犬との関係づくりにかかせない「忠誠心」

「忠誠心」とは、自分にとって大切な存在に対して、頑張ろうと思う気持ちのことを指します。
また、そのつながりは物のつながりなどというものではなく、心から尊敬していたり大切に思ったりしているからこそ、何の利益がなくとも頑張ることができる気持ちをいいます。

人間関係においてももちろん重要なこの「忠誠心」ですが、愛犬と飼い主の理想的な関係づくりにおいても重要であるといえます。身近に暮らしている犬達の中には、この「忠誠心」を強く持った性格の犬がたくさんいます。
しかし、その強い「忠誠心」を持つこととなった背景は、その犬種によって様々です。

また、飼い主に忠実であることはとても重要なことですが、注意すべき点もあります。その部分も併せて、「忠誠心」の強い犬達をまとめています。

忠誠心の強い犬種

ボーダー・コリー

牧羊犬として羊の群れを率いる抜群のリーダーシップをとっていたボーダー・コリーは、全犬種の中で、もっとも知能が高い犬とされ、また人間に対する忠誠心も高い犬種と言われています。

しかし、頭がいいからといって、どんなボーダー・コリーでも、飼い主に対する忠誠心を発揮するのか?といえば、そこは違います。幼少期から正しい躾や飼い主との主従関係を築くことで、はじめてボーダー・コリーの特性が生きます。
けして、飼い主さんが「羊」にならないように、気をつけたいものですね。

ラフ・コリー

映画「名犬ラッシー」でご存じ、ラフコリー。映画のタイトルだけでも、その忠誠心の高さが伝わる犬種ですが、実はもともとは「牧羊犬」でした。原産地のスコットランドでは、主人のパートナーとして忠実に働き、羊たちを守っていたそうです。

また、英国のビクトリア女王が愛した犬であることも有名です。
そう言われると、ロイヤルな気品あふれる忠誠心の強い「騎士」のようなわんちゃんに見えてきますよね。

実際に家庭で飼う場合でも、牧羊犬時代の優秀な知性と温厚な性格を兼ね備えているわんちゃんですので、ご家庭の息子さんたちとも良く遊んでくれるでしょう。ムードメーカーから子守役までこなす忠誠心の強い犬と言えるでしょう。

プードル

「え?家のトイ・プードル、私のこと、友達ぐらいにしか思ってないけど??」という声が聞こえてきそうですが、オリジナルサイズのスタンダード・プードルやミニチュア・プードルは狩猟の場やサーカス犬として人間に従い働く、忠誠心の強い犬だったのです。

あなたのお家のトイ・プードルに忠誠心っぽい雰囲気が微塵も感じられないとしても、人間に対する愛情の強さや知能の高さはしっかり存在していることでしょう。トイ・プードルの毛色別では、ブラック、レッド・アプリコットが特に忠誠心が強い傾向があるようです。

ジャーマン・シェパード

その名の通りドイツ原産、「ドイツの牧羊犬」という意味をもつジャーマン・シェパードは、災害救助犬・軍用犬・警察犬・麻薬探知犬など特殊訓練を必要とする仕事で活動しているのはご存知の通りです。
これらは、ジャーマン・シェパードの持つ知性や肉体的・精力的な強さ、服従心をうまくコントロールして、忠誠心の強い犬に育てているからなんです。

逆に言えば、その強い忠誠心も、しっかり育てなければ、コントロールの難しい犬になってしまう事も覚えておかなければなりません。

セント・バーナード

スイス原産の「セント・バーナード」は、大きな体格を活かし遭難した人を助ける災害救助犬として良く知られていますよね。
また、日本では知らない人が居ないであろう、「アルプスの少女ハイジ」に登場するわんちゃん「ヨーゼフ」もセント・バーナードです。

実際のエピソードとしては、スイス・アルプスで使役されたセントバーナード達は、20世紀初頭までに、なんと「2,500名」もの遭難者を助けたそうです。まさに雪山の救世主のような存在だったんですね。

そんな忠誠心の強いセント・バーナードの性格は、温厚で聞き分けが良く、ちょっとおっとりした一面も持った、癒し系な存在。ご家庭で飼う場合も、よく懐き家族をいやしてくれる事は間違いないでしょう。
また、雪山育ちで寒さには強いですが、暑さにはめっぽう弱いので、実際に飼育する際には私たち飼い主も、気を使ってあげて下さいね。セント・バーナードはあなたの家族の良きパートナーとなる、忠誠心の強い犬種と言えるでしょう

ブル・テリア

ユニークな見た目と、ちょっとツンとしたイメージのある「ブル・テリア」ですが、この犬種も忠誠心が強く、賢い犬種です。

犬種の特徴として、家族や主人に対しては強い忠誠心を示し、また家族を喜ばせる事が大好きなとても愛嬌のあるわんちゃんです。
しかし、過去に闘犬として交配された背景もあるため、闘争心が強く、また好奇心も旺盛です。そのため、他の犬種と会わせる場合や、外で散歩させる場合は、十分な注意が必要です。

忠誠心が強い半面、少し扱いが難しいブル・テリア。しかしそれも飼い主次第です。しつけをしっかり行い、飼い主としてコントロール出来れば最高のパートナーになる事でしょう。

ゴールデン・レトリバー

穏和な性格の大型犬として知られていますが、古くは、水鳥猟でハンターが撃ち落とした獲物を陸地に持ち返る仕事をしていました。水辺で人間の指示に従い、何時間も猟に付き合えるだけの知能やタフさ、忍耐力を持ち合わせています。

人間の行動に合わせて寝たりはしゃいだり・・つまり、空気を読んで行動する点も「信頼できる」「忠誠心がある」犬種としてあげられるポイントです。

ドーベルマン

警察犬として採用されているほど、人間に対する忠誠心が強いことでよく知られるドーベルマン。厳しい訓練にも耐えられる高い知能を持つことから、古くは軍用犬としても使われていたぐらいです。
ただし、飼い主に対しては非常に忠誠心が強い一方、他人・他犬に対しては、縄張りを守る、攻撃的に振る舞う等、非常に強い警戒心を発揮します。番犬としては優れているかもしれませんが、ペットとして飼育するには、飼い主の相当な技量が必要となる犬種です。

シェットランド・シープドッグ

シェットランド・シープドッグも元は忠誠心の強い牧羊犬。牧羊犬ならではの賢さ・忠誠心・訓練性の高さ、過酷な環境で働いてきたため、我慢強さも持ち合わせており、飼い主さんや家族に対して従順に振る舞います。牧羊犬として作られたのが比較的遅かったため、時代にあわせて身体は小さめ、その分、明るさや温厚さも強い傾向にあります。攻撃性がない一方で、家族が好き過ぎて仕方ないよう。寂しがったり、家族以外に警戒心を見せる側面があると言われています。

ラブラドール・レトリバー

数年前、盲導犬として活動していたラブラドール・レトリバーがフォークのようなもので刺された事件がありました。後に皮膚病でできた腫瘍が破裂したためでは?という情報修正がなされましたが、ラブラドール・レトリバーが盲導犬として活動するのに適しているのは間違いなく、忠誠心の強い犬種だと知られています。

また、長年狩猟犬として人を助ける役目の元で働いていた犬種であるため、忠義を尽くすことに喜びを感じる性質を持った犬種だと言えるでしょう。

秋田犬

天然記念物に指定されている6つの日本犬種のうちのひとつ。「忠犬ハチ公」が秋田犬であったため、とにかく飼い主に 忠誠心が強い犬種というイメージが非常に強くありますが、元は狩猟犬や闘犬でもあり、オオカミにかなり近い犬種です。
そのため、誰にでも愛情を尽くすのではなく、飼い主以外の他人や他犬に対して、攻撃的・威圧的である点は注意が必要です。

パピーの愛らしさ、成犬の美しさから人気のある犬種ですが、噛み付き事故も多く、自治体によっては檻での飼育が義務づけられているぐらいです。しっかりとした躾、トレーニングを厳重に行なえば、飼い主さんにとって非常に忠誠をつくしてくれるのは間違いありません。

まとめ

普段何気なく見ている犬達の中には、こんなに素晴らしい 忠誠心を持っている犬がたくさんいます。しかし、その素晴らしい性格を生かせるかどうかは飼い主次第な部分があることもまた事実です。
また、飼い主に忠実であることと同時に、他人や他犬に対しては攻撃的になってしまう、という性格を併せ持った犬種も少なくありません。

愛犬から尊敬され、 忠誠心を持ってもらえるような飼い主になるためには、適切な躾、トレーニングは必要不可欠であり、私たち人間もそれ相応の努力が必要といえるようです。

忠誠心の強い犬を飼い、そこであなたも一緒に成長でれば、それは人生の最高のパートナーと言えるのかもしれませんね。