国民の6割が該当!? 胃がん検診が不要な人とバリウム検査のリスク

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日本人の死因トップは“がん”だということは、多くの方が知っていること。健康のために、人間ドッグやがん検診を毎年受けている方もいらっしゃいますよね。

その中で、「苦手だけど仕方なく飲んでいる」人が多い“バリウム”。バリウムを飲むことで、食道、胃、十二指腸の粘膜にがんやポリープを発見することができると言われています。

しかし、バリウムは胃がんの発見率が高いとは言えず、さらに、そもそも胃がん検診の必要がない……つまり、“胃がんリスクのない人”が国民の6割強もいるのです。

今回はジャーナリストである岩澤倫彦さんの著書『バリウム検査は危ない 1000万人のリスクと600億円利権のカラクリ』を参考に、“胃がん検診が不要な人とバリウム検査のリスク”についてお伝えします。

 

■胃がんの99%はピロリ菌感染者

現代では、がんは早期発見すれば治る病気となり、なるべく早期でがんを発見するために、“がん検診”の重要性が叫ばれています。

しかし胃がんに関しては、99%がピロリ菌によるがんだということがわかっており、ピロリ菌未感染者は胃がんのリスクはほぼないと言えるのです。

 

■「胃がんリスク」有りは“4割弱”、無しは“6割強”

では実際に、ピロリ菌未感染者はどのくらいいるのでしょうか。

本書では、2004年〜2011年の間に、全国各地の検診・人間ドッグ受診者2万1,688人のデータから、ピロリ菌の陽性率を算出しました。その結果、20代〜80代で全体のピロリ菌陽性率が37.8%、つまり胃がんリスクのある人は4割弱ということがわかったのです。

この結果は、6割強の人が胃がん検診を受ける必要性が極めて低いということを意味しています。

 

■ピロリ菌有無の検査方法は?

ピロリ菌に感染しているかどうかは、病院で内視鏡検査をすることでわかります。胃がん検診においても多くはバリウムが用いられますが、内視鏡のほうが早期発見に繋がりやすいのです。

ピロリ菌に感染している場合、除菌することで胃がんのリスクを抑えることができ、WHO(世界保健機関)の専門家会議でも、胃がん対策として“ピロリ菌対策”が最も重要だと勧告しています。

 

■「バリウム」で胃がん検査は本当に正しいのか?

「でも地方自治体や会社の検診で、自己負担なく受けられるのだから、受ける分には問題ないのでは?」と思われる方もいらっしゃることでしょう。

しかしバリウム検査には大きなリスクがつきまといます。

(1)副作用のリスク

(2)被曝リスク

副作用のリスクにおいては、腸管穿孔やそれに伴う死亡もあるほどです。胃がん患者ではなく、あくまで胃がんの“検診”です。ピロリ菌未感染者がバリウム検査を受けるのは、リスクしかありません。

被曝リスクについては、年に一度“検診”という名のもとに、X線やCT検査を受けるとどうなるでしょう。

本書では、間接撮影のバリウム検査を20年間、毎年受診したと仮定し累積被曝量を計算したところ「バリウム検査1回あたり2.9ミリシーベルト×20年=58ミリシーベルト」という数値がだされました。

100ミリシーベルト以上になると健康被害がでると言われていますが、2010年のカナダの論文によれば、10〜40ミリシーベルトの被曝でも、10ミリシーベルトごとにがんリスクが3%増加することを示唆しています。

先進国の中でバリウム検査による胃がん検診を行っているのは日本しかありません。また、医療被曝が原因のがん患者は、他国が0.6〜1.8%なの対し、日本は3.2%と、“ダントツの世界一”なのです。

この結果を考慮しても、ピロリ菌未感染者がバリウム検査を受ける必要があると思いますか?

 

いかがでしたでしょうか? 集団の胃がん検診でバリウムが使用されることが多い日本ですが、一部地域では“胃がんリスク検診”と呼ばれる、胃がんの発見率も安全性も高い検診が行われています。

胃がんから身を守るためには、“ピロリ菌のチェック”か“胃がんリスク検診”を受けることをおすすめします。

(ライター 沖田かへ)

 

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【姉妹サイト】

※ 若くても他人事じゃない!「女性特有のがん」と検診を受けるべき理由

 

【参考】

※ 岩澤倫彦(2015)『バリウム検査は危ない 1000万人のリスクと600億円利権のカラクリ』(小学館)