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◆一流と二流を分ける「仕事能力のIQ」

 20代、30代と仕事のキャリアを積み重ねるに連れて、「仕事が楽しい」と思える度合いも個人差が出始めてくる。

 自分より先に行ってしまった同期の働きを見て、「俺のほうがいい学校を出ているのに……」、「なぜあいつだけいい仕事が来るのか」などと嫉妬に燃える人もいるかもしれない。

 しかし、そうした状況に陥った多くは自分に原因があると指摘するのは、今話題のビジネス本である『最強の働き方』著者であるムーギー・キム氏だ。世界でもトップクラスのビジネススクールであるINSEADでMBAを取得し、外資系コンサルティングファーム、投資銀行、プライベートエクイティファンドなどで、世界各国の企業でグローバルエリートとともに働いてきた彼は、「一流になれる人」と「二流で終わる人」の差をこう語る。

「そもそも、本当に仕事ができるか否かは、学歴やIQはあまり関係ないんです。世界のトップクラスの人材が集まる現場では、もはやそんなもので差がつく世界ではありません。そういった学歴やIQの高い人たちを見てきて悟ったのは、結局仕事の出来不出来を分けるのは、基本的なスキルやマインドセット、あるいはリーダーシップだったりという、“仕事のIQ(Important Quality)”なんです」

◆できるやつはメールが短い

 基本的なスキル、“仕事のIQ”とはいったいどういうことなのか? ムーギー氏は20代の頃には、自身も上司から怒られる経験を通じて、こうした基本的スキルの大切さを思い知ったという。

「何も特別なことじゃありません。例えば、『最強の働き方』の第一章の“基本編”にも書きましたが、ダラダラ長いメールを送ってないか、メールには即座に返信しているか、プレゼンの資料は簡潔かつ論理的に書かれていて、丁寧に作られているか。また、本書の第二章の“生活習慣編”でいうと、時間の優先順位をつけられているか、他人の時間を大切にできているか、自分の内面・外見をうまく管理できているか……などです。

 その程度といえばその程度ですが、これを完璧にこなしている人は意外と少ない。私自身、本の中でも書きましたが、こうしたベーシックについては何度も、世界中の上司から怒られました。そして、私が尊敬する抜群に仕事ができる上司たちは、みなことごとくこうした基礎的なことができていたんです。一言でいえば、基礎の基礎がどれだけしっかりできているかで、仕事能力に本質的差がつくんだと思います。目新しいことを探してさ迷っている人は、往々にして、当たり前の基礎をおざなりにしていることが多いものです」

◆世間の「ビジネス本」は異なる世代が読んでも無意味

 さらに、得てしてありがちなのが、世間のビジネス本をありがたがって読む人々は、年齢的な成長を通じて、仕事のできる人になるための要素もキャリアステージごとに異なってくるということを理解していないという。

「多くの人にとって、20代は徹底してベーシックなスキルを身につけ、ボスから回ってくる仕事を完璧にこなせるようにするのが重要な時期でしょう。こうした『好きではないがやらなければならない仕事』を期待される以上の水準でこなしつづけた人だけが、次の30代というキャリアステージで、より面白く、大きな仕事を経験する機会を与えられるんです」

 それでは、30代というキャリアステージで必要な要素とは何か? ムーギー氏は、必要になってくるのが「主体性を持って動く」ということだ。

「サラリーマンとしては完璧に仕事をこなしたが、自分が主体性を発揮することが求められる段階で、挫折する人が非常に多いのです。

 そもそも、受け身の仕事、ボスから降ってくる仕事というのはたいてい次のような特徴があります。(1)つまらない。自分が興味を持った仕事なわけではないので、どうしても『やらされてる』感が拭えず、面白いと思えないでしょう。(2)強みを発揮できない。もちろん、適材適所に仕事を振ることができる上司もいるかもしれませんが、得てして回ってくる仕事は自分の強みを発揮できるものとは限りません。これでは、強みを活かすことも伸ばすこともできないでしょう。(3)自分の手柄にならない。自分が企画立案して動いたわけではないので、最終的にはうまくやりおおせたとしてもボスの手柄になってしまいます。