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年齢や時期によって、自分の性欲に差を感じたことはありませんか? ほかの女性と性欲について話す機会はなかなかないかもしれませんが、一般的に女性には、性欲が増す時期と減退する時期があることがわかっています。

今回は、性欲のピークや性欲が増減するメカニズムなど、「女性の性欲」をテーマにお話しします。

○男性の性欲のピーク

私たちの体内で性欲を起こす働きを担っているのは、主に、男性ホルモンの一種である「テストステロン」だと考えられています。

男性の場合、10代後半から20代前半にかけて、その分泌量がピークを迎え、その後、次第に減少していきます。したがって、10〜20代が男性の性欲のピークだと言えるでしょう。ただし、性欲には個人差も大きく、ホルモンの作用のほかに精神的な要因や脳の働きも関係しているため、一概には言えない部分もあります。

○女性の性欲のピーク

女性の場合はさらに複雑です。女性の体内にもテストステロンは存在していますが、20歳頃から40歳頃までは、テストステロン以上に、女性らしさを司(つかさど)る女性ホルモンの「エストロゲン(卵胞ホルモン)」が性欲に関係していると考えられています。女性の場合、テストステロンの分泌量は男性と同様に10〜20代にかけてピークを迎え、それ以降は40歳頃まで一定の分泌が続きます。一方、エストロゲンの分泌量は20代半ば〜30代前半がピークで、それ以降は次第に減っていきます。

つまり、テストステロンの分泌が多い10〜20代、エストロゲンが多い20代半ば〜30代前半は、女性にとって性欲が高まる時期と言えるでしょう。ただし、ホルモンの変動が大きい上に、恋愛やセックスにおいて男性以上に精神的な要因によって左右されやすいため、性欲のピークがいつかわかりにくい側面もあります。

一方、30代後半から40歳頃に女性の性欲のピークが訪れるという説もあります。これは、エストロゲンの低下によって、テストステロンの影響が相対的に優位になるためではないかと考えられています。また、人によっては、若い頃はセックスに抵抗があったのに、経験を重ねるにつれて開放的になり、性欲が高まってくるということもあるかもしれません。

○性欲が高まるのは、生理前ではなく「排卵前」

「女性は生理前になると性欲が高まる」とよくいわれます。女性ホルモンの変化で考えると、生理前はエストロゲンの分泌量が低下してくる時期なので、他の時期に比べて特別に性欲が高まるとは考えにくいです。

性欲が高まるとすれば、生理が始まってから約14日目に訪れる排卵日の頃。その直前に、妊娠に備えてエストロゲンの分泌量が急増するので、この時期に性欲が急に高まるのは自然なことと言えるでしょう。

○産後は授乳ホルモンの影響で性欲が激減

性欲が高まる時期があれば、減退する時期もあります。ストレスや悩みを抱える時期にも性欲は減退しますが、ホルモンバランスの変化が原因で性欲が減退するのが、出産した後です。

産後は、妊娠中には最大限に高まっていたエストロゲンが急激に減少します。加えて、「プロラクチン」というホルモンが分泌されるようになります。プロラクチンには、排卵を抑制して母乳の分泌を促す作用があり、この影響で性欲も減退すると考えられています。 また、この時期の女性は、夜間の授乳や赤ちゃんのお世話で疲れがたまりがち。産後は、ホルモンバランスの急激な変化のためにうつ気味になることも多く、精神的な要因が性欲の減退に関係している場合もあるでしょう。

上述のように、女性の性欲は、ホルモンのほか、心や体調、経験などさまざまな要因に左右されています。性欲が高まるときもあれば、どうしてもその気になれないというときもあるでしょう。男性とは異なる女性の性欲の感じ方について、パートナーにも理解してもらうことが必要かもしれません。

※画像は本文と関係ありません

○記事監修: 鈴木俊治 医師

葛飾赤十字産院 副院長
日本産婦人科医会 副幹事長
1988年長崎大学医学部卒業、日本医科大学付属病院産科婦人科学教室入局、葛飾赤十字産院産婦人科派遣をへて米国ロマリンダ大学胎児生理学教室へ研究留学。帰国後、日本医科大学産科婦人科学講師、学助教授、東京臨海病院産婦人科部長を経て、現在は葛飾赤十字産院にて副院長を務める。

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