9月14日、上海市政府は、習近平国家主席の元部下で同市党委副書記の応勇氏が同市副市長の兼任を発表した。翌日、人民解放軍上海警備区の司令官らが寄稿した記事の中で習氏への忠誠心と、江派閥の排除を目的にした同市新人事への支持を示した。(JOHANNES EISELE/AFP/Getty Images)

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 中国上海市政府は14日、同市の「第14回人民代表大会常務委員会会議」の審議を経て、同市共産党委員会(以下党委)副書記の応勇氏を同市副市長に任命したと発表した。時事評論家は、習近平国家主席の部下だった応氏の就任に、江沢民派に近い「上海幇」の人事整理が行われると予想している。

 上海市は江沢民派閥の地元で、その利権は根強い。また、上海市党委書記に選ばれる人は、来年開催される「19大」(中国共産党第19回全国代表大会)で党中央政治局常務委員になる可能性が非常に高い重要人事。上海と同じ区直轄市の天津市では13日、市党委代理書記の黄興国氏が失脚し、新たな市党委書記の人事が発表されたばかり。習近平政権による直轄市の人事整理が続いている。

江沢民派閥の地元 上海に反腐敗のメスか

 中国時事評論家の華頗氏は大紀元に対して、「この人事調整から、(中国共産党中央政府が)上海市政府指導部に対してメスを入れ始めたことを見て取れる。次は、江派閥の楊雄・上海市長と韓正・市党委書記がいつ退任するか、また誰が新しい市長、または市党委書記に就任するかに注目を集めている。上海市党委書記の人事は、共産党中央から指定される可能性が高い」と分析した。

 現在58歳の応勇氏は、習氏が浙江省党委書記在任時代の元部下で、浙江省公安庁副庁長、省高級法院(裁判所)の院長などを務めてきた。2007年上海市党委書記だった習氏が中央政治局常務委員に昇格した後、応氏は上海市高級法院の院長と党組織書記へと人事異動された。

 華氏は、上海は江派閥の大本営で北京に次ぐ政治的かつ経済的に重要な都市であるため、習氏が今後同市の江勢力への排除を加速化していくだろうとの見解を示した。また、今年末まで、新たな上海市長と市党委書記の発表があると予測した。

軍メディア「習主席に見習う」江沢民派に警告か

 一方、上海市政府人事が発表された後、中国人民解放軍上海警備区(軍区)の張暁明司令官と馬家利・政治委員は15日付『解放軍日報』に文章を寄せ、「新たな指導体制、求められた新たな市の使命において、絶対的な忠誠心を持つ」「習主席に見習う」と忠誠を示した。

 時事評論員の倫国智氏は、軍メディアは上海の軍関係者が習陣営への支持を示したと同時に、上海の江派閥官員への警告を発したことになると分析した。

 中国共産党中央指導部に近い情報筋によると、反腐敗キャンペーンを推し進めている中央紀律委員会(中紀委)の王岐山氏はこのほど開かれた紀律検査委員会幹部会議において、2016年「上海幇」を落馬させることが重点任務だと発言したという。

(翻訳編集・張哲)