2016年プロ野球・自分の壁を突き破った選手たち!

写真拡大

 「去年の自分を超えろ!」

 これは筆者が応援するヤクルトが“燕進化”のスローガンとともに掲げたキャッチフレーズだ。神宮球場周辺にはこのキャッチフレーズのポスターや“のぼり”が数多く見られた。しかし、残念ながらヤクルトでは山田哲人を除いて去年の自分を超えた選手はほぼいなかった。

 しかし、球界を見渡すと去年の自分どころか、長年の高き壁を乗り越えた選手、チームもたくさんある。今回は自分の壁を越えた選手たちを紹介したい。

(※成績は9月19日現在)

※野球の見方が変わるスマホマガジンでニュースやコラムが読み放題!

■横浜DeNAベイスターズ:初のCS進出

 12球団で唯一CSに進出したことがなかったDeNAが9月19日の広島戦で勝利し初めてCS進出を決めた。“苦節十年”のファンの喜びはひとしおだろう。TBSからDeNAに親会社が移ってから5年目でのCS進出だ。

 同時にDeNAは借金がある状態でのCS進出が濃厚なため、オフに“CS不要論”を含めたCS改革案の話に飛び火する可能性は高いだろう。しかし、ここはひとまずDeNA関係者、そしてDeNAファンにおめでとうの言葉を贈りたい。

■内竜也:26イニングスの壁

 入団3年目の2006年から中継ぎとして活躍してきた内竜也(ロッテ)。2011年からは守護神候補と幾度となく名前が挙がり、勝ちパターンの一角として信頼されていたもののケガが多く、1年を通じて働いたことはなかった。

 内はこれまで26イニングスを超えて登板したことがなかった(最高投球回数は2009年の26イングス)。毎年、図ったように25イニングスあたりで離脱。もしくは復帰しても25イニングス前後でシーズン終了と、“26イニングスの壁”が立ち塞がっていた。

 そして今季も6月18日に26イニングスに到達した矢先に故障が発覚。登録抹消された。

 今年も26イニングスの壁を越えることができないのか!?

 そう思われたが、9月2日に1軍で復帰登板。この登板でついに26イニングスを超えたのだ。その後も順調に登板している内はシーズン終了までに何イニングスを積み上げるだろうか。内の投球回数に注目したい。

【内竜也の年度別投球回数】
2004年:投球回16
2006年:投球回20.2
2009年:投球回26
2010年:投球回20
2011年:投球回24.2
2012年:投球回25
2013年:投球回25.2
2014年:投球回5.1
2015年:投球回21.1
2016年:投球回28.1(9月19日現在)
(※2005年、2007年、2008年は1軍登板なし)

■丸佳浩:20本塁打の壁

 圧倒的な強さでセ・リーグを制した広島は鈴木誠也、新井貴浩、菊池涼介など打の主役が日替わりで現れるほど好調だった。キャリアハイを更新する選手も多く出ている。その中で丸佳浩は、自分の壁であった20本塁打を3度目の正直で超えた。

 2014年、2015年と19本塁打で終わり悔しい思いをした丸だったが、9月17日の中日戦でついに20本目の本塁打を放ったかのように見えた。

 “放ったかのように見えた”と書いたのは中日のレフト・工藤隆人の上で観客がグラブを差し出し守備妨害が疑われてしまったからだ。しかし、審判団による協議の末、丸の本塁打が認められほっと一安心。

 「簡単に20本目は打たせない」という野球の神様の丸への試練だったのかもしれない。

 “去年の自分を超えろ!”というキャッチフレーズは響きがよく親しみやすいものだった。来年こそはヤクルトの選手たちも奮起してほしいものだ。“自分超え”を果たしたのが山田しかいないのは、やはり寂しい。

文=勝田聡(かつた さとし)

【関連記事】