南ヨーロッパ、地中海にちょこんと浮かぶ島国マルタ共和国は、たった40万人の人口を持ち、東京23区の半分ほどの面積だけの本当に小さな島国です。

けれど、小さいからとあなどるなかれ。

ヨーロッパ、アフリカ、アジアを結ぶ貿易ルートの非常に戦略的な位置のためか、数多くの侵略(ローマ帝国、イスラム帝国、オスマン帝国、フランス、スペインなどなど)や支配を受け、他国との盛んな文化交流を紀元前から重ね続けた結果、今では異文化が入り乱れ、かつ見事に凝縮した非常に魅力的な島国として成り立っています。

絵画や映画で見るようなヨーロッパの典型的な田園風景や街並みを期待してマルタ共和国を訪れると、とてもいい意味で裏切られます。

着陸前の上空から見ると、乾いた砂地やサボテン畑がどこまでも広がり、家々と言えばその砂地がそのままぽっこり盛り上がったような黄土色で統一されていて、ヨーロッパというよりも、アラビア諸国の風景を目の当たりにしているような気分になります。

質素かつ洗練された装飾の家々は、迷路のように入り組む小道を挟み、午後の涼しいそよ風を軒先で楽しむ地元民たちが、「Hello!」と気軽に英語であいさつしてくれます。

気がづけばあなたの目の前には大海原が広がっていて、異世界で味わう心地よいめまいを長引かせてくれます。


歴史の波に翻弄され、頑なに自国を守り続ける国民の住む、マルタという小さな島国の運命に想いを馳せるのもこの瞬間です。

以上の印象や光景に正当性を与えるものの1つは、マルタ共和国の気候。

夏は暑く乾燥気味、冬は寒くても10度を下回ることはほとんどなく、ヨーロッパ諸国では当たり前のオイルヒーターなどの暖房器具を屋内で見かけることもありません。

地中海の鋭い太陽の日差しは、あなたの肌にも記憶にも、くっきりと刻み込まれることでしょう。

季節を問わず楽しめるマルタ共和国、通り一遍じゃないヨーロッパ旅行を語るなら、外せる行先じゃありません。

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