マツダのライバルはラテン車!? プジョー渾身のディーゼルは最安が最高なり

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 国内でも、クリーンディーゼル車の選択肢が増えてきた昨今。とはいえ手ごろな価格のディーゼル車となると、選択肢は限られておりました。そこに登場したのが、プジョーの小排気量ディーゼル車。快進撃中のマツダのディーゼル車はもちろん、プリウスとだってガチンコ対決できる逸材です。自動車趣味人はもちろん、普通の人にもオススメの1台であります。

MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

◆快進撃のマツダもうかうかできない。プジョーの最安ディーゼルは最高!

 我ら自動車趣味人(少数)の間に激震が走っている。

 このたびプジョー・シトロエングループが、ラテン系ブランドとして初めて、クリーンディーゼル車を投入したのである!

 これまでディーゼルと言えば、日本では国産のマツダと、ドイツ勢(BMWとメルセデス)およびイギリス勢(ジャガー)のみだった。あっ、あとイタリアのマセラティがあったな、忘れてた。けどあれは1000万円くらいする高級車。一般人が購入を考える300万円以下のディーゼル車をラインナップしているのは、マツダとBMWミニしかなかった。

 が、この度、日本に導入されたプジョー308アリュール ブルーHDi(1.6ディーゼル)は299万円! 同じエンジンを積むシトロエンC4は279万円! このクラスのディーゼル車の燃料代はプリウスとほぼ同じにつき、車両価格が300万円を切れば、プリウスともガチの節約対決ができるのである!

⇒【写真】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1199862

 マイナーな自動車趣味人としては、レアな欧州製ディーゼル車に乗りつつ、「これ、プリウスより安上がりなんだよね〜」とパンピーのみなさまに上から目線でうそぶくのがたまらない。いや、もともとディーゼル車の主旨は「節約」なのだから、車両価格が高すぎたらあまり意味はない。

 節約に燃える自動車趣味人の私としてはそこが悩みどころで、辿り着いたのがランチア・デルタ1.6マルチジェットなる並行輸入ディーゼルの中古車(208万円)だった!

 実際このクルマと新型プリウスとで名古屋まで遠征した際は、軽油の安さを利して燃料代で僅差の勝利を収めた。自動車趣味人会心のジャイアント・キリングであった。

 そんなマイナーな世界に、プジョー・シトロエンというどメジャー(並行輸入のランチアに比べれば)が参入してくれた! 本音を言えば、並行輸入車は左ハンドルで駐車券取るのがめんどくさい。だから、右ハンドルでお手頃価格のディーゼル車が増えるのは、自動車趣味人として大きなヨロコビなのである!

 乗ってみてどうだったか。

 すばらしかった。ディーゼルエンジンは静かで力強くて走りがとっても軽快。なにより乗り味がフランス車本来のフンワリ感満点で、とろけるように気持ちいい。日本のアイシン製6速ATも実にスムーズ。変速時にガックンと来る我がランチアのセミATとは雲泥の差である!

 ところでこのエンジン、どうやって現在の厳しいディーゼル排ガス規制をクリアしているのか?

 尿素SCRという、どっちかっつーと大型ディーゼル車向けの高級(?)技術だ。トランク下に尿素水タンクを備え(約1年持つ)、そこからちょっとずつ排気に尿素を噴霧して化学反応を起こさせて、窒素酸化物を低減させている。性能面では有利だが、尿素タンクなどがスペースを食って小型車向きではないし、コストもかかる。まさか1.6ディーゼルにそれを積んでくるとは!

 オタク的にはですね、お安くないとダメな小排気量ディーゼル車で、現在のディーゼル排ガス規制をクリアさせようとすると、革新的なマツダのスカイアクティブD以外、コスト的にムリじゃないかと思ってました。マツダのスカイアクティブDにはお高い尿素SCRもNOx吸蔵触媒も必要ない。だからデミオの1.5ディーゼルは200万円を切り、308と同クラスのアクセラ1.5ディーゼルも230万円〜だ。

 しかしプジョー・シトロエンは尿素SCRに賭けた。なにしろフランスのメーカーにとって小排気量ディーゼルは生命線。販売の過半数を占めている。それを死守するためにこの技術を全面導入し、大量生産によってドバッとコストを下げようという意図なのだ! 肉を切らせて骨を断つ戦略とでも申しましょうか!

 仕上がりの良さは抜群。マツダもうかうかしておれん。自動車趣味人(かなり少数)としては、今後もクリーンディーゼルに期待大である。

⇒【写真】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1199858

【結論】
プジョー308には2リッターディーゼルもラインナップされていますが、やや重ったるい印象で、体感的な加速も1.6と大差なし。よって、お値段が55万円もお安い1.6ディーゼルが断然魅力的でございました