人間よりも優れた犬が持つ能力

犬には元々、人にはない優れた能力がたくさんあります。

嗅覚

犬の能力の中でも特に優れているのが嗅覚です。
犬によって差はありますが、嗅ぎ分ける能力は人の約100万倍と言われています。
さらに、犬はニオイをイメージとして識別することができ、いくつかのニオイが混ざった状態でも、一つひとつのニオイを嗅ぎ分けることができるのです。
散歩中に他の犬のお尻のニオイを嗅いでいるのは、肛門腺のニオイからその犬の年齢や性別などの情報を集めているためと言われています。

聴覚

犬の音の聴き取りは人の6倍、音を感じる力は人の4倍もあり、人が16方向なのに対し、犬は32もの方向からの音を聴き分けることができます。
人が聴き取ることのできない小さな音でも、広範囲に音を聴き取ることができ、その音がどこから聴こえてくるのかも正確に特定することができます。

不完全な仮説たち

家をしばらく留守にしていて、いざ家に帰りドアを開けた瞬間、愛犬が目の前にいた経験ありませんか?
私も何度もありますが、恐らく一度や二度ではないと思います。
帰宅する際に、そんなに大きな音を出していないとしたら、なぜ犬は飼い主の帰宅がわかったのでしょうか。
犬の帰宅を予知する能力について、いくつか仮設が立てられています。

習慣記憶説

これは犬が飼い主の行動パターンを憶えており、犬の体内時計から飼い主の帰宅時間を予想しているという説。
しかし、これは帰宅時間が日によってバラバラな家庭には当てはまらず、習慣だけが原因だとは言い切れません。

同居人の感情を読み取っている説

家に誰かいる場合、その人が家族の帰宅時間を知っていて、その時間を知っている上で何らかの行動や感情の変化が表れており、その変化を犬が察知し予知しているのではないか、という説。
しかし、実際に家族に帰宅時間を知らせなかった場合でも、犬が帰宅を予知していたケースがあり、感情などの変化を読み取っているだけが原因ではないようです。

嗅覚説

シンプルに、帰宅する人のニオイを嗅ぎ取っているという説。
この説は、イギリス内務省の依頼によって、犬の中でも特に嗅覚が優れているブラッドハウンドを用いて実験が行われました。

実験の結果、犬が風下にいた場合、約800メートル先のニオイを嗅ぎ分けることができると判明。
しかし、飼い主が帰宅する10分も前から行動に変化を見せる犬がおり、10分前に飼い主のニオイを感じ取るには、10キロ以上も先のニオイを嗅ぎ分ける能力が必要になります。
しかも、閉め切った室内でそんな遠い距離のニオイを嗅ぎ分けることが出来るわけがありません。

聴覚説

こちらもシンプルに、帰宅する人の音を聴き取っているという説。
犬の聴覚はとても優れていますが、犬が開放された室内にいて、飼い主が普段通りの帰宅方法で、騒音がなく、風が家に向かって吹いているなどの、良い条件が揃ったとしても、1キロ先の音を聴き取るのが限界と言われています。
さらに、1キロ先にいる飼い主の帰宅を予知した犬もいるとされるため、この説も当てはまらないでしょう。

有力候補はテレパシー!?

様々な仮説が上がり、どれも不完全であると言われる中、テレパシー説というSFのような説が浮上してきました。
犬の予知能力に関してはいくつか事例があります。

ドイツに住む夫婦の行動記録と証言から、愛犬が予知行動を起こすのは、家に帰ろうとタクシーを呼んだ瞬間だったイギリスに住む夫婦の婦人の証言から、愛犬は主人が外出先で時計を見て、家に帰りたいと思った瞬間に予知行動をとっていたハーフオードシャーに住む婦人の愛犬は、婦人が長期休暇から帰宅する数時間前に落ち着かなくなり玄関に移動した。愛犬が反応したのは彼女がまだ異国の地で帰ろうと決めた瞬間だった

など、これらの事例に共通していることは、「飼い主が家に帰ろうと意識した瞬間」であるということ。
さらに、この仮説の裏付けをするために行われた、地理的にも文化的にも異なる様々な地域を対象にした、ランダムに選んだ家庭への「家族のメンバーが帰宅する前に、愛犬が興奮したことがあるか」という調査。
その結果、51%もの家庭で愛犬が飼い主の帰宅前に興奮したことがあると回答したのです。

このテレパシー説に関しては様々な実験が行われましたが、どれも「飼い主が帰ることを意識した瞬間に、愛犬が何かしらの行動を起こす」というものでした。

さて、犬は本当にテレパシーを感じることができるのでしょうか。
様々な実験を行う度に、濃厚になってくるテレパシー説。
近い未来、犬の優れた能力の一つに「テレパシー能力」という文字が並んでいるかもしれませんね。