リオパラリンピック閉幕!次なる2020年の東京オリンピック&パラリンピックで「はやくあなたに会いたい」と願うの巻。
東京ではたくさんの金を!

4年に一度の熱い夏、リオパラリンピックが閉幕しました。日本勢も活躍がつづき、メダル数では前回ロンドン大会の16個を上回る、24個のメダルを獲得。ボッチャや車いすラグビー、車いすテニス女子・柔道女子など日本勢初のメダル獲得となる競技・種目も多数生まれ、東京に向けて明るい収穫もあったように思います。

そんな中、ひとつ気になるのは「金」がないこと。

パラリンピックで金メダルナシとなるのは、日本が参加した夏季大会では初めてのこと。銀や銅はそれなりに数があるのに金だけないというのは不思議なことです。そこをどう評価し、どう受け止めていくのか。東京大会へ向けて大きな宿題をもらったような気分です。「金が欲しいのか?」という根本的な設問への答えも含めて。

いろいろ考えたのですが、やはり金は獲ったほうがいいし、獲るように目指していくべきだろうと思います。正直、気持ちとしてはなくてもいいんです。メダル自体がなくてもいいし、参加選手が多ければいいというものでもないと思います。五輪ならば、参加選手やメダル数は多いに越したことはないのですが、それとは少し事情が違うと思うのです。

まず、参加資格を得る=不自由であるということなわけで、母数が大ければいいというものではない。「環境汚染の影響で生まれつき四肢に不自由のある子どもがたくさん生まれる」「傷病を負った帰還兵が多数いる」「治療が行き届かず回復後も不自由を残す病人が多い」という国・地域があれば、選手の候補者は増えるかもしれませんが、それがイイ社会とは思えません。

メダル数も、あれだけ千差万別な不自由を抱えている選手たちの中で、たまたま1番から3番になれた数を競っても仕方なかろうと思います。両足義足の選手と片足義足の選手が同じメダルを争って、どっちが勝ったとか負けたとかが本当に同一条件なのかどうか。もっと細かく分けるべきなのではないか。

突き詰めれば、オンリーワンの不自由に対して、オンリーワンの結果が出るのですから「全員がその不自由における金メダリスト」という感もあります。「とにかく一番強いヤツが金」という無差別級とは対極にある、「ピッタリ条件を合わせたらアナタしかピッタリ同じ条件の選手はいなかったので、アナタが金です」という世界観。そもそも勝ち負けを問うことに意味があるのかすら、悩みどころです。

ただ、そんな空論と現実は違います。

世間は勝った者が好きで、勝った者の声を聞きたがる。パラリンピアンの中でも国枝慎吾さんが特に知られているのは、有り体に言えば「勝者」だからじゃないですか。頑張りが凄いとか、感動的な人生だとか、カッコイイとかではなく、「勝ったから」採り上げられる。「勝ったから」こそ頑張りや技術や人生に賛辞が集まる。もっと頑張っていても、負けた人にスポットライトはなかなか当たりません。

僕もあらゆる機会で「勝ち負け」を否定してきているクチですが、そうしなければいけないのも世間はやっぱり「勝ち」が好きだからです。それは文化的に幼いと言ってもいいかもしれない。「勝ち」を決めるのには同じ数の「負け」が必要なのに、一方だけを見るような視野の狭さがあるからかもしれない。

パラリンピアンの声に耳を澄ませば苦労が絶えません。練習場所がない、コーチがいない、遠征費用がない、不自由を理由にいろいろなことを断られる。テレビで採り上げられ、メダルを獲ればニュースになるような人でさえ、そういう状況にぶつかっている。ならば、もっと無名な人々が、それぞれの舞台で直面する不自由はいかばかりのものか。不公平や不条理は無名の人の前にこそ立ちはだかる。

だから、まず、勝ちたい。

スポーツでなくともよいですが、まず勝って、影響力を持って、世間を変えていかないといけない。世間が変わるスピードを上げていかないといけない。そのためには、2020年日本で最大のトピックとなる大会ではどうしても勝ちたい。「アナタが楽しければいい。金メダルなんかいらないよ」と言いたいけれど、銅よりも銀、銀よりも金の声のほうが大きくなるから、やっぱり金が欲しい。金を求めたい。

金を求めるならば、必然として練習環境の整備や、社会の理解が必要となります。そこは、ある程度を東京でやりましょう。思う存分練習ができる会場や設備を、「ここはパラリンピックをやる場所だから、最初から使いやすいようにしておかないとダメだよね」という意識で作っていきましょう。「東京で金獲りたいから強化費多めに出すわ」をやりましょう。「優先的に使えるにする」という仕切りを決めましょう。

やらないといけない課題がわかっていないわけではないのです。むしろ、求める空気が足りないのです。本気を引き出すだけの圧が。自力で金を目指せる環境が整うまでは、「絶対金」という圧をあえて掛けることも必要です。東京大会には幸いにして圧があります。やる以上、日本の代表にメダルを渡したいし、日の丸をたくさん揚げて、君が代をたくさん鳴らしたい。その圧がチカラとなり、きっかけとなるはずです。

そういう意味で、リオで金がないことは残念でもあり、逆説的にチャンスでもあると思います。

今、この瞬間に大きく広がる声や、そのキッカケは得られなかったけれど、「パラリンピックで金を獲るってのは簡単なことじゃないんだな」というのはアピールできました。「勝ち」の難しさを知らしめ、「勝ち」への渇望を高めました。同じ選手が5個も6個も金を獲ると簡単そうに見えてしまいますが、日本選手団全員でゼロなんだから、やっぱり金はスゴイことなのです。そのスゴイことを東京でやったら、その人はヒーローなのです。

たくさんのヒーローが生まれ、そのカッコよさが伝わっていったなら。

東京大会を経て日本がよくなったよねと、思えるような変化が残るのではないか。そんなことを想うのです。

ということで、4年後の東京大会への圧を高めつつ、19日のNHK中継による「リオパラリンピック閉会式」をチェックしていきましょう。

◆2020年、東京の夜の七時頃の競技に、世界が一斉に興奮する夏がくる!

聴覚に難のあるパーカッション集団…本人たち曰く「クレイジーなアイディア」のパフォーマンスからスタートしたリオパラリンピック閉会式。手を打ちつける「手話ドラム」や、演奏と連動して音の激しさやリズムを示す映像、そして観衆が踏み鳴らす振動。視覚でもいい、聴覚でもいい、触覚でもいい、感じられるもので感じてくれればいい。そんな自由さにあふれたライブパフォーマンス。

スタジアムにはすでに選手たちが集い、最後に旗手が入ってくるという流れ。日本勢は東京大会のエンブレムをつけた小旗を振って、互いの健闘を称え、4年後の再会を祈るような構え。若干のお疲れの見える選手、「ぶっちゃけ知らん曲だな…」という現地ミュージックの連打にスマホいじりを開始する選手なども見られますが、過ごし方は人それぞれでいいでしょう。「お疲れ様」の労いなのですから。

↓日本の旗手、史上初の車いすテニス女子シングルスでのメダル獲得者・上地結衣さんも堂々入場!


旗手というプレッシャー、受け止めてチカラを出した!

東京ではより大きな期待を受けて、より大きな歓喜を!

ファン・ヨンデ功績賞の授与を経て、パラリンピック旗の東京への引き継ぎへと進む式典。小池都知事は黄色のポンチョのような衣装で登場します。やはり、五輪閉会式での高価な着物ズブ濡れ事件は痛かったか。「和装ばかりじゃないのよ」という建前を持ちつつ、最初から雨合羽着用みたいな雰囲気での登場です。

↓やっぱり雨のことを気にしていることは拭えない都知事!

日本では地下水が、リオでは雨が!

水関連で不都合が多い2016年!


↓なお、パラリンピックの閉会式も結局雨が降りましたが、今回は雨合羽風衣装なのでまったく問題ありません!


「すごい雨女だな…」
「ていうか水女か…」
「東京の開閉会式も全部雨降りそう」
「だから屋根をつけろとあれほど…」

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そして始まった、注目の東京の引き継ぎ式。始まりはアレンジ版のエンヤみたいな君が代から、各国語でつづった「ありがとう」の文字を表示するという、五輪版とまったく同じもの。その後も基本コンセプトとして「五輪と同じもの」という方針は貫かれていきます。

オープニングの煽り映像では、1964年東京大会で「パラリンピック」という名称が初めて使われたことをひも解きつつ、当時の金メダリストの言葉を紹介します。不自由を抱えながらも、仕事を持ち、買い物に行き、酒を飲みさえする海外の競技者たちを見て感じた「ほかのみんなと同じじゃないか!」という気付きを。

それを「ポジティブスイッチ」と表現し、次の2020年で、もう一段階そのスイッチを入れていこうというメッセージを発信していきます。「足がないという不自由」から「その部分を使って、肉体ではできない表現を可能とする自由」へ。義足を活かしてクールさを表現するモデルや、片足のヒザ下がないという独自の身体バランスを活かしたパフォーマンスをするダンサーといった、「スイッチ」を入れた人たちが登場し、式典を大いに盛り上げます。

その煽りとして流れる映像は、五輪閉会式で流れたものと同じコンセプトで作られたパラリンピックアレンジ版。五輪閉会式で使ったものと同じ光るフレームのボックスもステージ上で再び使われます。見方ひとつで不自由は自由になり、考え方ひとつで不自由は強みともなる。そして、それは「誰しも同じなんだ」というメッセージ。あえて同じパフォーマンスをすることで、「同一性」を表現している。決して予算上の問題での使い回しとかではないのです!

↓スーパーマリオは出なかったけれど、スーパーモデルとかは登場した東京の引き継ぎ式!



メッセージは温かく!表現はクールに!

トーキョー、やるじゃないか!

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そして、日本で見る者としては、ピチカートファイブなどに演じられてきた名曲「東京は夜の七時」アレンジ版が流れたのも素敵でした。サビで繰り返される「早くあなたに逢いたい」のメッセージ。原曲とはまったく異なる歌詞で、この日のために綴られた想い。東京が2020年を待ち焦がれていることが、日本の楽曲で、日本なりのカッコよさで歌われたことが、何だかとても嬉しかった。

『東京は夜の七時 −リオは朝の七時−』

(※手話で始まる)「はやくあなたに会いたい」
「夏は夜」(※東京は真夏の夜の夢 につづく詩の一節)

トーキョーは夜の七時

トーキョーは夜の七時

両手で見晴らす立体模型(ジオラマ)
目的地へ一瞬で接続(アクセス)して
僕ら自身が扉になったの
トーキョーはよるの七時

あなたが把手に触れれば
噫僕ら夏になってしまう
ひと晩中あいしていたい
トーキョーはよるの七時

「待ち合わせは交叉点で」
「もうまどわされないで」
文明と自然が出会す地点
はやくあなたに会いたい
はやくあなたに会いたい

トーキョーはよるの七時
夢みたいに実在する都市(まち)
地球の裏側誰か目覚める
トーキョーはよるの七時
本当の愛に気付いている
宇宙の片隅あなた今何処

世界中がいがみ合っても
あなたは一人生きている
一層全能なのと同じこと
はやくあなたに会いたい
はやくあなたに会いたい

トーキョーはよるの七時
落ち着けそうにないのさ
答はここだと生命が呻く

トーキョーはよるの七時
本当の愛を捕らえている
人生は短いあなた今何処

トーキョーはよるの七時

※メディア向けのセグメントガイドにて歌詞の全文が掲載されており、画像での紹介などがされているのですが、手元にないので引きつづき今度は画像が小さくて見えない箇所があります。「世界中がいがみ合っても あなたは一人生きている」のあとは引きつづき不明瞭です。もしかしたら違うかもしれません。

トーキョーはみなさんを待っている。待ち焦がれている。世界の人にも、その気持ちが届くといいなぁと思います。次は2020年、この街で。最高の大会にできるよう、頑張っておもてなしします。東京が夜の七時頃に始まるであろう一番盛り上がる試合、注目の試合を、世界で一斉に見ましょう!

↓そして聖火が消え、リオの夏が終わった…!

ありがとうリオ、お疲れ様リオ!

地球の裏側の試合を見るのは大変だったけれど、仕事時間とまったく被らなかったので大変充実の夏でした!

地球の裏側の大会も悪くないですね!

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北京よりもロンドンよりもリオよりも面白い大会にできますように!