「フランダースの犬」はこんな物語

ベルギーを舞台にしたイギリス人作家による児童文学

フランダースの犬は、イギリス作家ウィーダが19世紀頃に発表した、ベルギー北部のフランドル地方を舞台とした美術と貧困や家柄の格差を書いた悲劇の児童文学です。

※余談ですが、著者は最近までアニメで水車が出て来ている事からオランダが舞台だと勘違いしていました。

ストーリー

もはや知らない方のいない名作中の名作なのですが、改めてフランダースの犬のストーリーを大まかにまとめさせていただきました。

皆様ハンカチまたはバスタオルを用意して下さい(笑)

パトラッシュとの出会い

ベルギーの地方に祖父と暮らす少年「ネロ」はミルクの運搬業で生計を立てるも貧しい生活をしています。彼には唯一の親友の女の子「アロア」がいましたが、彼女の父親を始めとする周囲の人々はネロの低い家柄や貧しさを快く思っていませんでした。
そんなネロの夢は画家になる事と、アントワープの聖母大聖堂にあるルーベンス作の二つの祭壇画を見る事でした。

ある日、ネロは金物屋に虐待に近い扱いを受けて瀕死になっている大きな犬「パトラッシュ」と出会い、保護した後一緒に暮らし始めました。

ますます苦しくなる生活

やがて月日は流れ、病気がちだった祖父が亡くなったりライバル業者に仕事を奪われたりと、ネロの生活はますます厳しくなり家賃を滞納するまでになってしまい辛い日々をパトラッシュと身を寄せ合いながら過ごします。
そこでネロはクリスマス前日に行われる絵画コンクールに入賞して起死回生を計ろうと、渾身の力で絵を描き上げます。

濡れ衣を着せられ家を出される

ところがある日、風車小屋が家事になってしまうとネロは周囲から放火の濡れ衣を着せられてしまい更には家賃も滞納していた事もあり、クリスマス前日に住んでいた家をパトラッシュと一緒に追い出されてしまいました。

夢を打ち砕かれ…

更に追い討ちをかけるかのように、望みを託していた絵画コンクールの結果は落選。
行く宛もなく雪の降りしきる中を歩いていると、パトラッシュが道に落ちていた財布を拾います。その持ち主はアロアの父親でありネロを追い出した張本人でしたが、ネロは素直に財布をアロアの家へ送り届け、代わりに愛犬のパトラッシュを一家に託して再び雪の中へ消えていきました。

最後の夢を叶える

やがてネロはアントワープ大聖堂に辿り着き、真っ暗な聖堂の中で佇んでいました。
するとネロの後を追ってきたパトラッシュが駆け付けると雲の間から月の光が差し込まれ、夢にまで見ていた二つの祭壇画を見る事ができたのです。
そしてそのまま力尽きたネロとパトラッシュは天に召されていったのです。

日本語に訳されたときに…!?

次に上記のストーリーで流した涙が吹き飛んでしまうような驚きのエピソードを紹介します!

登場人物が日本名に!

フランダースの犬は明治41年に牧師兼翻訳家でもあった日高柿軒(ひだか しけん)さんによって日本で知られるようになったのですが、この当時は西洋の名前を覚えるのが難しいだろうという日高さんの判断によって登場人物はすべて日本名に変更して翻訳されたそうなんです!

ネロ=清

主人公ネロの日本名は「きよし」と変更されました。
何故この名前が名付けられたかというと答えは簡単!
当時は男の子に「清」と名付ける親が多かったからなのだそうです。

パトラッシュ=斑

準主役でもある愛犬パトラッシュの日本名は「ブチ」に変更されました。
こちらも当時の犬につけられていた名前の定番だったのでしょうか?

ジェハンじいさん=徳爺

ネロのお祖父さんの名前は「とくじい」に変更されました。
なんだか爺と付くとじいやみたいになりますね(笑)

アロア=綾子

ネロの唯一の親友の女の子、アロアの日本名は「あやこ」に変更されました。
現代でも人気のある名前の一つでもありますね!

パトラッシュの犬種は?

日本で放映されていたアニメを見る限りだと、パトラッシュはセントバーナードなのではないかと思われていますが、原作でのパトラッシュは「ブービエ・デ・フランダース」というベルギーの犬種なんです。
だから「フランダースの犬」なのですね!

ただこの犬種は毛むくじゃらの為、日本でアニメ化する際に親しみを持たれるようにセントバーナードや和犬を参考にしてオリジナルで描かれたのです。

ベルギーでは有名ではなかった!

そんな日本では大ヒットしたフランダースの犬ですが、一方で舞台となったベルギーでは人気が出なく、知らない人の方が多いのです。
その理由は主に3つありました。

そのー膺邑の年齢

アニメでは幼く描かれていますが、原作においてのネロの設定年齢は15歳とされています。
欧米では、この年齢の子をある程度一人前扱いする考え方があるので、あまり児童文学として有名にならなかったのです。

その国のイメージを損なう

また地元ベルギーの人達は、主人公が若くして身寄りを亡くし貧しさと空腹と寒さで死んでしまう話に対し、
「私達の国では飢えで苦しむ子を死なせるような残酷な事はしない!」と国柄を否定されるような設定に怒りを持たれてしまったのも理由の1つだそうです。

そのH畄爐嫌い

そして人気の出なかった理由の最後に挙げるのが「悲劇的な内容」でした。
欧米の物語は紆余曲折がありながらもハッピーエンドになるのが好まれるのですが、ご存知のように最後まで主人公が悲劇なまま亡くなってしまう内容が受け入れ難かったのです。

まとめ

イギリス人作家によって生み出された名作「フランダースの犬」は日本では親しみやすい名前に変更して出版したりアニメ化するなどして大ヒットになりましたが、舞台となったベルギーでは様々な理由により有名にはなりませんでした。

ですが、ベルギーでは近年になり舞台となった場所に沢山の日本人観光客が押し寄せた事から、今や地元では町おこしの一環として観光地になっているんです!
最後にその一部を紹介したいと思います。

聖母(ノートルダム)大聖堂

住所:Handschoenmarkt
TEL:32 (0)3 213 99 51
開館時間:月〜金曜10:00〜17:00、土曜10:00〜15:00、日曜祝日13:00〜16:00、祝日前日10:00〜15:00
入館料:5ユーロ、12歳以下は無料

※教会の前にはトヨタが寄贈した記念塔があります。

ネロとパトラッシュの銅像

住所:Kapelstraat 3

アントワープの中心地からトラム(2か4番線)に乗ること20分。ホーボーケンは終点です!