ほぼ毎晩私達の頭上に現れる月。その誕生は地球へ隕石が衝突し、その時発生した破片が集まってできたものとの説が有力です。しかし最新の研究によると、その隕石の衝突の衝撃は過去の想定よりも遥かに大きかったようなんです。
 
これまで月を形成した隕石の衝撃はそれほど大きくなく、地球の形を大きく変えなかったとされていました。しかしネイチャーに報告された最新研究によると、この衝突は地球の大部分と隕石を破壊するほど大きかったというのです。そして、その破片の大気が冷却されることで現在の地球と月が形成されました。
 
今回の学説を発表したのは、ワシントン大学のKun Wang氏です。Wang氏と研究チームは、7つの月の岩石と8つの地球の岩石を測定して、今回の研究を発表しています。
 

 
1970年代の学説では、月の80%は地球に衝突した隕石から形成されたとされていました。しかし月の構成物質の多くが地球と同一なことがわかるにつれ、その説には疑問符がつくようになります。そしてその後、衝突によって飛散した地球と隕石の両方が宇宙空間に放出され、やがて月が形成されたという「ジャイアント・インパクト説」が2007年に提唱されます。
 
しかしWang氏が地球と月の岩石を測定したところ、月の岩石のほうがカリウムの同位体である「K-41」を多く含んでいました。地球と月の重量差を考えると、より軽いK-39が月に多く存在している方が自然なのに、です。
 
そこで、Wang氏によればより重いK-41が月に多く存在している理由は「隕石の衝突があまりにも強烈で、地球の大部分が蒸発したから」なんだそうです。この超強力な衝突により地球由来のカリウムはほとんどが蒸発し、月を形成することになります。
 
ただし、今回の研究については「そう結論付けるには早計すぎる」と語る科学者もいます。また、月の岩石のサンプルが月の物質構成と正確に一致していないのでは?という意見もあります。おそらくこの学説により真実味を持たせるには、より広範囲な月からのサンプルが必要となるでしょう。今後の月探査によって、月の思わぬ誕生の秘密が明らかになるかもしれませんね!
 
Image Credit: Dana Berry/SwRI
■The planetary collision that formed the Moon may have been way more violent than we thought
http://www.theverge.com/2016/9/12/12879766/moon-planetary-collision-theory-earth-impact?utm_source=rss&utm_medium=rss