ゴマとラー油のハーモニーで独特の旨味を生み出す担々麺(タンタン麺)。その濃厚な旨味の嵐を特濃スープで再現したのが『行列のできる店のラーメン 特濃担々麺』。これは問答無用に美味しい麺だった!

■約300円の高値設定が安く感じてしまうほどの迫真の本格タンタンメン登場

日清食品『行列のできる店のラーメン 特濃担々麺』(152gうち麺70g・希望小売価格 税抜290円・2016年9月5日発売)は、名前で誤解されてしまうが、別にどこぞの名店の監修が入っているわけでもないイメージとしての行列を掲げたカップ麺〜生麺をまたにかけるシリーズ。つまり日清食品の思うところのうまさを突き詰めた作品だと言える。


担々麺(タンタンメン)は1980年代より人気の中国料理店発の辛味麺メニューだが、ゴマとラー油とひき肉という基本線はありながらいろいろな派生を生んでおり、ラー油を強調した勝浦タンタンメンなどに代表されるニューウェーブもたくさん存在する。


そして今回の『行列のできる店のラーメン 特濃担々麺』は、もともとの中国料理店発のタイプ。その特徴は、ゴマ調味料の芝麻醤(チーマージャン)のまったりした質感をラー油でうっすらオレンジ色に染め上げて、ひき肉と彩り鮮やかなチンゲンサイ・グリーンが花を添え、花椒(四川料理で使われる辛い山椒)で仕上げるという王道中の王道をしっかり再現してくれた。


麺はノンフライの中太ストレート麺。熱湯4分でしっかりと蒸し上げると、多少ほぐれにくいもののそのハリとコシに心を奪われるはず。かやくはたっぷりの味付肉そぼろとチンゲンサイ、ネギ。ありそうでなかなかないチンゲンサイ採用がうれしい。


湯入れ終了後は、ノンフライ麺のお約束で、後入れスープやねりごまを入れる前にしっかりほぐして、それから投入だ。

ラー油オレンジが激しい色味の後入れスープ、そこにどろりとした中国調味料の芝麻醤入りのねりごまを注ぎ込んで完成。


もう香りはまごう事なき中国料理店、ひいては四川料理店の担々麺の香りそのものである。スープを飲むとそんなに辛くはないのだが、花椒特有の痺れる辛さが後から来る感じ。濃厚スープはそのまま濃厚な旨味につながり、ごま感は恐るべしレベル。


そして麺をすすると縮れの少なさがまさに中国料理店系で、実に本格的。たっぷり入った肉そぼろが贅沢な味わいで、カップ麺に約300円とは強気だなと思っていた心が、「これで約300円!?」という真逆の感想に変わる。


中華街や中国食材を扱っているスーパーに行けば、味の根幹を決めている芝麻醤を手に入れることができるがそれなりにお高い。その調味料が使用されている量を考えるだけでも、これはすごいのではないか。


全国の担々麺、特に基本形の担々麺が好きな人なら、必ずや食べるべき。記者は真夜中に担々麺が発作的に食べたくなったときでも対応できるようにストックしておこうと思うほど、完成度の高い担々麺を味わうことができた。日清食品のテイスターにスタンディングオベーションを送りたい。