皆さんは愛犬に狂犬病の予防接種を受けさせていますか?

狂犬病は、感染した動物に咬まれたり舐められることで、唾液を介して傷口からウイルス感染します。犬や人も含め全ての哺乳類で感染し、発症すれば現代の医療技術を持っても治療は不可能とされ、100%死に至る恐ろしい人畜共通感染症です。

狂犬病予防接種とは?

日本で、犬の狂犬病の発症がピークを迎えた1950(昭和25)年、予防と蔓延阻止、撲滅をはかるため犬の登録と狂犬病予防接種が法律により義務付けられました。(狂犬病予防法)

これは、犬の所有者が生後90日を経過した犬を取得して30日以内に、管轄の市町村長に飼い犬の登録申請をすることが義務付けられ、登録が完了すると鑑札が交付されるものです。

また、犬が生後91日以上経過している場合、犬を取得した日から30日以内に最初の狂犬病予防注射を受け、以降、毎年度1回の狂犬病予防接種実施が義務付けられています。

接種した犬に対し発行された予防注射済証は、市町村長に提示することで注射済票が交付され、注射済票は、上記の鑑札と共に該当する犬に装着させておかなければなりません。

国内では、この狂犬病予防法により予防接種が義務付けられたことで、1957年を最後に犬を含めた全ての哺乳動物において狂犬病の感染は報告されていません。

狂犬病予防接種の副作用・危険性・注意点

副作用によって引き起こされる症状

副作用には様々な種類があります。嘔吐・下痢・発熱・消化器疾患・湿疹などのほかに、死に至る可能性の高いアナフィラキシーなどもあります。

突然の症状に備え、注意すべき副作用をチェックしておきましょう。

嘔吐・下痢

狂犬病予防接種の副作用で最も多いとされるのが下痢や嘔吐と言われています。
注射をする直前までは、いつもと変わらず元気だった犬が、注射をした後になって下痢や嘔吐などの症状があらわれた場合には、副作用の疑いが考えられます。特に体の小さな小型犬では、副作用が出やすい上に症状が急速に悪化することが考えられますので、直ちに動物病院へ連絡することをおすすめします。

また、嘔吐物や排泄物に血が混じっている場合には、すぐに動物病院で診察を受けましょう。

発熱・消化器疾患

体がワクチンを異物として認識してしまうと、それを攻撃してしまうことがあり、その攻撃反応が強くなると発熱などの症状として強く副作用があらわれます。発熱を起こすと、場合によっては食欲不振や嘔吐、飲水ができないほどの消化器疾患を併発することがあり、脱水に陥る危険性があります。

湿疹(蕁麻疹など)

予防接種後、犬の顔付近に蕁麻疹のような湿疹があらわれる場合、ワクチンの成分にアレルギー反応を起こしていることが考えられます。すぐに動物病院で診察を受けるようにしましょう。

アナフィラキシー

「アナフィラキシー」は呼吸困難などによる重度の副作用の事です。
予防接種の効果を高めるための成分に強いアレルギー症状を起こしていることが考えられ、命を落とす危険性が非常に高くなります。一刻をあらそう事態と考えすぐに動物病院へ搬送しましょう。

どうしても心配な場合は、予防接種後30分は動物病院やその近くで待機し様子を見ます。

予防接種による危険性と注意点

危険性

上記のようなアナフィラキシーなどの副作用により、接種後1時間以内に亡くなってしまうケースは少なくありません。
また、犬は、死亡後の解剖検査が獣医大学などの専門機関でしか行われていないため、はっきりとした原因が特定されないままのケースが多くあります。

そのため、原因が狂犬病予防接種によるアナフィラキシーであると特定されることは少なく、状況的にみてそうであろうと判断されたケースが数十件程度あるようです。

注意点

体調の悪い犬には、その副作用を考慮し、狂犬病予防接種を見送る獣医師がほとんどです。
もし、予防接種後に毎年体調が悪くなることがあれば、遠慮せず必ず獣医師に相談することが大切です。

また、狂犬病予防接種の実施期間は、一般的に4〜6月あたりですが、必ずこの期間内に接種しなければならないわけではありません。(4〜6月に市町村による集団接種を実施しているため一般的にこの時期と言われている)

動物病院では、年間を通して接種可能なので体調が悪い時は無理をせず、獣医師と相談の上、時期をずらして接種するようにしましょう。

狂犬病の予防接種の副作用は体調によってかわる?

犬の調子や体質による違い

獣医の判断で、体調が優れない犬には無理にワクチン接種を行わない事もあります。
あたり前のことですが、それは人間でも同様の事ですよね。例えば、熱が出ていればワクチンの摂取日をずらすと思います。
犬も同じで、「いつもと様子が違うな・・・」「どうもそわそわしてるな・・・」なんて場合は、予防接種の日にちをずらしてあげましょう。

また、事前に予防接種で体調を屑る事が分かっていいる場合は、獣医さんに早めに相談して、アレルギーなどの副作用を抑える薬を処方してもらう事も視野に入れましょう。
特に狂犬病の予防接種は、毎年受けなくてはいけないワクチンなので、愛犬に負担をかけない為にも、しっかりと準備してあげる事が大切です。また、もし予防接種の時期が、推薦時期とずれてしまった場合でも、必ず予防接種をうけさせるようにしましょう。多少の手間があっても、愛犬の為に受けさせる事が飼い主の義務です。

因みに、4月から6月が一般的な予防接種を受けさせる時期で、もしこの時期に病気や妊娠・ケガをしてしまった場合は、獣医さんと相談して時期をずらす事をおすすめいたします。

子犬と老犬での違い

子犬や老犬では、体が弱く通常の成犬に比べ副作用が出やすい傾向はありますが、体の状態が異なるため危険性の内容では大きな違いが生じます。通常、子犬の体は若く元気であるのに対し、老犬の体は衰え始めています。

衰え始めた体では、狂犬病予防接種の副作用に耐えられない場合もあり、予防接種をするほうが命の危険が高くなると判断された場合、予防接種を免除できる診断書を書いてもらうことができます。このようなことから、老犬の方が副作用に対する体のダメージが大きくなり命を落とす危険性が高くなることが考えられます。

まとめ

狂犬病予防接種の副作用についていかがでしたか?
症状が重度に及ぶアナフィラキシーでは、死亡事故が発生した事例もあり、副作用を甘くみることは危険です。

しかし、近年の狂犬病予防注射の接種率は、未登録の犬も含めた推定飼育頭数からみると全体の半数を下回り、国内への狂犬病ウイルスの侵入・蔓延が危惧されているのが実情です。そのため、副作用を恐れての安易な予防接種逃れをすることは断じて避けるべきです。

愛犬の体質を知り、体調を見ながら獣医さんと相談の上で予防接種に臨むことが大切なのです。