スイーツ芸人が教える“甘いもの” vol.013

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【毎週水曜日 10:00 更新】
よろスィーツ! スイーツ芸人・ナカノタカフミです。年間500軒以上食べ歩くスイーツマニアの僕が本当においしいと思ったナイスィーツを厳選して紹介します。9月は、最高のパフェがいただけるお店をピックアップ。第3弾は、月替わりだから見逃せないデコラティブパフェです。

◆同じ味は二度となし。食べたいと思ったらすぐ行こう!毎月変わる季節のパフェ

パフェを考察する上で大事な点は、味はもちろんのこと、その容姿も大切なひとつ。
パフェはスイーツのなかでも見た目から芸術性を感じさせやすいものが多く、作り手のこだわりが多く見られると考えています。

パフェ愛好家の間でも人気が高い「ビヤンネートル」のパフェは、月ごとに変わる季節のパフェを出しています。良心的な値段でありながら、味の完成度は高く、佇まいに魅了させられる美しさです。

9月は旬の無花果(いちじく)を使ったパフェで、ひとあし早く秋の訪れを感じる味となっています。



コーヒーか紅茶が選べるセット付き。コーヒーには堀口珈琲の豆を使用!「無花果とローズヒップピーチ」1080円

まるで美術館にきたような、きらびやかなヴィジュアルですよね。うつくスィーツ!!

まず、ビヤンネートルのパフェの特徴として、底がひろいワイングラスを使っていること!
これは食べながら底の方へいっても、いろんなパーツが混ざり合って最後まで味のグラデーションが楽しめるように、というシェフの気遣いなのです。

ひとつの器ですが、食べるひとのことを想う気持ちがうれスィーツ!



ピンク色のパーツは、アーモンドの砂糖がけ。ほんのりとやさしい甘酸っぱさを感じる、フランボワーズ味

彩り豊かに飾られたトップからは、生クリームと果実のフレッシュさが楽しめます。
生クリームの甘さが控えめなので、無花果とフランボワーズがもつ素材の甘さもなめらかに引き立ちます。ヌガーのパリっとした食感もアクセントになって、ナイスィーツ!



無花果のコンポートと無花果のジュレをかけあわせた贅沢なくちあたり!

無花果は赤ワインで煮詰め、コンポートになっています。
柔らかく肉厚あるくちあたりで、ほんのりと色っぽい甘さにうっとり。



底にはスポンジもあり、生地に無花果のジュレが染み込むようになっている!

外から見える茶色のソースは、無花果のジュレ!
そして、なんといってもローズヒップソルベの香りが豊かで、と〜ってもナイスィーツ!
ソルベとジュレを合わせると艶のある甘さになり、大人の風味。キャラメルソースやバニラアイスもあり、最後のひとくちまでテーマパークのようにさまざまな味の変化が楽しめます!



中林シェフとお話していて、ボクは「ビヤンネートル」がとても好きになりました。
お店で使うものは、シェフが自ら現地まで行って直接農家の方とやりとりして新鮮な素材を仕入れているそうです。以前は色付きのワイングラスでパフェを作っていましたが、透明のグラスに変えたのは果実をより美しく見せるため。
商品にも生産者の気持ちを汲み取った作り方をしているんです!

お店づくりにも地元の方が入りやすいような落ち着いた雰囲気を意識しています、とシェフ。
パフェの値段を抑えめにしてあるのも、また次のパフェを楽しみにして足を運んでもらえやすくなるようにという気持ちがあるから。
ひとつのパフェにも、たーっくさんの気持ちがつまっているんです。

あらためて、物語性があるものって、とても素敵だなと感じた一日でした。



TEL:03-3467-1161
東京都渋谷区上原1-21-10 上原坂の上21番館1F
営業時間:11:00〜20:30
定休日:不定休
席数:10席
アクセス:代々木上原駅より徒歩4分
カード利用可 予約可
完全禁煙

◆文/スイーツ芸人 ナカノタカフミ


東京NSC16期。早稲田大学第二文学部卒業。特注オーダーしたというBigなパンケーキ帽がトレードマーク。「三度の飯よりスイーツが好き!」という芸人の中ではいちばんのスイーツマニアで、特に好きなのはチョコレート。年間500軒以上を食べ歩き、今までに巡ったスイーツショップは2000店以上にものぼる。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。日本スイーツ協会認定スイーツコンシェルジュ会員。

WRITING&PHOTO/ナカノタカフミ ILLUSTRATION/HONGAMA