妙なプライド捨てて、ガツンと行ってみな(イラスト・サカタルージ)

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「男はケダモノ(獣)、女はクダモノ(果物)」という言葉がある。英語でも「Men are brutes(ブルーツ=野獣),Women are fruits(フルーツ=果物)」という表現があるそうで、女性は男性の欲望の対象になるが、ことセックスに関するかぎり控えめで性欲は薄いという考え方が一般的だ。

ところが、最近の研究では、男性が思っている以上に女性はセックスに関心が強く、夫は妻の欲望を過小評価していることがわかった。あなたに身に覚えはないだろうか?

夫は妻の性欲を常に実際より過小評価している

この研究をまとめたのは、カナダのトロント大学とウエスタンオンタリオ大学の合同チーム。2016年5月、心理学専門誌「The Social Psychology of Emotional and Behavioral Problems」に発表した。

研究チームは、男女間における性欲のレベルと満足度の違いを調べるため、18歳から68歳までの男女ペア229組(夫婦またはパートナー関係)を対象に3つの調査を行なった。対象者は交際し始めてから平均6年で、週に平均で1〜2回のセックスをしていた。この229組を3つのグループに分け、それぞれ次の方法で調査を行なった。

(1)84組のカップル:研究室に来てもらい、ペアのそれぞれに「自分の性欲のレベルはどのくらいか」「パートナーの性欲のレベルはどのくらいと思うか」「セックスを含む関係にどのくらい満足しているか」について、心理学の調査票をもとに答えてもらった。あとで研究者がペア間の答えの違いを分析した。
(2)44組のカップル:ペアにそれぞれ3週間、日記をつけてもらった。記録したのは、(1)と同じ「自分の性欲のレベル」「パートナーの性欲のレベル」「関係の満足度」だが、毎日克明に書いてもらい、あとで研究者が一日ごとのペア間の認識の差を分析した。
(3)101組のカップル:(2)と同様に、ペアにそれぞれ3週間、日記をつけてもらった。(2)と違うのは、記録する内容にさらに「セックスを拒否されたくないという気持ちがどのくらいあったか」を追加したことだ。

日記までつけさせるという、実に細かく男女間の心理に分け入った調査である。この3つの調査からまったく同じ結果が出たというから面白い。

(1)男性は、女性の性欲が高い場合でも、それを認識せず、常に女性の性欲のレベルを過小評価している。
(2)一方、女性は男性の毎日の性欲のレベルを正確に察知していた。
(3)男性が、女性の性欲のレベルが実際より低いと過小評価した日は、女性は関係に満足していると回答していることが多かった。これは、男性が女性に対し「その気がない」と不満に思っている日に、女性は「その気満々」であることがよくあるという意味のようだ。

妻をその気にさせようと努力した日は妻も嬉しい

つまり、女性はセックスを望んでいるのに、男性は「その気がない」と思い込んで行動に出ないばかりか、自分の欲望と心理まで女性にすっかり見透かされているわけだ。

どうして男女間で、これほどのすれ違いが生まれるのだろうか。どうやら、第3のグループの日記につけ加えた「セックスを拒否されたくないという気持ちがどのくらいあったか」という質問にカギがあるようだ。研究リーダーのトロント大学のエイミー・ミューズ博士は、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙の取材に対し、こう分析している。

「男性が女性の性欲を過小評価するのは、セックスを拒否されるのを避けたいと思う心理が働くからです。夫が要求を妻に拒否されると、夫は落ち込んだり、怒ったり、妻も不愉快な思いをしたりします。妻に性の関心がないと想定すれば、このマイナスの心理スパイラルを回避できます。(日記などで)男性が女性にその気にさせようと努力している日は、女性の満足度が高いのです」

独りよがりに陥っている夫の独り相撲を妻はしっかり見ているのだ。さあ、土俵に立ったあなた、怒涛のガブリ寄りを見せてやろうではないか。