WEEKLY TOUR REPORT
米ツアー・トピックス

 PGAツアーの2015−2016シーズンも、最終戦のツアー選手権(9月22日〜25日/ジョージア州、イーストレイクGC)を残すだけとなった。

 そうした中、来季のメディカルエクステンション(公傷制度)が確定した。正式発表は最終戦終了後となるが、PGAツアーのコンペティション部門に取材したところ、詳細が明らかになった。

 実は、このメディカルエクステンションの詳細はかなり複雑なもので、PGAツアーからの情報も錯綜していた。私も長年PGAツアーを取材しているが、正直、正確な情報を得るのはこれまでも相当苦労させられてきた。そのため、メディカルエクステンションを申請していた石川遼の、来季出場できる試合数やその算出方法、出場試合のカウント方法など、以前にお伝えしたものとはやや異なる点があることについては、ご容赦いただきたい。

 まず、2月のウェイスト・マネジメント・フェニックス・オープンを最後に、腰痛によって欠場していた石川遼が、このメジャー・メディカルエクステンションを受けられることは確定した。

 メディカルエクステンションには、「メジャー」と「マイナー」の2種類があるが、その違いは来季の出場資格の順番である。メジャーとなれば、PGAツアーの大会出場資格が上から22番目となる。フェデックスカップ・ポイント125位までの選手たちが19番目(賞金ランク125位以内の選手が20番目)ゆえ、ほぼフルシードと言える。

 一方、マイナーと認定された場合は、29番目となる。メジャーとマイナーの間には、現在、岩田寛が戦っているウェブドット・コムツアーのファイナルズを勝ち抜いた50名も入ってくるので、メジャーと比べると出場できる試合はかなり減ってしまう。

 メジャー認定は4カ月間以上戦線離脱した選手が受けられるもので、ケガの具合や諸条件をかんがみて、ティム・フィンチェムPGAツアーコミッショナーが個別に判断する。

 前述したとおり、正式発表はこれからだが、メジャーのメディカルエクステンションを認定された石川。来季の出場可能試合数は、19〜20試合程度となりそうだ。これは、石川の今季出場資格であるフェデックスカップ・ポイント125位以内というカテゴリーの選手の、今季の平均出場試合数から算出されたもの。この試合数が25〜26試合で、そこから、今季石川がケガで戦線離脱する前に出場した6試合が引かれて、19〜20試合となる。

 2016−2017シーズンの開幕戦は、10月13日から始まるセーフウェイ・オープン(10月13日〜16日/カリフォルニア州)。石川は開幕戦からプレーしなければいけないという規定はなく、自分の持ち試合数を自分のペースで出場していけばいい。開幕戦と同じ週には日本の国内メジャー、日本オープン(10月13〜16日/埼玉県)が行なわれるが、石川がそちらに出場することは問題なく、それによって、PGAツアーに出場できる試合数が減らされることもない。

 来季米ツアーに参戦し、石川が第一に目指すのは、今季のフェデックスカップ・ポイント125位である454ポイントの獲得。もちろん、今季出場した6試合で獲得した55ポイントはそのまま維持されるので、残り19〜20試合で399ポイントをマークすることが当面の目標となる。

 また、このメジャー・メディカルエクステンションの出場資格は、4大メジャーや世界選手権シリーズ(WGC)、一部の招待試合(メモリアルトーナメントやアーノルド・パーマー招待など)を除いて、ほぼ全試合に出場可能だ。

 開幕戦以降、年内はアジアを舞台としたCIMBクラシック(10月20日〜23日/マレーシア)、WGC−HSBCチャンピオンズ(10月27日〜30日/中国)の2試合に、北米で行なわれるサンダーソン・ファームズ選手権(10月27日〜30日/ミシシッピー州)をはじめ4試合、計6試合が行なわれる。アジアシリーズ以外は、上位選手たちがオフを取ったり、他のツアーに参戦したりと、PGAツアーの大会でプレーしないケースが多い。そういう意味では、ここがポイントを稼ぐ大きなチャンスと言えそうだ。

 7月の日本プロ選手権で戦いの場に戻り、復帰2戦目のRIZAP KBCオーガスタで見事優勝した石川。日本ツアーで足慣らしをして、今や完全復活を印象づけている。石川自身、その手応えを十分に感じているようだ。

「試合で思い切り振っていっても、痛みがなかった。試合に出ていない間、これだったら(ツアーでも)戦えると思っていたラインまできて、それが間違っていなかったことがわかった」

 石川のPGAツアー復帰戦はまだ決定していないが、早ければマレーシアのCIMBクラシックか、あるいはその翌週のサンダーソン・ファームズ選手権が予想される。ファンにとっては、日本ツアーで活躍する石川も魅力だろうが、やはり世界の舞台で奮闘する姿を見てみたい。

 まもなく訪れるであろう、その瞬間を楽しみにしたい。

text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
photo by PGA TOUR