21日、中国の著名実業家が「日本のホテルで水道を出しっ放しにしてやった」とSNSにつづった問題に関し、「動漫週刊」編集長の鐘路明氏が日本女子バレーをけん引した大松博文氏と比較する文章を発表した。写真はリオ五輪の表彰台に立つ中国女子バレーの選手。

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2016年9月21日、中国の著名実業家が「日本のホテルで水道を出しっ放しにしてやった」とSNSにつづった問題に関し、「動漫週刊」編集長の鐘路明(ジョン・ルーミン)氏が日本女子バレーをけん引した大松博文氏(故人)と比較する文章を発表した。

問題の投稿は、中国の元卓球女王、王楠(ワン・ナン)さんの夫で不動産王の郭斌(グオ・ビン)氏が今月18日に中国版ツイッター・微博(ウェイボー)に書き込んだ。満州事変の発端となった柳条湖事件が起きたこの日は中国にとって「国辱の日」だ。郭氏の「日本へ行ったことがあるが、日本製のものは家電を含めて何も使ったことはない。日本のホテルでは水道を出しっ放しにしてやった」などという投稿に対して王さんも「いいね」と賛同し、大きな反響を巻き起こしていた。

鐘氏は「王楠夫妻の見苦しさと大松博文氏の品格」と題する文章の冒頭で、夫妻の行動を傲慢と断じた上で「この件で大松氏の存在を思い出した」と説明、今回のリオデジャネイロ五輪で中国女子バレーは金メダルを獲得したが、その発展を支えた大松氏のことを取り上げるメディアは少ないと指摘する。

1964年の東京五輪で日本女子バレーの監督を務めた大松氏は日本を世界一に導いた。鐘氏は「大松氏の指導の下で日本は世界女子バレー界で175連勝という奇跡を成し遂げた」とたたえ、「周恩来首相(当時)の要請を受けた同氏は1965年4月から中国女子バレーの指導に携わり、国内では見たことのないような訓練をしてくれた」と説明。「大松氏の指導により、中国に体系的なトレーニングと明確な目標がもたらされた」という。

その後、中国女子は1981年11月のワールドカップ決勝で日本を3対2で撃破、7戦全勝という強さで初優勝を決めており、鐘氏は「大松氏の存在がなければ中国女子バレーの発展はなかった」と同氏の貢献を改めてたたえた上で、「“偽愛国者”や “純粋愛国者”の考え方に照らし合わせると大松氏はとっくに日本人からののしられていただろう」と指摘。そして、最後に中国女子がセルビア代表と戦ったリオ五輪の決勝を取り上げ、「日本のテレビ局の解説者は中国の金メダル獲得に興奮し、多くの賛辞で中国をたたえてくれた。一方、王楠夫妻の一件で賛同のコメントを寄せた中国人は少なくない。どうやら、みっともないのは王楠夫妻だけではなさそうだ」と再考を促す一文で締めくくっている。(翻訳・編集/野谷)