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連載コラム『まるみえ家計診断! プロが教える改善のコツ』では、家計簿アプリZaim利用者の中から、家計やお金のことで悩む相談者の実際の家計簿データをチェック! お金の専門家が相談者へ改善のコツをずばっとアドバイスします。

【今回の相談者】 神奈川県にお住まいのtashiyさん(30)は独身一人暮らし。「とにかく貯金ができないんです……」とおっしゃるtashiyさんの現在の貯蓄は、現金でおよそ2万円。お仕事は専門職、年間のボーナスは0円とのことで、毎月の手取り収入は約21万円です。

【相談したい内容】
『自家用車もなく、特に贅沢をしているという意識はありません。貯金がないことに加え保険にも入っていないし、今のままでは将来が不安です。何かあったときのために少しでも備えておきたいと思うのですが、食費や通信費は削りたくないし……具体的にどうすればいいのかすらわからない現状です』

○『ここは抑えたくない』というカテゴリこそ見直しが必要!?

「貯金ができない」のが最大のお悩みというtashiyさんですが、家計簿をつけられるなど家計の悩みに対する行動はきちんと始められています。早速Zaimでの支出と収入データを確認しながら、今回も家計の専門家であるファイナンシャルプランナーの塚野玲子先生にアドバイスを頂きました。

全体的にお悩みが深刻なtashiyさんですが、まず手をつけるべきところはどこでしょうか?

塚野先生「まず気になるのは支出のシェアが30%を超えている食費です。おそらく外食の機会がとても多いのではないでしょうか。もしくはお惣菜やコンビニ等を利用することも多いのかもしれませんね。食費はしっかり抑えたいポイントではありますが、現状の生活パターンのままコストを下げてしまうと健康面に不安が生じます。病気になって治療費がかかっては意味がありませんので、『安易に食事回数を減らす』等は避けてください。最初は難しく感じるかも知れませんが、ここを頑張って自炊にすることで健康的に支出を抑制したいですね」

前回の大家族の家計診断でも、やはり外食のコントロールが肝心! という助言がありましたね。栄養面をきちんと整えつつ、食費を抑えていくためには思い切った生活の変化が必要になりそうです。他に気になるカテゴリはどこでしょうか。

塚野先生「ご自身が『削れない』とおっしゃっていた項目のもう一つに携帯代がありました。ただ、ここも全体の支出からすると手を入れるべきカテゴリです。通話代が多いのか、ゲームやインターネット等の通信費が高いのか。内容によってはプランを見直すなど、この機会に見直してほしいところです」

なるほど、tashiyさんご自身の生活リズムが大きく現れやすいのが、食費と通信費とも言えるのですね。そのため、少しずつの心掛けでも効果が見えやすいとも言えるかもしれません。また、支出一覧の中で「その他」カテゴリが6万円を超えるなど、使途不明金も多いのも気になるところ。このあたりも内容をしっかり把握することで、支出のバランスを調整できる可能性があります。

○まずは生活を見直して、しっかりと貯蓄できる仕組みづくりを

将来のことを踏まえた場合、tashiyさんは具体的にどう行動を起こしていけばよいでしょうか?

塚野先生「金融広報中央委員会のアンケート(家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 平成27年調査結果)によると、年収300万円未満で貯蓄なしと言う方は55%半数以上です。しかし言い換えると、45%の方は貯蓄をされているとも言えます。とにかく、まずは『貯蓄0円』から抜け出すことで、ご自身の不安を解消することが大切です。例えば、食費2万円、携帯1万円の削減をひとつの目標としてください。また、『その他』にある使途不明金もきちんと洗い出してみましょう。通常の場合、使途不明金なら1万円は削減できます。まずは月3万円から、最終的に5万円の貯金を目指しつつ、長く貯金を続けていきましょう」

tashiyさんは保険に加入されていないことも、一つの不安だとおっしゃっています。

塚野先生「どのようなお仕事かにもよりますが病気やけがについて心配、という場合は加入も検討が必要です。共済保険も一つの候補として考えてみてはどうでしょうか。都道府県によってプランが異なりますが、60歳まで保険料は変わらず、2,000円で入院や手術、死亡時にも300万円ほど保障されるものがあります。また、生命保険は、自分が万が一の場合にお金を残したい人がおられる場合以外は、今のところ不要だとも言えます」

現状の不安を少しずつ解消するためにも、ご自身の支出が『消費なのか? 浪費なのか?』を考えてムダを省いていくことから、行動を始めてみてはいかがでしょうか。まずは家計簿を1カ月だけでも、正しく詳細につけてみることがオススメです。

ご自身の生活の中でどこにどんなふうにお金が使われているか正しく認識することで、何かしら改善のヒントを見つけられるはずです。Zaim等家計簿アプリでは1週間単位でもカテゴリごとに振り返ることができるので、小さな気づきを行動にうつしていってみると良いですね。

○家計診断協力

塚野玲子
ファイナンシャルプランナー(CFP認定者) 資格学校や生命保険会社でファイナンシャルプランナー向け研修を長年担当した後、2000年から生活者を対象としたセミナーや個別相談を開始。2015年から日本FP協会広報スタッフとしてFP相談、FPコラムなどの執筆を担当。通算講義時間は3000時間超、ファイナンシャルプランナー歴は20年に及ぶ。日本FP協会CFPのメンターとして、学科試験合格者に対する実務研修にも従事。「知って得する情報を提供、やって良かったと喜ばれる改善策をサポートすること」がモットー。
○執筆者

綿島琴美
1982年生まれ。Android、iPhone、iPadやWebから利用できる日本最大級の家計簿サービス「Zaim」にて、ユーザーへの家計サポートを行う。レシート自動読取り機能や銀行とのデータ連携など、アプリを活用した家計の仕組みづくりを提案。初の監修本『Zaimのシンプル家計術』(ナチュラルライフ編集部編、税込み842円)が学研プラスより好評発売中。日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 AFP。

(綿島琴美)