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トレンド総研はこのほど、高齢者および家族の「低栄養」に関する意識・実態調査の結果を明らかにした。同調査は8月19日〜24日、70歳以上の男女300名と、70歳以上の高齢者と同居し、食事を提供している40〜60代女性300名を対象に、インターネットで実施したもの。

「低栄養」とは、エネルギーやたんぱく質など、健康な体を維持し活動するのに必要な栄養素が足りない状態のことを指す。自分ではしっかり栄養を摂(と)っているつもりでも「低栄養」になっているケースもあるとのこと。高齢者だけではなく、60代以下の若い人や中年男女、肥満ぎみであったとしても「かくれ低栄養」状態に陥ることがあるという。

今回、同社では高齢者が「低栄養」に陥ってしまう可能性を探るために、高齢者およびその家族を対象に、「低栄養」に関する意識・実態調査を実施した。まず、高齢者300名に対して「低栄養を知っているか」と尋ねたところ、「知っている」は、わずか21%にとどまった。

70歳を過ぎてから、食事の量や内容に変化はあったか聞くと、60%が「あった」と回答した。具体的には、「食事の量が減った」(76%)、「野菜を中心に食べるようになった」(49%)、「肉をあまり食べなくなった」(25%)、「食事を残すことが増えた」(12%)などが挙げられた。

食事においては粗食を心がけているかという問いに対して、44%が該当すると回答した。同社によると、高齢者の「粗食」は、かえってエネルギー量やたんぱく質の不足につながる場合もあるという。そこで、「低栄養」の説明をした上で、自分が当てはまると思うかを質問したところ、11%が「そう思う」と答えた。

70歳以上の高齢者と同居し、食事を提供している家族300名を対象に、「同居する高齢者の食事メニューに気をつかっていますか? 」と聞いたところ、71%が「気をつかっている」と回答した。

高齢者の食事は、介護や寝たきりなどのリスクにかかわると思うか聞くと、79%が「そう思う」と回答した。しかし、「低栄養」という症状を知っているか尋ねたところ、「知っている」割合は37%と4割弱にとどまり、6割以上の家族は、「低栄養」について理解がおよんでいないということがわかった。

「医療法人社団 悠翔会」理事長・診療部長の佐々木淳先生によると、高齢者が「低栄養」に陥りやすい要因は3つあるという。

まず挙げられるのが「生活能力の低下」。1人で買い物に行けなくなったり、料理ができなくなったりすると、おのずと食事の量が減り、十分な栄養が摂(と)れないという状況に陥りがちになる。

2つ目は「病気にともなって食べられなくなる」こと。例えばうつや認知症は加齢に伴って増える傾向にあるが、 これらの病気を発症すると「低栄養」に陥りやすくなるという。また、脳梗塞の後遺症などで、食べる力そのものが弱くなることもある。

3つ目は、「薬の副作用で食べられなくなる」というケース。睡眠薬や胃薬を服用することで、食欲が落ちてしまうという人は少なくないという。

データ上、一番「低栄養」になりやすいのは老年男性の一人暮らしで、その次は高齢者のみの老老世帯であるとのこと。しかし、家族と同居している場合でも「低栄養」に陥ってしまう可能性は十分にあるという。その理由について佐々木先生は「高齢の家族の食事量や体重が減っていても、年をとれば、それが普通と見逃されるケースが少なくないため」と述べている。

「家族に『年だから仕方がない』と見過ごされてしまうと、知らず知らずのうちに『低栄養』に陥り、本来よりも早いタイミングで健康を害したり、病気になったりする場合があります」と佐々木先生。高齢者と一緒に暮らしている家族は、食事量や体重の減少に気がついたら、早めに医師・保健師・管理栄養士などの専門スタッフに相談することをすすめている。

(フォルサ)