出世が早いナルシスト社員、うかつな採用・昇進に要注意

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自己陶酔に浸るナルシストと一緒に仕事をした経験があるという人は珍しくない。少しでも意見が衝突した部下の首をたちまち切る上司や、周りに慕われることを第一目標にしている同僚がいる職場は多いのではないか。

政治家であれCEOであれ、リーダー職に就くナルシストは多い。だが、ナルシストが選挙で当選したり出世したりする傾向があるからといって、その仕事に向いているとは限らない。

ナルシストは出世が早い

これまで行われた研究では一貫して、ナルシストは権力者の地位に就く傾向があることが示されている。ナルシストは概して、自分の能力を誇張し、何にでも対処できるかのように振る舞う。傲慢さは自信と解釈される上に、人を魅了する力やカリスマ性を持ち合わせていることも多く、好感が持て資質のある人物という第一印象を与える。

出世の早いナルシストは、収入も高い傾向にある。ナルシストのCEOは自身のビジョンに確固たる自信を持っており、多くの人を引き付けるとの研究結果も出ている。人気の高いリーダーは有能とみなされることから、ナルシストの収入は増加する傾向にある。

ナルシストは本当に良いリーダー?

リーダー職に就くナルシストについての研究は、ここ10年間で数多く行われてきた。2014年に学術誌「パーソネル・サイコロジー(Personnel Psychology)」で発表された論文では、より確信的な結論を導くべく、それまでの先行研究を概観。その結果、自己陶酔傾向とリーダーとしての成功との間には直接的な関連性はないとの結論が出されている。ナルシストは優秀なリーダーを自称するが、その部下や同僚、上司も同じ評価を下す可能性は低い。

だがこの論文では同時に、人々を「完全なナルシスト」と「完全な非ナルシスト」に分けることはできないとも指摘している。どの程度ナルシスト傾向があるかは、人によってさまざまだ。研究チームは、ナルシスト度が極端に低かったり高かったりする人はリーダーの資質がないことを発見した。ナルシスト度が低過ぎる上司は頼りないとみなされる一方で、高過ぎる上司は暴君とみなされるのだという。最も優秀な上司は、ナルシスト度が中程度の人々だった。

危機対応で輝くナルシスト

ナルシストのリーダーは、組織が危機に直面している時にその能力を発揮する可能性がある。ナルシストは大胆な戦略をいとわず、自信にあふれている上に、説得力もある。こうした資質により、他の従業員は安心してリーダーに対応をゆだねることができる。

だがこうしたナルシスト的アプローチは、組織が安定している時には効果が薄い。従業員はむしろリーダーの傲慢さに意識を向け、不要なリスクを強いるナルシストのリーダーに反発する恐れがある。

採用責任者が知るべきこと

自信と自己陶酔の違いは、明確に区別するべきだ。応募者が自分にはリーダーの資質があるといくら自信をもって主張しても、事実とは限らない。採用や昇進の権限を持つ社員は、ナルシストは第一印象の好感度が高い一方で、時がたつとともに有害な存在となっていくことを覚えておくべきだ。