写真提供:マイナビニュース

写真拡大

ハンバーガーやピザなどのいわゆる「ジャンクフード」が好きな人は多い。ビールとセットになろうものなら、至福の時間を経験できるが、やはり食べすぎはよくないようだ。

海外のさまざまなニュースを紹介する「MailOnline」にこのほど、「ジャンクフードと心の病の関係」を調べた研究を紹介するコラムが掲載された。ジャンクフードを過剰摂取すると、ビタミン・ミネラルが不足し、「心の病」を引き起こしてしまう可能性が指摘されている。

「素材から作った物を食べる食習慣からジャンクフードや持ち帰り用食品を食べる食習慣に変化することで、心の病や抗うつ病薬剤の処方が劇的に増えた」とニュージーランドのカンタベリー大学ジュリア・ラックリッジ博士は語る。

ラックリッジ博士は栄養とうつ病、不安定神経症、ADHD、月経前症候群(PMS)、PTSD(心的外傷後ストレス障害)のような疾患との関係を研究しているが、ジャンクフードを好む人は十分な栄養が摂取できていないと指摘する。

ラックリッジ博士の研究チームは、ビタミンA,C,D,E,Bやシアミン、リボフラビン、マグネシウムなどを含んでいる市販の総合ビタミン剤が、心の病の助けになるかどうかを研究している。

研究に参加した人の60〜80%は、人の発達や代謝機能を適切に維持するために必要なビタミンやミネラルといった微量栄養素を服用したが、この研究により以下のことが判明したという。

■ 高品質魚油は新しい脳細胞を作り、身体の炎症を抑える作用がある
■ S-アデノシルメチオニン(SAMe)は人のムードを調整する作用がある
■ アミノ酸であるN-アセチルシステインは双極性うつ病や統合失調症、強迫行動などを抑える作用がある
■ 果物や野菜、シーフード、オリーブオイル、ナッツ、豆類を豊富に食べるいわゆる「地中海式食習慣」を身に着けることで、うつ病と不安定神経症に罹患(りかん)するリスクが下がる

また、ADHDの兆候のある人にサプリメントを8週間投与すると、64%の人がその兆候が減ったが、対照薬(プラシーボ)を投与された人は37%しか兆候が減らなかった。

2011年のクライストチャーチでの大地震を経験した、高いストレスレベルにある人を対象とする研究も実施された。ビタミンとミネラルを投与された人はPTSDの兆候が65%から19%に減った一方で、ビタミンとミネラルを投与されなかった人はPTSDの兆候が44%から48%に増えていたという。

これらの結果から、サプリメントはADHDとPTSDの予防に効果的なことが示唆された。ただ、ラックリッジ博士は「サプリメントが脳によいということには自信を持っているが、どのようなメカニズムで栄養素が心の病のリスクを下げているのはわからない」とコメント。それでも、地震のような大災害が起こった後には、政府はビタミンとミネラルの錠剤の配布を考慮すべきだとしている。

※写真と本文は関係ありません

○記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)

米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。現在は大阪大学大学院言語文化研究科教授として教鞭を執る。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。

(杉田米行)