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錦を飾れ 把瑠都(ばると)君!

2005年06月10日15時05分 / 提供:ライブドア・ニュース

錦を飾れ 把瑠都(ばると)君!
目を閉じ、心を静める把瑠都(ばると)さん (撮影:佐藤学) 写真一覧(2件)

7月名古屋場所 夢の十両を目指す パスポートをおかみさんに預けて

【ライブドア・ニュース 2005年06月10日】− 旧ソ連圏、バルト3国のひとつエストニアから、相撲取りになるためにやって来た20歳の若者がいる。身長197センチ、体重161キロ。力士仲間と比べても、まるでサイズが違う。土俵が小さく見えるほどだ。昨年の5月場所で初土俵を踏み、めきめきと力をつけて、今年の5月場所では、幕下東22枚目で6勝1敗の好成績を残した。7月の名古屋場所では、力士になった誰もが夢見る番付「十両」を目指して土俵に上がる。故郷に錦を飾るために今、猛げいこを積んでいる。

 朝げいこが終わった東京都墨田区の三保ヶ関部屋に、青い瞳のエストニア人力士、把瑠都(ばると)=本名カイド・ホーヴェルソン=さんを訪ねた。純朴で人懐っこい笑顔で迎えてくれた把瑠都さんに、相撲との出合いや目標を聞いた。

◆   ◆   ◆

─相撲に興味を持ったきっかけは。
「高校生のころ習っていたエストニア人の柔道の先生が相撲も教えていた。年に1回の相撲キャンプに参加し、2002年ユーロ・ジュニア相撲チャンピオンシップ大会で2位になり、表彰された。その年、大阪で開催された世界ジュニア相撲大会に出場し、2回戦敗退だったが、大阪の大学で相撲部のけいこを見学した。『これが相撲だ』と相撲の魅力にとりつかれた」

─エストニアで相撲は知られているのか。
「テレビのスポーツ番組で時折、大相撲が放映されているから、みんな見たことがある」

─三保ヶ関部屋入門のいきさつは。
「エストニアの相撲大会に同じ部屋の倉園力士のお父さんが見学に来られ、そのときに声をかけられた」

─決断するのはたいへんだったか。家族の反応は。
「妹はわたしが言葉も通じない遠い国に行くことを、たいへん心配していた。母は『自分で決めてごらん。若いうちはやり直しがきく』と励ましてくれた。実際、学校を卒業してもあまり働ける場所がなく、運良く職を得たとしても、月収は日本円で3−4万円程度。19歳になって、ナイトクラブでボディーガードなどのバイトをやったりしたが、プロになって好きな相撲がとれるのは大変な魅力だった」

─エストニアから1人で日本に来たのか。
「2人でやってきた。日大相撲部の合宿所に2カ月間、一緒に放り込まれた。毎日、『てっぽう』『しこ』『またわり』の連続で、相撲をとらせてもらえない。さすがに嫌になった。でも、言葉がまったく通じないため、黙ってやるしかなかった。その後、受け入れ先の、それぞれの相撲部屋で別々の生活が始まった。1部屋に1外国人力士という決まりがあるためだ」

─相撲界には慣れたか。
「最初は驚いた。14─15人が大部屋で寝起きを共にしている。慣れるのに1カ月ぐらいかかった。力士言葉も難しい。けいこ後、覚えた敬語で『オツカレサマデス』とあいさつしたら、先輩に『お疲れさんでございます』と直された。その夜、ローマ字で『OTUKARE SANDE GOZAIMASU』と何度も書いた」

─相撲界は上下関係が厳しいがカルチャーショックは。
「先輩後輩などの上下関係はエストニアの習慣にはほとんどない。はじめは戸惑った。出げいこに行ったとき、よその部屋の先輩がけいこ中、その後輩のちょんまげをつかんで引きずり回し、ほうきでお尻を叩く姿を見て、三保ヶ関部屋の所属で本当によかった思った」

─強くなるためにどんなことを考えているか。
「横綱朝青龍関がよく口にする、頭を使って相撲をとること。今日はどんなけいこを何の目的でやるのか。勝っても勉強、負けても勉強。負けたときは悔しいから、次の取組では絶対やっつけてやろうと考える。それと、相手が自分よりどんなに強くても、決して勝てないと思わないこと。相手の方が強いと少しでも思ったら、そのときから負けが始まっている。土俵に上がる前に負けてしまうから、絶対にそういう気持ちを起こさないようにしている」
ライブドア・ニュース 佐藤学

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