大人気コミックエッセイ「たまご絵日記」著者に聞いた! “爆笑育児生活”のウラ側

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初めての育児は、わからないことだらけ。不安の連続で、てんやわんやの毎日ですよね。

ビックリ! 「新生児」にまつわる、みんなが知らない意外な真実7

初めての授乳、寝かしつけ、オムツ替え、離乳食などなど……赤ちゃんが生まれた瞬間からすべての女性は母になり、初心者マークを胸につけて日々、奮闘しているんです。

そんな子育てのリアルをユーモアたっぷりに描いた育児ブログをコミックエッセイ化した『たまご絵日記 新米かあちゃん奮闘記』は、時に汗と涙にまみれた育児のツラさを笑いに変えるヒントが詰まった一冊。

今回は、著者のナナイロペリカンさんに、エッセイに描かれた爆笑育児生活の裏側について伺いました。そこから見えてくる、育児の苦労を笑い飛ばすコツとは?

ブログの反応を見て笑える表現を考える

――初めて母親になったときの心境について、「経験ゼロで社長に就任したようなもの」というたとえがとてもしっくりきました(笑)。

未知の生物、宇宙人のような赤ちゃんを、どう扱ったらいいのかわからない状態から始めるじゃないですか。

そんな中で、とにかくかたわらにいる夫がいろいろ聞いてくるんですよ。

ミルクどうやって作るの、とか。ボタンだらけの見たことのない肌着とか、新生児の謎の着物のような服とか(笑)、そういうのまで私が完全に知ってるかのように、聞いてくるんですよね。

ちょっと待てよと。こっちもやったことないんだよと(笑)。

「教えてください社長!」みたいな。夫は完全に雇われたアルバイトのような感じでしたね(笑)。そういう状況を、「社長に就任した」ように感じて、表現してみました。

――ウンチ漏れに次ぐオシッコ噴射で着替えの連続、そんな悲惨な状況も「毎日開催ファションショー」と描写されることでクスリと笑える一コマになっていましたね。

普通に言ったらめんどくさいっていう話で、ただ勘弁してくれ、ってことが、「ファッションショー」って言い換えたりすると楽しくなるかなって。

ブログ始めたてのころは、私も日記みたいな感じで自己満足でつけていたんです。記録をとって、誰かの参考になればいいかな〜くらいに思ってたんですよね。

でも、ちょっとわかりやすい表現にしたりすると途端にアクセスが増えるんですよ(笑)。

それに味をしめてしまって。どんどんおもしろくしよう、おもしろくしようというクセがついていったのかもしれないですね。

見てくれる人の反応をみながら、育てられたところはあるかもしれないです。

やっているうちに、思ったことを書いたりすると「そうそう!」とか反応があったり、だんだんコミュニケーションをとるようになっていきました。

――じゃあ、育児でつらいことがあると「これ、ブログに書いちゃおう」とネタにできるみたいなところがあったり……。

いやホントすべてそうですね(笑)。

つらくてやってられないことだらけじゃないですか、人生って。

私、本当におっちょこちょいで、ツメの甘さみたいなところが人よりすごくあって、もうガッカリすることだらけなんですよ。そんなどうしようもなさをブログに書けば少しはメリットになる(笑)。

ブログがあるおかげで吐き出せるんです。助けられていますね、ホントに。

夫にはとにかくただ話を聞いてほしい!

――赤ちゃんが夜中1時間おきに起きるのは本当に辛い時期だったと思います。描写はユーモアながらも実際はかなり大変だったと思いますが、どう乗り切りましたか?

寝てくれない時期って波がありますよね。ハードモードのとき、イージーモードのとき。

初めての育児ってほんとに先が見えなくてつらいんですけど、今のこの状態はあとどれくらい続くかな、って限定的に考えるようにして乗り越えるというか。

自分をだましだまし、一日一日耐えしのぐ感じでした。

またブログの話ですけど、たとえば「寝てくれなくてホントつらい〜」って書くと同じような仲間が見つけられるので、納得できるということもありましたね。もっと大変な人もいたりするし。

夫も気持ちとしては手伝ってあげたいと思っていたみたいなんだけど、やっぱり翌日の仕事もあるし……。

なので私がそのときの夫に求めることは、愚痴を聞いてほしいってことでしたね。帰ってきたら話を聞いてほしいなって。

とにかく話を聞いてくれ、それだけでうまくいくからと全旦那さんに言いたいですよね(笑)。

ブログでも吐き出せるけど、ホントに本音の部分に関しては旦那さんの出番ですから。そして、たまにはほめてほしいです(笑)。

子どもの成長とともにパパも頼もしく

――漫画のように、ママじゃなきゃダメみたいなとき、本当にありますよね。旦那さんの奮闘ぶりが泣けます(笑)。

結局やっぱり自分が現場に一番いるから。もうしょうがないとは思っていました(笑)。

ただ、夫が頼りにならないのは仕方がないとは思っていつつも、イライラしちゃいますけどね。

あっちはあっちで、なんでこんなに泣かれちゃうんだろうっていうはがゆさもあるだろうし……だから気持ちだけでも、ってその場にいてくれたりして。戦力外だけど(笑)。

なんにもできないのになんでそこにいるのって思ったりもするけど(笑)、「やっぱり俺なんにもできないからいいよ」って外でビール飲んでたりしたらそれはそれで腹が立つので。

こっちは職人の大将で、向こうは新入りみたいな感じですからね。「お前見とけそこで!」みたいな(笑)。

でも、子どもも成長していくと、パパは遊んでくれますからね。私はあんまり遊ばないので、分担ができるんです。

夫に家事ができないぶん、土日の遊び相手は任せちゃっています。

子どももなついていますよね、遊んでくれるから。寝るときはやっぱり「かあちゃ〜ん」てなるんですけど、今はもう任せて外に行くのも可能になりました。

負担はかかるんですけど、任せることはできる。頼もしくなりましたね。

ターニングポイントは1歳のとき

――後追い地獄に「しんどさのピーク」を感じていたようですが、すべてのママがこういう時期を経験しているかと思います。当時どんなふうにこの時期を乗り越えましたか?

この時期、寝不足と不安が一気にきちゃって。夜泣きによる寝不足が重なったり、離乳食を一生懸命作ったのに食べてくれなかったり。

今までは、自分をだましながら、これも今だけって考えてポジティブな気持ちでなんとかやっていたのが、できなくなるときってありますよね。

なんとかなるって思えないというか。うまく浮上できなくて、負が負を呼ぶというか。

今まで波があるから、うまくいった記憶もあるじゃないですか。ブログもうまいこと更新できたり、楽しい連ドラを見られたりとか。

そういう一回うまくいった記憶って、うまくいかなくなった途端、焦りにつながるんですよね。あのとき寝かしつけのあとスムーズにできたのに、って。

大抵のことは、寝ればなんとでもなるんですけど、うまく寝られない日が続いたりして。新米お母さんの大半の悩みって寝不足からきてるんじゃないかって思います。

そんな中で、やっぱり大きなターニングポイントは1歳かな。

1歳になるにつれて、今までおもちゃ状態っていうか、小動物みたいなコミュニケーションをとれなかった生き物が、やりとりのラリーができるようになって、「おーなんかちょっと楽しくなってきた!」って思えるようになって。

子どもが楽しんでくれてるんだなってわかったり、成長してるって実感がわいたりしたのが1歳前後でしたね。

ピークをこえた、しんどい時期をこえたっていうのはそのときかもしれないです。外とのつながりがあんまりなくて、ママ友も少なくて閉鎖的な感じで育児をしてたので……。

――閉鎖的に育児をして鬱々としちゃうママって現代は多いと思います。

私の場合、ブログがあって助けられる部分もあったんですけど、ついブログに逃げがちで。

生身の人間と会話するみたいなことが少なくなっちゃって、なんでも困ったらネットで探そうみたいな感じで(笑)。

そこで救われることもあるけど、そればっかりになっちゃうとどこか不安ですよね。

ちょっと外に出た時に、ママ同士で公園散歩行っている人を見ると「ヤバイ!」みたいな焦りが(笑)。

どこか解消されないですよね、ブログだけだと。だんだん言葉を選ぶようになりますし、たまにバッシングされたりしますしね。

仲良しのママ友さんと月一回くらい遊ぶんですけど、そのときはうまく一人前になれたというか、“やらなきゃいけないことクリアしている感”があります(笑)。

我が子への試練で切なくなった卒乳

――卒乳のエピソードも、参考になるママが多そうです。お風呂の中でおっぱいにありつこうとする娘ちゃんの自我の芽生え(?)が印象的でした(笑)。

今でも覚えていますね〜(笑)。

自分を抑えようとする気持ちが見え隠れしていて。これはやっちゃいけないと思いつつ行っちゃうみたいな、葛藤している感。

子どもが試練を目の前にしているところを見て、そんな試練を私が与えちゃったなっていうのが切なかったですね。一方で成長をうれしくも思いました。

断乳に成功したときは、やっと「解放されたー!」って。「ビールだー!かんぱーい!!」みたいな(笑)。

でも、「これ成功しそうだな」って思うと、同時に余裕が表れるのか、寂しさも出てくるというか。こういう姿も見られなくなるのかっていうのを思うと、寂しかったのを覚えています。

育児ブログはブルースのようなもの!

――ブログは今も続けてらっしゃいますよね。コミックエッセイ化もするほど反響の大きいものになったわけですが、この育児ブログとの付き合いをどのように感じていますか。

育児って誰も見てないし、ひたすら地味な日常の繰り返しなんですよね。

出産する前は、憧れて『たまごクラブ』とか読んで「早くお母さんになってエンジョイしたい!」とか思っていたんですけど(笑)。女性としての喜びを感じたいって。

産んでみたら、実際は地味で自分の休憩時間も自由もそんなになくて。

新天地を求めて行ったはいいけど、その先には地味な労働=育児にしばられる毎日、というか。

それがブログのおかげで、辛くて大変なところを「そうだよねー、がんばろうねー」って共有できるので、重い気持ちを消化できるんですよね。労働讃歌みたいな?(笑)

大変なときってみんなで掛け声掛け合うじゃないですか。まさに“ブルース”ですよ。

黒人の人たちが奴隷開放で新天地を求めたけど、実際に生活するのはすごく大変で意外と困難の連続で。そんな中、唯一みんなで歌いはじめたら、それが楽しくて、“魂の開放”みたいな。

私にとってブログって、ブルースみたいな……大げさだけど、そんな感じかもしれないです(笑)。

まとめ

ナナイロペリカンさんは現在、『たまご絵日記 新米かあちゃん奮闘記』に描かれているタマコちゃんと、その後生まれた次女キミコちゃんのふたり姉妹育児に奮闘中。

現在も続く育児ブログの中から、長女タマコちゃんの出産から1歳くらいまでの成長がまとめられている本書は上記で紹介した部分以外にも思わず笑って共感できるポイントがいっぱい。

育児がつらいとき、笑って息抜きしたいとき……。ぜひ読んでみてください。きっと肩の荷がちょっぴりおりるはず!