク、自家発電機などの防災用品の売り上げ(今月12日〜19日)は前年同期比37%増加した。家具の転倒防止グッズ(66%増)や懐中電灯(41%増)、防火用品(10%増)なども2けたの伸びを見せた。ミネラルウオーター(72%増)、カップ麺(22%増)など非常食として活用できる食品類も人気という。

ネット通販サイト「11番街」の海外ショッピングコーナーでは日本製の「1人用避難リュック19点セット」が注目を集めた。40リットルの大きなリュックサックにラジオや毛布、防災頭巾、レインコート、非常食など災害発生時に必要な防災用品が入っている商品だ。

一連の地震をめぐっては、政府の対応の不備も明らかになった。中央日報は「日本の場合、M4.0以上の地震が発生すれば10秒以内に早期警報システムを稼働し、迅速に対応している」と指摘。「韓国は12日の地震当時、緊急災難文字メッセージが国民に送られるまで本震が8分、余震が15分ほどかかったほか、韓国唯一の『地震情報提供』スマートフォンアプリも地震発生当時に機能せず、非常に脆弱(ぜいじゃく)な対応を見せた」と嘆いている。(編集/日向)