2016年9月20日
TEXT:小川 浩(シリアルアントレプレナー)既に日本国内の発売が始まり、なかには希望のモデルを手に入れた読者も多かろうと思う。残念ながら、どうやら最人気モデル(iPhone 7 plus ジェットブラック256GB)を選択してしまった筆者は、最悪11月まで入手を待たねばならないようだ。

というわけで実機を試せていない以上、レビューを書くわけにはいかない。そこで、今回はiPhone 7シリーズが、Appleの、いやスマートフォンの進化の家庭における意義を考えてみたいと思う。

まずiPhone 7が売れるか?という問いについては、日本市場では間違いなく売れる、と断言しよう。iPhone 5や5sユーザーの買い替え時期にもタイミングが合うし、思った以上にFelica対応は消費者に待ち望まれていた機能であるからだ。

防水機能はどうかというと、もちろんそうである方がいいに決まっているが、海やプールの中に積極的に持ち込めるほどの完全防水ではないので、それが売れ行きを左右するほどのメリットではない。購入後、トイレなどに落としてしまったときに、そのありがたみを知る程度だろう。

防水機能を得るためという言い訳も聞こえていたイヤホンジャックの廃止は、専用のイヤホンが使える以上、デメリットにはなりづらい。そもそもiPhoneでそれだけ音楽を聴きたいユーザーはBluetoothヘッドホンなどを既に選び始めている。逆に言うと、イヤホンジャックの廃止はかつて初代iMacがフロッピーディスクドライブを省いたときと同じくらい、結果的に消費者に受け入れられ、やがて全てのイヤホン・ヘッドホンメーカーにBluetooth対応を標準機能として強要することになるだろう。

iPhoneを始めとするスマートフォンは、今では完全にコモディティとなっており、その大きさは基本的な概念を変えないかぎりは、新機能で人々を驚かせるようなことは難しい。その意味で、今回のiPhone 7シリーズは、競合するAndroidスマホが既に実用化している技術や機能にキャッチアップしたにすぎないが、逆に言うと洗練されたUIや統合された基本的なサービス自体は、iPhoneは未だAndroidより遥かに進化しており、対抗勢力に与えていた攻撃材料を潰しにかかった今回の戦略を評価している。

ホームアイコン

スマートフォン本体としては、既に熟成するだけであり、今後しばらくはスマートフォンというカテゴリに収めている限りは、さほど大きな変化はない。今後の進化のポイントは、スマート化する自動車や家屋、あるいは社会インフラとのインターフェイスとしての役割にかかっている。

実は新しいiOSには、ホームというアイコンが加わっていることに気づかれたろうか? これは、照明や玄関の鍵、エアコンやテレビ、その他スマートハウスが備えていくであろう、スマホによって制御・管理できるユーティリティの登録アプリである。

現在、iPhoneにはCarPlayというアプリが備わっており、一部のハイテクカーのナビやオーディオの完全制御が可能になっている。残念ながら未だにこのCarPlay対応の車両が少ないことが問題だが、AppleはGoogleの自動運転技術とは若干異なり、iPhoneによって自動車を管理・制御する方向を目指していたようだ。

そういう進化の方向を考えていくと、iPhone 7シリーズは、スマホ単体としての進化の最終系(今後熟成を深めていくとしても)であり、スマートデバイスのハブとしての進化の、スターティングポイントと捉えられる。そう考える。

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おがわ・ひろ●シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。

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