カリフォルニア大学は、血管の中を泳ぐように進み、薬剤を投与できる魚型の機体を開発した。体内に注入する医療用ナノマシーンの話題を耳にしたことがあるかもしれない。これがその最適な形なのだそうだ。

血管を詰まらせちゃったりしないの?なんて疑問が浮かぶ。動作が「New Scientist」で紹介されていたのでさっそく見てみよう。

魚の尾ひれみたいに、
ピクピク動いて進む。

芋虫型とも言える動き。見ると幾つかのパーツが連結しているのがわかる。金とニッケルでできたパーツを、銀のヒンジが繋げている。磁力で操作するもので、球体型よりも効率的だと考えられている。

ナノフィッシュの各パーツは、0.0008ミリほど。開発・調査に携わっているJinxing Li氏はこうコメント。

「わたしたちは、これによって薬剤を体内の適切な部位に運搬できると考えています。手術などをせずに、処置ができるかもしれません」。

10年以内に、
実現の可能性アリ?

Li氏は、動物実験を成功させたあとの2015年4月に撮影された動画で、この技術が10年以内に実現するだろうと話していた。同様の研究はいくつか知られている。

たとえば2015年2月、ボストンにある「Brigham and Women's Hospital」の研究者Dr.Omid Farokhzadも「マイクロスコピック・ドローン」のマウスによる実験を成功させていた。

当時、撮影用のドローンが注目され始めた頃だったこともあり、ドローンが体内を駆け巡るというニュースは関心を集めた。「The Telegrapgh」によれば、その際に動物実験で使われた機体のサイズは、およそ0.00008ミリほど。ナノフィッシュの10分の1とずいぶん小さい。

心臓病の原因となっているプラーク(脂肪、コレステロール、カルシウムが固まったもの)を除去するよう設計され、動脈内の疾患部分へ到着すると、炎症治療のための薬を放出。5週間ほどでプラークをほとんど取り除いた。

 使用後の機体は、
体内で分解できるように改良。

「マイクロスコピック・ドローン」はプラスチックに近い物質だった。「ナノフィッシュ」は金属でできている。どちらも問題は治療後にどうなるのかだ。Li氏はこの課題について、生分解性の素材で機体を作ることで解決しようとしている。

つまり、ナノマシーンが体内を駆け巡り、治療後に分解され姿を消すようになるのかもしれない。フィッシュやドローンと言うと体の中でかさばるようなイメージがある。「操作できる薬」と捉えたほうが感覚的には正しいのだろうか。

Reference:New Scientist,JacobsSchoolNews
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