「市場分析はしません」『世界のKitchenから』担当者に聞く、外さない新商品の作り方

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新商品が出るたびに、ついつい手に取りたくなる『世界のKitchenから』シリーズ。

ネーミングの通り、世界中のキッチンで作られている家庭料理をドリンクにアレンジしていて、異国の味を手軽に楽しめると人気です!

中でもタイの食文化をヒントに作られた『ソルティライチ』は、たちまち話題になり同シリーズの看板商品に。

そんな消費者を虜にする『世界のKitchenから』の外さない新商品の作り方を、キリンの図子さんに伺いました!

市場分析はしない!作りたいものを作る

--新商品の開発はどのように行っていますか?

『世界のKitchenから』は、海外の一般家庭を訪問して、実際にキッチンで作っている料理からヒントを得て商品開発を行っています。

飲料メーカーでは、「緑茶や紅茶など、各カテゴリーを盛り上げよう」「今の味をもっとこうしたい」といった市場分析からモノを作るのが一般的です。

しかし、それではアイデアの幅が狭くなってしまうので、外へ出てたくさんの情報を吸収し、自由にモノづくりをしたいと思いこのような方法をとっています!

画像元:世界のKitchenから公式サイト

画像元:世界のKitchenから公式サイト

--だからこそ既存のカテゴリーにはまらない『世界のKitchenから』というカラーを出せているんですね!

そう言っていただけるとうれしいです。

現地で食べたものをそのまま再現するのでは、ただの輸入になってしまいます。

そうではなくて、例えば「花を料理に入れて楽しむことができるんだ」「花を飲むってこんなに気持ちが良いんだ」といったコアな部分を持ち帰って、それをどうしたら飲んだ人に体験してもらえるか考えながら作っています。

そういった枠にとらわれない作り方が、既存のカテゴリーを超えた『世界のKitchenから』というオリジナリティを生み出しているのかもしれません。

--訪問する国は、どのように決めていますか。

自由です(笑)行きたいところに行って、ありのままを感じ取ってきます。

気になることを知りたいという気持ちだけで行動しています!

 

商品にストーリーがある

--ズバリ、外さない新商品を作るコツを教えてください!

自由に作っているので、あまり“外さない”といった視点で商品開発をしてはいないです。

ですが、お客様からの声を聞いて、これは重要かなと思う点が2つあります!

1つは、商品にストーリーがあること。

お客様に「こんなに物語がある商品に出会ったことがない」と言っていただいたくことがあります。

それは、実際に現地を訪れて、そこで根付いている知恵をベースにしたリアルな物語があるからだと思います。

画像元:世界のKitchenから公式サイト

画像元:世界のKitchenから公式サイト

しかもそれが、日本ではなくて世界というところも重要で、知りたくても知ることができない国の文化を、1本のジュースから知ることができる!

まるで海外旅行をしているような非日常を、ジュースを通して感じられることが、選んで頂ける理由の1つだと思います。

 

自分のために作ってくれているような“手作り感”

2つめは、手作り感があること。

“自家製”というテーマを掲げていて、実際に自宅のキッチンで調理をして味づくりを始めます。

そして、調理の手順をペットボトルのラベルやウェブサイトで公開しています。

今飲んでいるものがどのように調理されているのか、それを知ることで「誰かが自分のために作っている」という人(作り手)を感じていただけるんだと思います。

画像元:世界のKitchenから公式サイト

最近クラフトビールが共感されているように、「手作り感」を大切にされる方が増えています。

そんな温かみを1本のペットボトルでも感じてもらえるように工夫しています。

 

『世界のKitchenから』広告の変化

--広告にはどのような工夫をしていますか?

広告はお客様とのコミュケーションの場だと考えています。

面と向かって話すことができない分、広告で商品の魅力を伝える最高の手段を常に模索しています。

2007年〜2014年までは、『世界のKitchenから』というブランドと商品を知ってもらうため、商品の作り方やストーリーを書きました。

2007年『ピール漬けハチミツレモン』広告

2008年『とろとろ桃のフルーニュ』広告

変化があったのは2015年。ブランドや商品の認知度が高まってきたので、文章以外の方法で表現できないかと考えました。

そこでスペインのデザイナーと組んで、手書き風のエネルギッシュな広告に挑戦してみました。

2015年『ソルティライチ』広告

2015年『ソルティライチ』広告

そして2016年、自分が食べているものについて知ることは、食材を通したもっと深いコミュケーションだと考え、基礎になるような食の科学の視点を取り入れました。

2016年『ソルティライチ』広告

2016年『冴えるハーブと緑茶』広告

まだ試行錯誤している段階ですが、商品と同じく枠にとらわれない自由な発想で、商品をアピールできる仕掛けを考えています!

市場分析をしないということに最初は驚きましたが、一般的なルールや流行に左右されない独自の商品展開が、『世界のKitchenから』を唯一無二の存在にしているのだと感じました。

まさか、1本のジュースが出来上がるまでに、これほど手間がかかっているとは……。

次の新商品は、一体どんな国へと連れていってくれるのでしょうか。